クルーズへの招待状

北海道・知床の大自然とサハリンで歴史を感じるクルーズ旅

  • ダイヤモンド・プリンセスで行く北海道&サハリン紀行(前編)
  • 2017年11月10日

ダイヤモンド・プリンセス

  • ベイブリッジ通過

  • 浴衣着付け体験

  • グラスタワー

  • 釧路市丹頂鶴自然公園

  • バルコニーでルームサービスランチ

  • 知床沖クルージング

  • サハリン州郷土史博物館

  • 新大聖堂

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 外国客船のクルーズは「高額」「言葉の壁がある」「洋食続きはつらい」と思う人もいるでしょう。しかし、こんなイメージを払拭(ふっしょく)し、日本人とクルーズの距離を縮めてくれた立役者がダイヤモンド・プリンセスの日本発着クルーズです。そもそも、この船は、三菱重工業長崎造船所で建造された、日本生まれの外国客船という特別な存在。数年前から、1泊あたり1万円台からという手ごろな料金設定で日本人も乗りやすい日本発着クルーズを数多く行ってきました。

 そこで、今回はダイヤモンド・プリンセスの北海道サハリンクルーズを通してその魅力を探ってみましょう。

 横浜を出航したダイヤモンド・プリンセスは、まず恒例のベイブリッジくぐりに挑戦しました。船長に聞いたところ、海面から約55mの高さの橋げたと、船の一番高い場所・煙突との隙間はわずか数メートル。ぎりぎりでくぐり抜けます。ベイブリッジを真下から見上げる瞬間が人気で、大勢の乗客が、屋外デッキに出て、スリル満点のベイブリッジ見物を楽しみました。

 翌日は、一日中海を走る航海日。ダイヤモンド・プリンセスは、1日50以上もの船内プログラムが組まれているので退屈知らず。さらに、カナダ、オーストラリア、韓国、タイ、オランダなど20カ国以上からの乗客が集まったインターナショナルな雰囲気の中で、国際交流を図るイベントが行われたのもこのクルーズの特徴といえるでしょう。その一つ「浴衣着付け体験」は、「浴衣を着てみたい」という外国人客の希望をかなえるイベント。着付けのできる日本人客有志が、ボランティアとなりお手伝いをします。私も、カナダ、アメリカ、タイの大人と日本の子供など計6人の着付けにあたりました。最初にげた、浴衣、帯を一緒に選んでから着つけていくのですが、どの乗客も仕上がると大喜びで、一緒に記念撮影をし、メールアドレス交換までした人もいました。まさに船上は和やかな国際親善の場となりました。

 そして、その夜は船長主催の華やかな歓迎パーティーが開催され、プリンセス・クルーズで吉例となっているグラスタワーのイベントも行われました。

 翌朝目を覚ますと、ダイヤモンド・プリンセスは釧路に到着。タンチョウを見るため、釧路市丹頂鶴自然公園へ向かいました。ここは、特別天然記念物のタンチョウを保護増殖するために1958年に開園されました。特徴は天候、時期を問わず間近でタンチョウを見物できること。今回も絵画のように片足で立つ姿や、鋭いくちばしで魚を捕る瞬間など、珍しいタンチョウの生態を目の前で見ることができました。

 この日は、肌寒い雨模様でしたが、ダイヤモンド・プリンセスに戻れば、温かいみそラーメン、サラダバー、サンドイッチ、ローストビーフ、カレー、春巻き、そして自分で作る手巻きずしなどが並ぶ日替わりの豪華ビュッフェが待っていました。このように、和洋折衷の料理が好みに合わせて食べられることもこのクルーズの魅力です。さらに、24時間ルームサービスが無料なので、バルコニー付き客室ならマイバルコニーがプライベート感覚あふれる海の上のレストランに早変わり。特にルームサービスのクラブハウスサンドイッチは、具がたっぷりで、プリンセス・クルーズの客船に乗った時の私のひそかな楽しみでもあります。

 翌日のハイライトは知床沖のクルージング。知床半島は、その成り立ちを知る上でも、断崖絶壁を望む海から見るのが一番といわれています。そこで、このクルーズではダイヤモンド・プリンセスという大型客船の上から世界遺産にも登録された自然美を眺めてみようという趣向なのです。半島にそびえる知床岳がくっきり見え始めると、突如10頭ほどのイルカの群れが現れ、屋外デッキが急ににぎやかになりました。緑に覆われた知床半島に流れ落ちるカムイワッカの滝やチャラナイの滝の清涼感は素晴らしく、ダイナミックな景観を眺めながら船は日本に別れを告げました。

 なぜなら、次の寄港地はロシアのコルサコフ。不凍港としても有名なサハリン州の海の玄関口です。ここからバスに乗りサハリン州の州都ユジノサハリンスクを目指しました。サハリン島は1905年、日露戦争に勝利した日本が北緯50度を境に南半分を1945年まで「樺太」として領有していました。日本統治下時代、ユジノサハリンスクは豊原と呼ばれ、今も所々に日本の面影が残ります。例えば、サハリン州郷土博物館は1937年、樺太庁博物館として建てられた姿のままで、内部には、サハリンの開拓史や、生息する動物の剝製(はくせい)、日露の国境の標石などが展示されていました。

 一方、旧ソ連時代は宗教が弾圧されたため、ロシア正教の大聖堂はペレストロイカ以降に建てられたものが多いそうで、サハリン州最大級の新大聖堂は、輝くような美しさでした。

 そして、ダイヤモンド・プリンセスはサハリン島を後に、一路日本の小樽に向かいました。

    ◇

問い合わせ先
プリンセス・クルーズの日本語サイト
http://www.princesscruises.jp/

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PROFILE

上田寿美子(うえだ・すみこ)

sumiko ueda

クルーズライター、クルーズジャーナリスト。日本旅行作家協会会員、日本外国特派員協会会員。クルーズ旅行の楽しさを伝え続けて30年。外国客船の命名式に日本を代表するジャーナリストとして招かれるなど、世界的に活動するクルーズライター。旅行会社等のクルーズ講演も行う。著書に「豪華客船はお気に召すまま」(情報センター出版局)、「世界のロマンチッククルーズ」(弘済出版社)、「ゼロからわかる豪華客船で行くクルーズの旅」(産業編集センター)、「上田寿美子のクルーズ!万才」(クルーズトラベラーカンパニー)など。2013年からクルーズ・オブ・ザ・イヤー選考委員。

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