京都ゆるり休日さんぽ

京都の手仕事の台所道具「鍛金工房 WESTSIDE33」

  • 2017年10月6日

 毎日作る卵焼き、サラダを取り分けるスプーン、じっくりコトコト煮込むシチュー……。そんな日々の料理を楽しく、そしておいしくしてくれるのが、京都「鍛金工房 WESTSIDE33(たんきんこうぼうウェストサイド)」の台所道具。店名の通り三十三間堂の西側の通り沿いにあり、「鍛金」という金属を打ち出して成形する技術によって作られた、シンプルで美しい手仕事の調理道具が並びます。

アルミのカトラリーや小物類。打ち出しの跡が手になじむ(1000円〜3300円など・税込み)

 サイズや形もさまざまな鍋から、カトラリー、キッチンツール、うつわなど、台所・食卓周りのあらゆる道具がそろう店内。そのどれにも、槌目(つちめ)と呼ばれる金槌(かなづち)跡があります。うろこのように美しい模様を描くこの槌目が、WESTSIDEの道具の使い心地の秘密。しっくりと手になじみ、金属にもかかわらず不思議とあたたかみがあります。職人の手作業で均一に打ち出された鍋は、熱伝導に優れ、しっかりと厚みがあり、だしや煮物もおいしく仕上げてくれるとか。

ずらりと並んだ種類豊富なアルミ鍋。家族の人数やよく作る料理に合わせて選んで。

 家庭に一つは欠かせない行平鍋(ゆきひらなべ)や、和洋問わず煮込み料理に重宝する両手鍋、噴きこぼれにくい段付き鍋など、用途に応じた鍋の品ぞろえは圧巻。手入れのしやすいアルミ製のほか、高級感のある銅や真鍮(しんちゅう)を使った鍋もあり、プロの料理人にも愛用されています。

アルミ製両手鍋・浅型18cm(10,700円・税込み)は、そのまま食卓に出しても美しい。

 「人の手でこしらえたもんは、人の手のあたたかみがあるやろう」と語るのは、鍛金職人として約70年、腕一本で工房を支えてきた寺地茂(てらじ・しげる)さん。先代が行っていた業務用鍋の卸から、徐々に家庭向けの多彩なデザインを展開し始め、1994(平成6)年にこちらの店を構えました。

中央のテーブルには、ワインクーラーや皿、ピッチャーなどさまざまなテーブルウェアが並ぶ。

 「こういう鍋でこういう料理を作ったらおいしいやろうと想像して、色んな種類を作ってきた。ゆっくりと低い温度で、時間をかけて炊いたら、料理はおいしくなる。今は、お湯を入れるだけとか、電子レンジでチンするだけでできるもんもあるけど、時代に逆らってますのや」と笑う寺地さん自身も、料理をするのだそう。WESTSIDEの鍋は、寺地さんのおいしく調理するコツを形にした最良の道具でもあるのです。

ほどよい深さのボウル(3,800円〜・税込み)。繊細な縁のデザインと軽さが魅力。

 現役の職人として鍛金に携わりながら、工房の職人たちの指導にも当たる寺地さん。「色んなもんを作らせると、その分技術が上がる」と話し、工房の職人たちには、さまざまな道具を作らせています。カトラリーや小物など、現代の食卓のスタイルに合わせたアイテムが豊富に並ぶのも、次の世代へと鍛金の魅力を伝えていくための一歩です。

真鍮(しんちゅう)製のレードル(左3700円、右3500円・ともに税込み)はスラリとした持ち手のデザインが秀逸。

 その使い勝手の良さだけでなく、端正な見た目と手仕事のぬくもりで、料理を楽しくしてくれるWESTSIDEの台所道具。使っていて心地よいというだけで、いつもの料理も、じっくりと時間をかけて作ってみたくなるはずです。まずは、よく使う鍋やツールから、お気に入りを迎え入れてみてください。

(写真/津久井珠美 文/大橋知沙)

ここでしか買えないアイテムも豊富。三十三間堂と合わせて立ち寄りたい。

【鍛金工房 WESTSIDE33】
075−561−5294
京都市東山区大和大路通七条下ル七軒町578
10:00〜17:00
火曜定休
京阪七条駅から徒歩6分

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