世界美食紀行

夏休みは“1点豪華主義”でいこう! タイ・プーケット(1)

  • 文・写真 江藤詩文
  • 2017年5月15日

昨年12月にリノベーションしたばかりの「オーシャンビュー・プール・ジュニアスイート」のプライベートプール。昼間のビューも素敵ですが、お部屋に用意された自家製のクッキーをつまみながら迎える夕暮れも最高

 終わっちゃいましたね、黄金週間。次なる楽しみは夏休みです。GW明けからバカンスの計画を立て始める方もいらっしゃるのではないでしょうか。私もそう。東南アジアの甘い風に吹かれて、ビーチを眺めながらプールサイドでうっすいビールでも飲みたい……。そんな東南アジア好きのまったり(非アクティブ)派におすすめしたいのが、私の愛するタイの人気リゾート、プーケットです。

テキパキと乗り継ぎの案内(下段MEMOを参照してください)をしてくれたエアアジアのクルー。うやうやしいおもてなしはありませんが、対応が親切でスピーディなのは心強い

 私の場合、近ごろは、飛行時間7時間くらいまでの東南アジアの行き慣れた旅先で、観光がメインではなくリゾートに“おこもり”するのが目的の場合、飛行機代を節約して、そのぶんホテルを奮発するのがマイブーム(幽玄なる温泉リゾートの極上スパ 中国(2))。旅のスタイルに合わせて選べる個性的なリゾートが揃っているプーケットで、今回は「トリサラ」をチョイスしました。

「トリサラ」のパブリックスペースは中央に集約されています。ゲストルームは全室が独立していて、完全にプライバシーが確保されていますが、ここではゲスト同士で交流が生まれていました

 チェックインしたのは、「オーシャンビュー・プール・ジュニアスイート」。手入れの行き届いたトロピカルガーデンに囲まれた独立棟のヴィラで、ゆったりとしたテラスには、海に溶け込むようなプライベートプール、パラソルとデイベッド、アウトドアコーヒーテーブル、アウトドアシャワーが配置されています。私だけのために隅々まで整えられたプライベート空間。なーんて気取ってみましたが、実は「トリサラ」は全室が独立したヴィラで、プライベートプールつきのオーシャンビューなのです。私が滞在したのは、スタンダードクラスというわけ。

プーケットのラグジュアリーリゾート「トリサラ」のビーチを望むパブリックプール。目の前のプライベートビーチには浮き島と水面に浮かぶ橋があり、アクティビティを楽しめます

 プーケットでも指折りのラグジュアリーリゾートですが、カップル仕様のロマンティックリゾートというよりは自然に溶け込んだナチュラルなヘルスリゾートといった趣きで、ひとりでも過ごしやすい。誰でも参加しやすいプログラムも用意されていて、たとえば朝はヨガで身体を目覚めさせてプールやビーチでのんびりとリラックス。午後は瞑想プログラムを体験したり、同じくリノベーションしたスパ「ジャラ スパ」でトリートメントを受けたり。

 東京での自分はさておいて、ここにいると私でも“意識高い系女子”になれるかもと錯覚してしまいそう。ゲストのリピート率が高いのも特徴で、ヘビーリピーターが友だちや家族を連れて戻ってくるというパターンが多いと言います。そのためかスタッフのサービスがアットホームなのも心地いい。

「ジャラ スパ」のトリートメントルームも独立したオーシャンビューのヴィラタイプ。ひとりで予約した場合でも、カップル用の広々としたスペースを独り占めできます

 とはいえやっぱり“花より団子”の私にとって、最大の魅力は食にありました。リゾートの中心には、オールデイダイニングの「シーフード」とファインダイニングの「プル」というふたつのレストランと有名バーテンダーがいるラウンジバーがあります。正直、最初は「長期滞在のゲストが多く、しかもリピーターというわりにレストランが少ないな」と思いました。ところが。トリサラでは広大な敷地内どこでも「望めばそこがレストラン」なのです。

ラウンジ&バーのバーテンダーはタイで開催されたカクテルコンペティションで優勝した実力者。プーケットでは有名人だそうで、彼が考案したオリジナルレシピのカクテルを楽しめます

 たとえば朝食は、バスローブのまま自室のプールサイド、きちんとテーブルセッティングして自室のリビング、中にはベッドに寝そべったまま食べたいというリクエストもあるそう。ブッフェがお好みなら「シーフード」のテラス席でも、エアコンの効いた室内でも。ランチはさらに選択肢が増え、ビーチやプールサイドで軽いスナックを楽しむこともできます。

朝食はルームサービスをオーダー。バルサミコソースで味わうさっぱりとしたアボカドトーストはトリサラの朝の名物。フルーツは、私はマンゴー一択ですが、好みのものを好きなだけ盛り合わせでお願いできます

 ディナータイムはさらに楽しみが増します。オールデイダイニング「シーフード」で提供するのは「ママの味」の伝統的タイ料理。手間がかかるために消えかけてしまったという郷土に根ざしたレシピをひも解き、モダンに再構築するというコンセプトはバンコクのスターシェフのレストラン「ナーム」(やっぱりすごいぞ、カリスマ“タイ料理研究家” タイ(4))にも通じるものがありました。

「ママの味」のタイ料理をあれこれ楽しめる「シーフード」。手前はプーケットの郷土料理で、ココナッツミルクでとライムに似た地元の柑橘類で煮込んだプーケット産のカニのソース。生野菜をディップします

 ファインダイニング「プル」のコンセプトは「ファーム トゥ テーブル」。「ローカルな食材をグローバルに調理する」というシェフの志向はとっても今どき感があります。トリサラはこのレストランのために、オーガニックファーム「プル・ジャンパ菜園」を運営しています。で、このファームに通いつめているというオランダ人シェフの料理が予想をはるかに上回るすごさでもうびっくり。このお話はまた後日に。

ランチはビーチサイドで、トリサラ風クラブハウスサンドとレモンとミントのスムージー。ここはWiFi完備で、この景色を見ながら仕事をしているヨーロッパのノマドワーカーもいました

■トラベルデータ

 今回の旅先であるタイのプーケットへは、日本から直行便は就航していない。取材時はバンコクで乗り継いだ。バンコクへは羽田・成田・中部・関西・福岡など日本各地から、格安航空会社(LCC)を含め多数の航空会社が直行便を飛ばしている。成田からバンコクへの飛行時間は約7時間5分。バンコクからプーケットへの飛行時間は約1時間15分。

公用語はタイ語。観光地では英語も比較的通じる。時差はマイナス2時間。通過はタイバーツで、1バーツ=約3.8円。

*データは2017年2月取材時のもの

■MEMO:旅と乗り継ぎ

 スワンナプーム空港とドンムアン空港のふたつの空港を有するバンコクでは、どちらの空港に到着/出発するか、ちょっと注意が必要です。この旅では使い慣れたドンムアン空港で乗り継げる、LCCのエアアジアに搭乗しました。「LCCだから何かあって乗り継げなくても自己責任になるだろう。一度荷物を受け取って再度預け直さなければならないはずだから、乗り継ぎには時間がかかりそう」と覚悟していたら、なんとドンムアン空港では「フライスルー」というサービスが導入されていました。スーツケースは一度成田で預ければ最終目的地のプーケットまでスルーで運ばれるうえ、飛行機を降りたところで係員が待っていて、乗り継ぎ客を最短ルートで搭乗ゲートまで連れて行ってくれるというサービスぶり。これなら自力での乗り継ぎに自信がないという海外旅行初心者でも安心して利用できます。

■取材協力:
タイ国政府観光庁
エアアジア
トリサラ(英語)ß

[PR]


この記事を気に入ったら
「いいね!」しよう

PROFILE

江藤詩文(えとう・しふみ)トラベルジャーナリスト

江藤詩文

トラベルジャーナリスト、フードジャーナリスト、コラムニスト。その土地の風土や人に育まれたガストロノミーや歴史に裏打ちされたカルチャーなど、知的好奇心を刺激する旅を提案。趣味は、旅や食にまつわる本を集めることと民族衣装によるコスプレ。著書に電子書籍「ほろ酔い鉄子の世界鉄道~乗っ旅、食べ旅~」シリーズ3巻。「江藤詩文の世界鉄道旅」を産経ニュースほかで連載中。

今、あなたにオススメ(PR)

Pickup!