絶景セルフィーに世界中が感動!ドローン映像に“バズリ曲線”も上昇

  • ドローン片手に世界一周!ハネムーントラベラー山口夫妻の軌跡〈後編〉
  • 2017年10月11日

 ドローンを片手に世界一周の新婚旅行に出かけ、絶景スポットで空撮したセルフィー(自撮り)の映像が世界中の注目を浴びた、山口千貴(かずたか)さん・真理子さん夫妻。「ハネムーントラベラー」と呼ばれる2人の旅の軌跡を振り返りながら、帰国後の心境を聞いた(前編はこちらから)。

絶景のセルフィーに届いた、世界中からの感動の声

出発からちょうど400日目に帰国した2人の空港での1枚。すがすがしい表情

 シンガポールから西回りに出発し、48カ国もの国を経て日本に帰国したのは、出発からちょうど400日後。幸いにも、2人は一度も危険な目に遭うことはなく、盗難や詐欺で金品を失うこともなかった。外務省の渡航情報や国際ニュースを丁寧にチェックし、治安の悪い地域では早朝や夜間の外出を控えるなど、細かな心がけが功を奏したこともあるが、「幸運の女神がついてくれていた」と真理子さんは笑う。

 「怖いという先入観があった国や初めて出会う民族の人々も、顔を合わせて話してみると、親切心ってものはみんな同じなんやなあって。旅を進めるにつれて、世界中の誰しもが必ず温かい心を持っているはず、という安心感を抱くようになりました。食べ物の違い、衣服の違い、文化や環境の違いなど、彼らも私たちも、違っているからこそおもしろいと感じたんです」(真理子さん)

オマーンのスルタンカブースグランドモスクにて。旅先では、現地の民族衣装を身につけることも多かった

 行く先々で、ドローンを初めて見るという人も多かった。撮影をしていると、どこからともなく人が集まり、上空のドローンに向かって笑顔で手を振る。撮影した映像を見て、「自分たちの住んでいるところを空から見るのは初めてだ」と感激してくれる人々もいた。2人が出かけた新婚旅行は、いつしか2人だけの思い出を超えて、同じ時間、同じ場所にいた、世界中の人々の記録にもなった。

バチカン市国のサン・ピエトロ大聖堂は、2人がこれまで見た中でもっとも感動した教会だそう

 「ネットで動画を公開するたびに、すごい反響がありました。僕たちが“バズり曲線”と名付けている反響のバロメーターがあるんですけど(笑)、特に、旅の途中でBBCに紹介されたとき、そして帰国後にまとめ動画を公開したときの反響はものすごい数で。世界中から何万件とコメントやメールをもらって、中には全然知らない言語もあったけれど、なんとなくわかるんです。全部うれしいことを書いてくれているって」(千貴さん)

世界のどこかの、かけがえのない1日の記録

 旅を終えてから、2人の生活は大きく変わった。必要最小限の荷物で400日を過ごした経験を経て、本当に必要なものは数少ないのだと気付いた。持ちすぎていたと感じるものを断捨離し、心から手元に置いておきたいと思えるものを残した。

帰国後、ドローンの映像クリエーターとしても活躍の場を広げた千貴さん。「日本では危険な印象を抱く人も多いですが、使い方次第ですごく夢のある機械になるんです」

 また、千貴さんには、ドローンで映像を撮影してほしいというオファーが世界中から来るようになった。現在もプログラマーとしての仕事を続けながら、ドローンの映像クリエーターとして、時には海外まで撮影に出かけている。「新婚旅行は終わりましたけど、帰国してからの生活も、まだ旅の続きを追いかけているような感覚です」と千貴さんは言う。

 24時間夫婦2人きりで、言葉も文化も生活環境も違う場所で、400日もの旅を続けられたコツをたずねると、真理子さんはこう答えた。

「ハネムーントラベラー」として情報発信を手がける真理子さん

 「問題があったときには話しあって、必ずその日のうちに解決する。それは夫からの提案でしたが、長い旅を続けていくにつれて、1日1日を気持ちよく過ごすことがどれほど大切か気付くことができました。彼は、いつも私が旅を心から楽しめるように考えてくれていた。どんなに感謝してもしきれません」

ノルウェーのトロムソでは念願のオーロラを見ることができた。雪山では1台目のドローンが行方不明になるというハプニングが

 世界一周という壮大な新婚旅行を成し遂げた、一組の夫婦。その400日間は、ドローンという最新の映像機器によって、クリエーティブで新しい旅のスタイルを示した。けれど、そこに映る絶景はこれまでも今も地球上のどこかにあり、そこに暮らす人々や旅行者もまた、それぞれに今日という日を過ごしている。山口さん夫婦が記録したドローンの映像に感動するのは、この地球に存在する美しい景色や人々の営みを、まったく新しい視点から眺めさせてくれるから。そして、その映像に映る1日に同じ日は一つとしてなく、その場、その時、その瞬間に居あわせたことの尊さを、伝えてくれるからなのかもしれない。(文/大橋知沙)

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