楽園ビーチ探訪

『進化論』に貢献した、新種が続出する驚異の絶景アイランズ・ラジャアンパット

  • インドネシア・ラジャアンパット
  • 2017年9月14日

魚の群れが大きく、密度が濃いのに驚かされるラジャアンパットの海。まるでひとつの生物のように、群れが変幻自在に形を変えます 撮影/細田健太郎

  • 船のエンジン音に、慌てて飛び立つアジサシの群れ。しばらく経つと、また岩礁に戻ってきました

  • 村と村の間の移動は船で。こちらはサウワンダレック村

  • サウワンダレック村の地図。シンプルです

  • パイネモの展望台から見下ろした石灰岩カルスト地形の島々。パラオのセブンティアイランドのよう

  • あいにくの天気だった、パシール・ティンブル。「海に砂の島が浮かんでいるんです!」とガイドさんが興奮ぎみに説明をしてくれたので、他にもあります、とは言えず……

  • ワイゲオ島の最大の街ワイサイのマーケットにて

  • 快適に過ごせるクルーズがおすすめ。アリラ・ホテルズの「アリラプルマナ」や、アマンリゾーツの「ラジャアンパット・クルーズ・エクスペディション」などが、時期により開催されています

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 来る2018年は日本とインドネシア国交樹立60周年。そこで今回はインドネシアの東のはずれ、西パプア州のラジャアンパットをご紹介します。

 ニューギニア島の東側、鳥のくちばしのような形をした半島の沖の約4万6000平方キロにわたる広大な海域に、大小1500の島々が点在するラジャアンパット。おもな島はワイゲオ島、バタンタ島、サラワチ島、ミソール島の四つで、それぞれの島を王が統治していたことからインドネシア語で“4人の王”という意味の地名が付けられています。

 この海域について最初に記述したのは、ダーウィンの同僚であり、“生物地理学の父”と呼ばれたアルフレッド・ラッフル・ウォレス卿。「私が見てきた中で最も美しく、絵になる風景だ」と、島々の美しさに心酔し、ワイゲオ島に数カ月滞在。その時の研究が、のちに進化論にも一役買ったそうです。

 そして今でも研究者たちがこの海域で調査を行うと、そのたびに何らかの新たなる発見あり、“種の工場”との異名もとっています。

 それほど豊饒(ほうじょう)な海であるのは、地理的な理由があげられます。

 ラジャアンパットが位置するのは、“海のアマゾン”と呼ばれるコーラルトライアングル(マレーシア、フィリピン、インドネシア、東チモール、パプアニューギニア、ソロモン諸島)の中央。海流にのって太平洋とインド洋の異なる海域の魚たちが合流し、その数1400以上。うち、ラジャアンパットの固有種は19種にものぼります。また、サンゴは550種を数え、世界のリーフを形成するサンゴの75%の種がここに生息しているそうです。実は、資料によってラジャアンパットの生物の種の数に微妙な違いがあったりしますが、おそらく研究者が新種を加えていくたびに、ズレが生じるのかもしれませんね。

 ラジャアンパットの北には、ミクロネシアのパラオがあります。水面部分でキュッとすぼまったマッシュルーム型のロックアイランドは、パラオの象徴的な絶景ですが、実はそれが、ここにもあります。

 ワイゲオ島の北、300段あまりの階段を上るパイネモの展望台からは、淡いブルーの浅瀬にマッシュルーム型の島々が点在し、まるでパラオの観光のハイライト“セブンティアイランド”のよう。その美しさは階段を登ったかいがあるというもの。上がった息と感動で心拍数がアップしてしまうかもしれませんが。

 さらに、パラオで目にする干潮時に現れる砂州も、パシール・ティンブル(“浮かんだ砂”という意味)というスポット名で存在します。絶景のそっくりさんですね。

 国としてはインドネシアですが、地理的にはパプアニューギニアに近いラジャアンパット。出会う人々はジャワ系もいれば、メラネシア系もいて、外見は異なっていてもみんなインドネシア語を話しているのを聞くと、不思議な感覚がします。主食はヤシの木からとったウイロウのような“サゴ”という食べ物、伝統的な舞踏など、独自の文化に触れるのも興味深い体験でしょう。

 ラジャアンパットを旅するなら、島内にネイチャーリゾートもありますが、おすすめはダイブクルーズか、リゾートホテル主催のラグジュアリークルーズ。海況の穏やかな10~4月がオンシーズンです。

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PROFILE

古関千恵子(こせき・ちえこ)ビーチライター

リゾートやカルチャー、エコなどを切り口に、国内外の海にフォーカスした読み物や情報を発信する自称「ビーチライター」。ダイビング雑誌の編集者を経てフリーとなり、“仕事でビーチへ、締め切り明けもビーチへ”を繰りかえすこと四半世紀以上。『世界のビーチ BEST100』(ダイヤモンド・ビッグ社)の企画・執筆、『奇跡のリゾート 星のや 竹富島』(河出書房新社)の共著のほか、ファッション誌(『Safari』『ELLE Japon』など)やウェブサイトに寄稿。http://www.world-beach-guide.com/では、日々ニュースを発信中。

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