世界美食紀行

高級系スパ天国! マカオの最大級スパ「WYNN PALACE」

  • 文・写真 江藤詩文
  • 2017年9月11日

まだまだ開発が続くマカオのコタイ地区。2016年9月にオープンした「ザ パリジャン マカオ」は、2分の1スケールのエッフェル塔のレプリカをアイコンとするなど、「マカオでパリ気分を味わう」がコンセプト

 もう何度も書いていますが、私にとって世界最高峰のスパ天国トップ2といえばタイとバリ島です。ラグジュアリーホテル内の高級スパはもちろん、コスパのいい街スパでも(たまに大ハズレもありますが)比較的セラピストの技術が安定していて、長めの時間をマッサージに割いても満足度が高いことが多い。短時間でサクッとリフレッシュするなら台湾式もいいですよね。

ウィンパレスの「ザ スパ」にある、ホットストーンチェアやプールみたいに広々としたジェットバスなどが充実した「ウォーターセラピーゾーン」。パブリックスペースですが他のゲストは見かけませんでした

 一方、高級から格安まで混沌(こんとん)としたこれらの国のスパ事情とは一線を画し、ハイエンドなスパ施設のみが充実している旅先もあります。私がこれまで旅したなかでは、中東ドバイやヨルダン側の死海、アジアではシンガポールがそう。ラグジュアリーリゾートのなかに豪華けんらんのスパ施設をつくり、高い技術を持つセラピストを、タイやインドネシアをはじめ世界中から集めているのです。

「ザ スパ」のレセプション。チェックインとカウンセリングを受けるスペースです。ジュース2種類、ココナツウォーター、ドライフルーツとナッツ、季節のフルーツが用意されていました

 ここマカオもそんな旅先のひとつ。次々とオープンする世界トップクラスのIR(カジノを含む大型の総合リゾート施設)は、そのほとんどがラグジュアリースパを備えています。そのひとつ、昨年8月にオープンした「WYNN PALACE(ウィンパレス)」にある、マカオで最大級の規模を誇るスパ施設「the spa(ザ スパ)」を訪れました。

プライベートエリアも広々。写真はジェットバスとミストサウナ、デイベッドなどがあるエリア。同じくらいの広さの着替えスペースと、トリートメントを受けるベッドルームの3室をひとり占めできます

 ウィンパレスのコンセプトは「花とアートにあふれたエレガントな宮殿」。「母娘や友人同士が、グルメやスパ、ショッピングといった女子旅を楽しんでほしい」と、IRながらカジノ色は抑えられています。エントランス正面には大型の噴水があり、それを見下ろすように、周囲には金色のドラゴンが支えるロープウェーが張り巡らされています。館内に入ると金色のインテリアをアクセントに、見渡す限りを埋め尽くす色とりどりのカラフルな花、花、花。ソーシャルメディアが盛んなマカオらしく、写真映えにも配慮されたデザインも女子旅にぴったり。

ウィンパレスのロビーに飾られたフラワーアートは季節の生花をふんだんに使い、写真映えにも配慮した贅沢(ぜいたく)なもの。写真の風車をデザインしたアートのほか、バルーンをかたどったデザインも。アートは季節によって変更するそう

 花の回廊を抜けて向かった「ザ スパ」は、想像以上にラグジュアリーな空間でしたが、それ以上に驚いたのがユニークなトリートメントです。「○○式」といったあらかじめ決まったプログラムではなく、症状や期待する効果をカウンセリングしながら、その場でプログラムをカスタマイズし、セラピストが選ばれます。私の場合は首から背中、腰にかけて血液やリンパの循環が悪く、そのために非常に固くなっていて肩甲骨がまったく動いていないこと、また、不要な老廃物が適切に排出されず、主に下半身にたまって毒素となっていることが指摘され、ストレッチが少なめのタイ式マッサージと指圧の組み合わせを提案されました。

ウィンパレスのメインダイニングのひとつ「ウィンレイパレス」は、噴水に面して大きな窓が開けていて、昼間も夜景も抜群のビューを楽しめます。中国調のデザインをモダンにアレンジして、金色と花を使った内装はゴージャスのひとこと

「ウィンレイパレス」の料理はクリエーティブな広東料理が中心。ミシュラン2ツ星以上の獲得を視野に入れ、料理の美しさや完成度の高さ、器やカトラリー、スタッフの動きにも気を配っているそうです

 観光が主要な産業のひとつであるマカオでは、多国籍な人々が働いています。そのためタイ式、バリニーズ、指圧のほか台湾式、スウェディッシュ、ロミロミ(ハワイ)、ヒロット(フィリピン)など、さまざまな技術を持ったセラピストが集まっているそう。多言語に対応して、ゲストそれぞれの症状をより細かく把握できるほか、スタッフはさまざまな文化的バックグラウンドを持っていて、ムスリムの女性など宗教上の配慮が必要なゲストの対応にも慣れているとか。

多文化が共存するマカオでは、料理のバリエーションも豊富です。代表的なものだけでも写真のポルトガル料理やマカオで独自に発展したマカオ料理、広東料理、さらに屋台や大衆食堂、スイーツと一日中食べ歩きたくなります

 そのうえカジノで収益が見込めるため、最新のゴージャスな施設のわりにはリーズナブル。そんなわけでマレーシアやインドネシアの富裕層の女性たちが、スパ目当てでマカオにやって来るそうです。マカオといえばスパ。これからマカオを旅するときは、必ずスパチェックをしたいと思います。

エッフェル塔とともにこちらもコタイ地区のランドマーク。2015年10月にオープンしたIR「スタジオシティ マカオ」にある、ビルをくりぬいたような斬新なデザインの「ゴールデンリール」は、世界初の8の字形観覧車です

■MEMO:旅と予約

ラグジュアリーホテルのスパは、基本的にゲストのプライバシーに配慮してあまり予約を詰め込まないため、午前中や夕方といった人気の時間帯は予約が取りづらいことがあります。マカオ旅行は短い日程で計画する人が多いと思いますが、お目当てのスパがあるなら、出発前にあらかじめ予約を入れておくことをおすすめします。

帰国直前の日程を予約する人も多いようですが、私のおすすめは到着日の夕方か到着翌日の午前中。出発前の慌ただしさ(仕事の前倒しとか)や移動疲れを解消し、リフレッシュしてこれから始まる旅を楽しめます。旅先に慣れてきたら現地でローカルなスパを予約して、帰国直前に再度スパを満喫するのもおすすめ。

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PROFILE

江藤詩文(えとう・しふみ)トラベルジャーナリスト

江藤詩文

トラベルジャーナリスト、フードジャーナリスト、コラムニスト。その土地の風土や人に育まれたガストロノミーや歴史に裏打ちされたカルチャーなど、知的好奇心を刺激する旅を提案。趣味は、旅や食にまつわる本を集めることと民族衣装によるコスプレ。著書に電子書籍「ほろ酔い鉄子の世界鉄道~乗っ旅、食べ旅~」シリーズ3巻。「江藤詩文の世界鉄道旅」を産経ニュースほかで連載中。

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