沿線ぶらり女子旅

都電荒川線で行く、とことん食べて、遊ぶ下町たび

  • 文・写真 ライター 木下あやみ
  • 2017年10月3日

あらかわ遊園の観覧車は200円で乗ることができる。この日は曇り空だったが、東京スカイツリーを望むことができた。ひとりでも気楽に乗れる観覧車だ

 都電荒川線「王子駅前」から終点の「三ノ輪橋」にかけては、あらかわ遊園や都電おもいで広場など子供時代にタイムスリップできるスポットが点在しています。また下町ならではのグルメやお土産も豊富で、食べ歩きが楽しいエリアです。今回は、懐かしい情景の残る下町を散歩しました。

無料で乗れるモノレールも! 日本最初の公園に指定された「飛鳥山公園」

飛鳥山公園のモノレール「あすかパークレール」。車両名はアスカルゴと言い、カタツムリに似たスタイルからこの名前になったそう

 都電荒川線「王子駅前」停留場で下車し、JRの高架下をくぐり抜けると、「飛鳥山公園」に到着します。八代将軍徳川吉宗が桜の名所に仕立てたこの公園は、明治6年に太政官布達によって日本最初の公園に指定されました。園内には約650本の桜、アジサイやツツジなどの草木があり、広々としていて、ピクニックにも最適です。

 この公園は三つの博物館、旧渋沢庭園、蒸気機関車D51853など見どころ満載ですが、訪れたら乗りたいのが「飛鳥山モノレール(あすかパークレール)」。公園の入り口から山頂まで高低差18メートルを結ぶ小さなモノレールで、乗車時間は約2分と短いのですが、王子の街並み、都電荒川線が道路を走る姿を眺めながら、無料で空中散歩を楽しめますよ。

迫力のある男滝は必見、しっぽりと過ごしたい「名主の滝公園」

男滝に向かう遊歩道は、思いのほか険しかった。小川沿いの道や石の上を歩く必要があり、ヒールのある靴を履いていくと少々危険かもしれない

 飛鳥山公園でのんびりとした後、「名主の滝公園」へ向かいました。この公園は王子村の名主であった畑野家が屋敷内に滝を開いて茶を栽培し、一般の人たちが利用できるようにしたのが始まりだと言われています。それが“名主の滝”の由来にもなっているそうです。

 園内に一歩足を踏み入れると、人々の避暑のために作られただけあり、木々が生い茂りひんやりとしていました。この公園には8メートルの落差を有する男滝(おだき)を中心に4つの滝があります。小川沿いの散策路を歩くこと約5分で男滝に到着。男滝は近くで見ると迫力があり、まるで自然にできた滝のようでした。滝の前でしばらく佇んでいると、涼しくて、汗が乾いていくのを感じましたよ。しっぽりと大人の時間を過ごしたいとき、この公園を訪れるといいかもしれませんね。

生クリームたっぷり! ボリューム満点な「Cool Cafe」のフレンチトースト

鉄板フレンチトースト(ハッピー!!)は780円、TEATのアプリコットは400円だが、ドリンクセットで220円割引となり、合計1000円で大満足のランチを味わえた

 公園を散策後、お腹が空いてきたので、「荒川車庫前」停留場の目の前にある「Cool Cafe」へ。このカフェの名物「鉄板フレンチトースト(ハッピー‼)」と、ドライフルーツのお茶「TEATのアプリコット」を注文。待つこと約15分でどちらもテーブルに運ばれてきました。まずお茶から飲んでみると、甘さと酸味のバランスが絶妙で、柑橘系のやさしい香りに癒やされました。続いて、たっぷりと生クリームののったフレンチトーストをいただくと、まるでプリンのようなふるんとした食感に驚きました。こんなフレンチトーストは食べたことがありません。中には白ワインで煮込んだリンゴのコンポートが入っていて、適度な酸味がフレンチトーストの甘さを引き立てていました。昼食代わりにもなる、ボリューム満点なフレンチトーストなので、女性なら二人でシェアしてもいいかもしれません。

 また「Cool Cafe」の2階はアンティーク時計のショップになっています。じつは全国からアンティーク時計を求めて来店するお客さんから「食事ができる場所が欲しい」という要望があり、このカフェを開いたそうです。そのためカフェの壁にもアンティーク時計がかかっています。アットホームで居心地の良い「Cool Cafe」は何度も行きたくなるカフェでした。次はもうひとつの人気メニュー、ハンバーグを味わってみたいです。

都電の歴史に触れることができる、「荒川車庫」と「都電おもいで広場」を見学

車両が並ぶ荒川車庫。車両が出入りする姿は見ることができなかったが、さまざまな車両を見学できた

 

 さて、お腹が満たされたところで、「Cool Cafe」から徒歩で1分程の荒川車庫に向かいます。ここには停車中の車両がいっぱい。都電荒川線の始点と終点である「早稲田」と「三ノ輪橋」駅には車庫がないため、荒川車庫で折り返し運転が行われています。三ノ輪橋行きの「荒川車庫前」駅だけ降車と乗車でホームが異なるのは、そういった理由があるからなのです。

 荒川車庫のすぐ横にある「都電おもいで広場」にも寄ってみました。ここには都電の旧型車両が2両展示されていて、中も見学できるようになっています。「PCCカー」と呼ばれている5500形の中には、昭和30年代をテーマにした「おもいでジオラマ」、都電にまつわるものが展示された「おもいでグラフィティーボックス」もあり、何だか懐かしい気持ちになりました。

大人も楽しめる、下町のテーマパーク「あらかわ遊園」

あらかわ遊園には自分でペダルを漕いで進むスカイサイクルもある。これに乗ると、園内の景色を一通り楽しめそうだ

 再び荒川線に乗車し「荒川遊園」で下車。「あらかわ遊園」へと向かいました。この遊園地は大正11年に開園した東京23区内で唯一の公営遊園地です。園内はいかにも日本の一昔前の遊園地といった雰囲気ですが、観覧車、メリーゴーランド、ファミリーコースターと乗り物は一通りそろっています。観覧車に乗ってみると、東京スカイツリーが見えました。

 天気が良い日だと、富士山が見えることもあるそうです。残念ながら観覧車内でのカメラの使用が禁止されているため、観覧車からの景色をお届けできないのですが、下町の街並みを遠くまで眺めることができて、気持ちよかったです。

 園内にはヒツジやうさぎと触れ合えたり、ポニーに乗れたりするどうぶつ広場、魚釣りができる魚つり広場などがあり、一日遊ぶことができます。子供はもちろんのこと、大人でも童心に返って楽しめるでしょう。

ジョイフル三ノ輪で名物の紅しょうが天ぷらを味わう

昭和テイストなジョイフル三ノ輪。焼き鳥店、餃子店、パン屋などがあり、歩いているだけで食欲がそそられる商店街だ

 次は終点の「三ノ輪橋」停留場へ。三ノ輪といえばジョイフル三ノ輪が有名ですよね。この商店街には、下町の美味しいを味わえる名物がいくつかあります。その中のひとつ「お惣菜の店 きく」の紅しょうが天ぷらをテイクアウトしました。

クリスピーな食感の紅しょうが天ぷら。「歩いて食べます」と言うと、キッチンペーパーに天ぷらを包んで渡してくれる

 歩きながら食べてみると、サクサクとした天ぷらに細く刻まれた紅しょうがが入っていて、美味しかったです。この天ぷらは塩っ気があり、何もつけずに食べられます。お酒のおつまみとしても最高でしょう。他にも焼き鳥や揚げ物を売っている「とりふじ」、惣菜パンのお店「オオムラパン」などがあり、下町グルメを思う存分味わえますよ。ジョイフル三ノ輪で食べ歩きするのも楽しそうです。

車両のカタチをしていてキュート、お土産に買いたい「都電もなか」

「都電もなか10輌入り」は、都電荒川線の路線図のイラストがセットとして入っている。箱は荒川車庫を模したデザインになっていて可愛らしい

 最後にお土産として「都電もなか」を買うことにしました。「梶原」停留場から徒歩約2分の「都電もなか本舗 菓匠 明美」へ。この和菓子店で40年ほど前に考案されたのが車両のかたちをした「都電もなか」です。都電もなかは全5種類あり、バラで買うこともできます。

 都電もなかは生地の中に、お餅と小倉がたっぷり入っていて、程よい甘さ。一度に何個も食べたくなりました。筆者は「都電もなか10輌入り」を購入しましたが、二日で完食。また荒川線に乗る時は必ずこのもなかを買うでしょう。

飛鳥山公園横の派出所前を通過する荒川線。荒川線は降りたい駅の手前でバスのように降車ボタンを押さないと、停車駅で乗車する人がいなければ通過してしまうので注意したい

 都電荒川線の沿線では、どこに立ち寄っても気さくに話しかけてくれる人がいて、温かい気持ちになりました。都心部では消えつつあるそのような光景ですが、この沿線にはまだそういった人と人との交流が残っています。週末や空いた時間を使って、人の温かさに触れる小旅行に出かけてみてくださいね。

<取材協力>

Cool Cafe

<アクセス・関連サイト>

飛鳥山公園
東京都北区

名主の滝公園
東京都北区

都電おもいで広場
東京都交通局

あらかわ遊園

ジョイフル三ノ輪

都電もなか本舗 菓匠 明美

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