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初夏の京都 1泊2日 青もみじの名所をめぐる御朱印旅

  • &TRAVEL編集部
  • 2017年5月31日

 京都のもみじといえば赤く染まった「紅葉」を思い浮かべますが、初夏のこの時期、芽吹いたばかりの「青もみじ」の美しさをご存知ですか? 若葉が瑞々しい青もみじは6月上旬までが見頃、秋のにぎわいとは違った落ち着いた雰囲気のなかで、新緑の景色をゆったりと味わってみてはいかがでしょうか。

 今回、JR東海の「京都 青もみじ・御朱印めぐり」を体験した筆者が、青もみじとともに、特別な御朱印がもらえる神社とお寺をご紹介します。

貴船神社

貴船神社

 ここは京都の北にそびえる山の奥、また鴨川の水源地でもあります。貴船神社は水を司る「水の神」。その昔、歴代の朝廷が度々、その霊力を頼って馬などを奉納していました。青もみじを味わいながら、心身を清める旅の出発点としてふさわしい場所といえるでしょう。

 また、この貴船神社は「恋を祈る神社」として知られています。その由来は、平安時代、情熱的な恋愛遍歴を重ねた天才女性歌人である和泉式部が参詣し、夫との復縁を祈ったことにあると言われています。

 平安時代は妻のもとに夫が通ってくる通い婚。和泉式部は、愛しい夫の来訪が途絶えるようになり、思い悩んで貴船神社に詣でたところ、貴船川に蛍が飛び交っている姿を目にします。

 もの思へば 沢のほたるも 我身より あくがれいづる 魂(たま)かとぞ見る
 (もの思いにふけっていると、沢のほたるも、私の体からふわふわと抜け出した私の魂のように見える)

こう詠んだ和泉式部に対して、男の声で、

 奥山に たぎりて落つる 滝つ瀬の 魂ちるばかり ものな思ひそ
 (奥山にはげしく落ち流れる滝の、水の玉が飛び散るように(魂が飛び散るように)思い悩んではいけませんよ)

と返歌があったというのです。このあと、和泉式部の願いは叶えられ、夫との関係も円満になったのだとか。※『後拾遺和歌集』

 女性の参拝客が多いこともうなずけます。

貴船神社 水占みくじ

 ここ貴船神社では、水の神にちなんだ「水占みくじ」が人気。願いをこめておみくじを引き御神水にそっと浮かべると、あら不思議、文字が浮かび上がってきます。

 このおみくじ、海外からの参拝客向けにQRコードがついており、アクセスすると多言語で結果が表示されるというすぐれもの。フェイスブックやインスタグラムのアカウントもあって、SNSの発信も積極的な神社なのです。

 貴船神社は、古くは気が生じる根源の地として「気生根(きふね)」と表記されていました。いまでも、地名の貴船は「きぶね」と濁点をつけて発音しますが、貴船神社は、清らかな水がいつまでも湧き出て濁らないように、との祈りをこめて「きふねじんじゃ」とにごらずに発音するのです。

■ここでいただく特別御朱印は・・・・・・
貴船神社の宮司・高井和大さん直筆のもの。左に通常の御朱印が、右には「気生根」の文字が記された見開きの特別御朱印となっている。
→ちょっと寄り道、川床(かわどこ)でいただく京料理(写真特集)

下鴨神社 提供:JR東海

下鴨神社

 鴨川に沿って下ると、高野川との合流地点に下鴨神社があります。貴船神社からここまで向かう道には、春の終わりを告げる野生の藤の花が咲き乱れていました。古来、川と川の出会うところには、神様が降りると考えられ、信仰を集める場所になってきました。例えば、かつて熊野本宮大社があった「大斎原(おおゆのはら) 」が有名です。

河合神社

 下鴨神社には、その豊かな水に育まれた原生林の植生が残る「糺の森(ただすのもり)」が広がり、そのなかを歩くだけで、身も心も清らかになるような心持ちがします。筆者は、しとしと小雨が降るなか「糺の森」を歩きましたが、青もみじが濡れて、いっそう緑があざやか、森の香りがたちこめていました。

■ここでいただく特別御朱印は・・・・・・
 普段は「山城国一宮 賀茂御祖神社」という御朱印を使っているが、今回は特別に下賀茂神社にゆかりの深い後鳥羽天皇が書いた文字を起こした「鴨印」が押されている。下賀茂神社にゆかりの深い後鳥羽天皇が書いた文字を起こした「鴨印」が押されている。さらに、印にあわせて「下鴨神社」と記している点も特別。
→ちょっと寄り道、縁結びのお社 相生社はこちら(写真特集)

 下鴨神社のなかには、縁結びやさまざまな良縁を授けてくれるとされる相生社があります。ここには、「連理の賢木」という木があり、二つの木が1本になっていることから縁結びに力がある、としてご神木として祭られています。

 下賀茂神社の言い伝えによると、連理の賢木が枯れてしまうと、また糺の森のなかに新たな連理の賢木が生まれてくるのだとか。現在の木も実は4代目。

 参拝方法も少々変わっており、お社と連理の賢木を囲うように通る通路を、絵馬を持ち願い事をしながら、男性は時計回りに3回、女性は反時計回りに3回まわり、絵馬を奉納しお参りをすると願いが成就するのだとか。なんでもここは恋愛だけでなく、ご縁にまつわる願いごとを聞き届けてくれるということで、仕事の縁を望む人のお参りも絶えないのだそうです。

河合神社

 その「糺の森」の一角には、下鴨神社の摂社である「河合神社」があります。

 ここの別名はなんと「日本第一美麗神」。婦道の神、美麗の神として、玉依姫命(たまよりひめのみこと)を祭っており、女性に大変人気のある神社なのです。こちらでぜひ試していただきたいのは、鏡絵馬と美人水。

河合神社の鏡絵馬

 鏡絵馬は、珍しい手鏡形の絵馬にシンプルな顔のイラストが書いてあり、その絵馬にメイクを施し願いを掛けて、外見だけでなく内面から美しくなることを願うもの。

 筆者も、玉のごとく美しかったとされる玉依姫命を目指して、必死にメイク。できあがった鏡絵馬に満足して、周囲を見回してびっくり。宝塚調のメイクもあれば、劇画調もあり、千差万別。美しさとは多様なものなのです。

河合神社 美人水 提供:JR東海

 美人水は、下鴨神社のカリンの庭(葵の庭)になるカリンの実と御神水の飲み物で、甘くさわやかな味がします。これからの季節、青もみじめぐりの一服の清涼を与えてくれるでしょう。

■ここでいただく特別御朱印は・・・・・・
 通常の御朱印のほかに“日本第一美麗神”の文字を加えてあるもの。河合神社は下鴨神社から歩いて数分の場所にあるため、めぐりやすいところがうれしいですね。

東福寺

 鴨川をさらに下っていくと東岸に東福寺があります。ここも今やもみじが有名で、紅葉の季節にはたくさんの観光客で賑わいます。本堂と普門院、開山堂を結ぶ通天橋からの眺めは、CMやポスターなどでご覧になった方も多いのではないでしょうか。しかし、じつはもみじを植えたのは、お寺を静寂に保ち、修行にふさわしい場所にするためでした。

東福寺 臥雲橋からの眺め

 室町時代、4代将軍足利義持のときのことです。義持が東福寺の画僧・吉山明兆(きっさんみんちょう)に、絵の褒美として望むものをたずねたところ、「境内に桜が増えると、人々が集まり酒を飲むなどして騒ぐため、修行の妨げになります。どうぞ桜を切ってください」と答えたのだとか。これを聞いた義持はいたく感動し、境内すべての桜を切り倒させた、と伝えられています。そののちに植えられたものが400年の時を経て、美しい2000本ものもみじの森となりました。

 秋の賑わいとはまた違った落ち着いた雰囲気のなかで、もみじを味わいながら、大伽藍の厳かな雰囲気に心を休めてみてはいかがでしょうか。

→ちょっと寄り道、筆者も挑戦!座禅体験(写真特集)

東福寺では、毎週日曜の午前6時半から1時間「日曜坐禅会」が開かれています。

→東福寺三門(国宝)のパノラマ写真はこちら(大きなページが開きます)

東福寺 座禅体験

■ここでいただく特別御朱印は・・・・・・
三ツ葉もみじのデザインのかわいらしい印が入ったもの。この三ツ葉もみじは、東福寺開山の祖・聖一国師が中国は宋から持ち帰ったものと言われる。

京都で本当にゆったりとした時間を味わう

トンボのように見える部分の付け根がもみじの実

 青もみじの名所をめぐる御朱印旅、どこへ行っても、フォトジェニックな景色をひとりじめできる時間がありました。人には教えたくないけれど、この時期の京都では、桜の季節や祇園祭、紅葉の季節のときのような混雑に出合うことはありません。春の終わりから梅雨の季節は、ゆったりと自分のペースで京都を巡る最良のときかも。

 そんな季節に筆者が見つけたのは、もみじの実。「青もみじ」のなかに、トンボのような、あわいピンクの実がなっていました。青々と茂る葉の中に次の季節が感じられるひと時でした。

■旅のTIPS
・今回ご紹介した4つの寺社仏閣を訪れるには、一泊二日程度を予定しておいたほうがゆったりまわれます。
・いまの時期、過ごしやすいものの日差しは強いため、晴雨兼用の傘があると便利でしょう。
・寺社は広く、階段が多いところも。歩きやすいスニーカーでの参拝をおすすめします。
・貴船神社は京都市内よりも数度気温が低くく、晴れていても場所によっては冷えることも。一枚羽織れるものを持っていくといいでしょう。
 ※各寺社ともに特別御朱印は、「京都 青もみじ・御朱印めぐり」ツアーの特典で、先着1000名様限りとなっています。

【JR東海 京都 青もみじ・御朱印めぐり(7/25帰着)】

詳細はこちら
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