沿線ぶらり女子旅

古民家カフェとバーボンロードで“昭和”を味わい尽くす 東急池上線

  • 千鳥町~蒲田
  • 2017年7月26日

 東急池上線は昭和レトロをとことん味わい尽くせるエリア。駅を降りて商店街を歩くと、街並みも街灯もお店も、どこか懐かしさを感じさせてくれます。また、屋上観覧車や撮影所跡では、昭和を知らない世代の人でも、ノスタルジックな雰囲気を楽しめるはず。今回は郷愁漂うスポットをめぐります。

池上本門寺からほど近い場所にある古民家カフェ「蓮月」。トタンのさびや木の黒ずみがこの建物の歴史を物語っている。小泉今日子、二階堂ふみ主演の映画『ふきげんな過去』の撮影に使われた

野鳥の鳴き声が響く、緑豊かな「千鳥いこい公園」

「千鳥いこい公園」はいくつかのエリアで構成されていて、ユニーク。何組かの家族連れが滑り台で楽しそうに遊んでいた

 「千鳥町」駅を下車して、徒歩約3分の場所にある「千鳥いこい公園」は、高低差のある緑豊かな公園です。この公園にはタヌキやキツネがところどころに置かれていて、それぞれの動物の前で話すと、地中のパイプを通して声が聞こえるというユニークな遊具があります。この日はこの遊具で遊んでいる子どもはいませんでしたが、大人でも楽しめそうな遊具でした。千鳥いこい公園はいくつかのエリアにわかれていて、遊歩道沿いの遊具のある下の公園から階段とスロープで一番上までのぼると、武蔵野の林を散策できるエリアにたどりつきました。

 このエリアには野鳥が飛来するらしく、見たことのない白い鳥のつがいが鳴きながら目の前を飛んでいきました。野鳥を探しながら、のんびりと散策してみるのもいいかもしれませんね。ふらりと立ち寄るだけでも、ホッと一息つける広々とした公園でした。

500個の南部鉄器の風鈴が涼やかな音色を奏でる「池上本門寺」

「池上本門寺」の南部鉄器の風鈴。風鈴の下で立ち止まり、涼しげな音色に耳を傾けたい

 再び乗車して、次に向かったのは「池上」駅から徒歩約10分の「池上本門寺」。日蓮聖人が61歳で入滅した日蓮宗の大本山です。総門をくぐり、階段をのぼると、そこには500個の南部鉄器の風鈴が涼やかな音色を奏でていました。風鈴の短冊には参拝者の願いが書かれています。今年で13回目を迎える「500個の風鈴の音を聞く」は毎年恒例の夏の風物詩。今年は7月22日まで行われています。この風鈴の短冊に書いた願い事はかないやすいと言われているそうですよ。

江戸時代の人々から「池上の大堂」と称されていた大堂(祖師堂)。建物の高さは約27メートルあり壮観だ

 風鈴の音色で涼んでから、日蓮聖人の御尊像が安置されている大堂(祖師堂)へ。この大堂は1945年の空襲で焼失しましたが、1964年に再建されました。中は静かで広く、中央に日蓮聖人の御尊像が安置されています。さらに天井には大田区在住だった日本画家、川端龍子の「未完の龍図」が描かれていますので、ぜひ見上げてみてください。その他にも境内には国宝・重要文化財の「五重塔」、供養塔「宝塔」、天海版一切経が収められていた「経蔵」など歴史的に大変価値のある建造物が多数あり、すべて無料で見学できます。

一歩店内に入ったら最後、何時間も居続けたくなる古民家カフェ「蓮月」

古民家カフェ「蓮月」の庭。1Fからは四季を感じる庭の景色を楽しめる。この日はあじさいが咲いていた

 「池上本門寺」の境内をめぐった後、古民家カフェ「蓮月」に向かいます。1933(昭和8)年に建てられた木造建築の一軒家をリノベーションしたカフェです。カフェに入ると、1階奥の席に案内され、目の前にはあじさいの咲くお庭が。店長の輪島基史さんは、アパレル店を経営されていたそうで、センスの良さを感じるペンライトが天井からやさしく店内を照らし、骨董品(こっとうひん)のタイプライターや扇風機などが置かれていてスタイリッシュ&レトロな雰囲気で居心地バツグン。女性客の姿を多く見かけましたが、年齢層は幅広く、近所の人たちからも観光客からも愛されているカフェだと感じました。その証拠に他のテーブルから“すてき! こんなカフェが池上にあったんだね"、“よく来るけど毎回もっと長居したいと思うんだ"という声が聞こえてきました。

厚切り照り豚丼1190円。ドリンクを一緒にオーダーすると、ランチが100円割引になる

 ランチに『OTA(おおた)いちおしグルメ』に選ばれた「厚切り照り豚丼」を注文。5分ほどでテーブルに運ばれてきました。さっそくいただくと、よく煮込まれた2枚の厚い豚肉が甘辛くて美味。そして女性にちょうど良い分量でした。このカフェの2階も見学させてもらったのですが、純和風の畳部屋でレンタルスペースとしての利用も可能とのこと。さらに中学生、高校生は放課後自習室として使用でき、ドリンク代も半額になるそう。「池上」駅を訪れる際は、毎回寄りたいと思えるお店でした。

蒲田のランドマーク「屋上かまたえん」の都内唯一の屋上観覧車

レトロポップな「幸せの観覧車」は一周300円。蒲田の街や東急線蒲田駅の線路を眺めることができる

 再び東急池上線に乗車し、終点の「蒲田」駅で下車。駅ビル、東急プラザ蒲田の屋上にある「屋上かまたえん」へ向かいました。ここには都内唯一の屋上観覧車があるのです。今ある「幸せの観覧車」はじつは2代目。1代目は「お城観覧車」という名前で1968年~1989年まで活躍しました。その後、2代目が引き継ぐのですが、東急プラザ蒲田が2014年3月に一時閉店した際、閉鎖の危機がやってきます。しかし、多くの人たちから存続を望む声が集まり、2014年10月にカラーリングと名称を新たに復活しました。名称は公募の結果、地域に「幸せ」を届ける願いを込めて決定されたそうで、この観覧車と共に時を刻み、生活してきた人たちの思いが伝わってきます。

 また「屋上かまたえん」では9月30日まで中南米料理をビュッフェスタイルで味わえる屋上ビアガーデンが開催されています。暑い夏の夜、冷たいビールを飲みながら、友達や家族と楽しく過ごしたいものですね。

かつては「キネマの都」だった蒲田、撮影所跡を訪ねて

「ニッセイアロマスクエア」と大田区民ホール「アプリコ」のガーデンにある松竹橋の再現。喫煙所の手前にある

 蒲田に松竹キネマ撮影所があったのをご存じでしょうか? 筆者は知りませんでした。1920年から、1936年に神奈川県大船に引っ越すまで、蒲田から幾多の名作が世に送り出され、「キネマの都」としてその名を全国に知られていたそうです。

 当時の蒲田には多くの俳優や撮影関係者が住み、流行の発信地でもあったとか。今、松竹キネマの跡地には「ニッセイアロマスクエア」と大田区民ホール「アプリコ」が建っていて、敷地内のガーデンには映画『キネマの天地』で使用された松竹橋(蒲田撮影所前に架かっていた橋を再現したもの)が残っています。昔は撮影所の正門前に逆川(さかさがわ)が流れていて、松竹橋が架かっていたそうです。当時の姿を想像して、不思議な気分になりました。

昭和の映画に登場しそうな「バーボンロード」が渋い!

夕方の「バーボンロード」。看板や街灯も渋く昭和レトロな印象だ。この通り沿いにはバーボンロードという名前のバーもある

 蒲田駅には昭和の映画に登場しそうな通りがあります。その名も「バーボンロード」。東急線の高架沿いにあるこの通りには、バーや居酒屋、焼き鳥屋などの飲食店が軒を連ねています。高架沿いの飲屋街といえば新橋が有名ですが「バーボンロード」は新橋の何倍も渋く、昭和の名優がバーの入り口から顔を出してきそうな雰囲気。ステンドグラスのようなデザインの看板も味があります。プチ旅の最後に「バーボンロード」で軽く一杯飲むのもいいかもしれませんね。

東急電鉄「蒲田」駅は東急池上線と東急多摩川線の起点となっていて、都心へのアクセスも良い。またJR線への乗り換えも数分で便利

 東急池上線の旅を振り返ってみると、「蒲田」駅に近づくにつれて昭和を感じるスポットが増えていき、懐かしさが込み上げてきました。一昔前の東京を味わいたくなったら、東急池上線に乗って、気になるスポットをめぐってください。

<取材協力>
古民家カフェ 蓮月
http://rengetsu.net/

<アクセス・関連サイト>
千鳥いこい公園
東急池上線「千鳥」駅下車、徒歩約3分
大田区
http://www.city.ota.tokyo.jp/shisetsu/park/chidoriikoi.html

池上本門寺
東急池上線「池上」駅下車、徒歩約10分
http://honmonji.jp/

屋上かまたえん
東急池上線「蒲田」駅下車、徒歩約1分
東急プラザ蒲田
http://kamata.tokyu-plaza.com/kamataen/

松竹キネマ撮影所跡
東急池上線「蒲田」駅下車、徒歩約4分

大田区
http://www.city.ota.tokyo.jp/shisetsu/rekishi/kamata/shouchiku_satsueijoato.html

バーボンロード
東急池上線「蒲田」駅下車、徒歩約2分
蒲田西口商店街
http://www.24kamata.or.jp/バーボンロード/
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