旅空子の日本列島「味」な旅

白河小峰城下、奥州街道の宿場町で味わう名物のだんごとラーメン

  • 文 写真 中尾隆之
  • 2017年9月7日

奥州への押さえに重視された小峰城の三重櫓(やぐら)

  • 大正時代のハイカラさが漂う洋風の白河駅舎

  • 松平定信が開いた水と木、花の南湖公園

  • 南湖公園の名物の花月の「南湖だんご」

  • 黒あんを求肥(ぎゅうひ)で包んだ老舗(しにせ)玉家の「烏羽玉」

  • 菊忠の「白河ラーメン」

  • 白河の名を古くから広めた白河関跡

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 福島県白河市といえば、能因、西行らの和歌や芭蕉の『おくのほそ道』に登場する「白河の関」で知られるみちのくの玄関口。鉄道での入り口のJR東北線白河駅に降り立つと、ホームから美しい曲線の石垣と三重櫓(やぐら)の白河小峰城が間近に見える。

 まずは町のシンボルの「小峰城跡」(白河市観光課0248-22-1111)に行った。城は江戸時代に10万石の白河藩主となった丹羽長重が、南北朝時代からあった城を改修したもの。天守閣こそ設けられなかったが、“奥州の押さえ”にふさわしく、4年をかけて石垣や櫓などに大きく手が加えられた。城主も榊原、本多、松平、阿部各氏の重臣たちがあたったが、1868(慶応4)年の戊辰戦争白河口の戦いの際に焼失する。

 今に残る三重櫓は資料に忠実に木造で再現されたもので、石落としや鉄砲狭間の仕掛けなどに往時をしのびながら、急階段で最上階に出ると、吹き抜ける風が涼しく、四周に眺望が開けた。

 代々の藩主の中でも特に名高いのは、のちに幕府の老中を務め、寛政の改革を成し遂げた名君、12代藩主の松平定信。茶人で作庭にも優れていた定信は、城の3キロほど南に日本最古の公園といわれる「南湖公園」を造営。湖畔に桜、楓、松などを植え、17の景勝地を定めて和漢二つの名称を付けた。

 眺めのよい茶室の共楽亭(きょうらくてい)、池泉回遊式日本庭園の翠楽園(すいらくえん)を設け、身分の差を超えて共に楽しめる“士民共楽”の理念が実践されたという。

 湖畔には名物「南湖だんご」の店が4軒。そのなかで、創業100年余の元祖と呼ばれる「花月」(0248-23-3377)で、小豆あんやみたらしがたっぷりかかった、しこしこの歯ざわりの上新粉のだんごをおいしく味わった。

 城下町の面影は大手町、勘定町、手代町、大工町、馬町、年貢町など今も町名にも残る。旧奥州街道(国道294号)沿いには脇本陣柳屋の蔵座敷をはじめ、白河醤油やこしあんを柔らかな求肥(ぎゅうひ)で包んだ銘菓「烏羽玉」で知られる1861(文久元)年創業の「菓子舗 玉家」(0248-23-2001)、白河銘酒の千駒酒造(0248-23-3057)の白壁の酒蔵など、風情がある建物が点在する。20ほどを数える周辺の寺を含めて、城下町と宿場町が折り重なって発展した面影が残っている。

 そんな中で、今の白河で目に付くのが100店を数える名物「白河ラーメン」。コシのある手打ち麺とコクのあるしょうゆ味のスープが評判で、昼時は並んで待つこともしばしば。数ある中で「ラーメン処菊忠」(0248-23-2898)で味わい深く賞味した。

アクセス・問い合わせ

・JR東北線白河駅下車、または東北新幹線新白河駅下車
・白河市産業部観光課 0248-22-1111
・白河観光物産協会 0248-22-1147

※都道府県アンテナショップサイト「風土47」より転載。
※文中の施設名のリンク先は楽天トラベルの情報ページです。

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PROFILE

中尾隆之(なかお・たかゆき)ライター

nakao takayuki

高校教師、出版社を経てフリーの紀行文筆業。町並み、鉄道、温泉、味のコラム、エッセイ、ガイド文を新聞、雑誌等に執筆。著作は「町並み細見」「全国和菓子風土記」「日本の旅情60選」など多数。07年に全国銘菓「通」選手権・初代TVチャンピオン(テレビ東京系)。日本旅のペンクラブ代表・理事、北海道生まれ、早大卒。「風土47」でコラムを連載中。

風土47

fudo47

都道府県のアンテナショップの情報を集めたポータルサイト。全国的には知られていないけれど味も生産者の思いも一級品、そんな隠れた名品を紹介する「日本全国・逸品探訪」など様々な記事が掲載されている。

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