京都ゆるり休日さんぽ

名庭×紅葉がフォトジェニックな京都の紅葉スポット

  • 2017年11月17日

 鴨川沿いの並木、京都御苑、三方を囲む山肌の色彩……。京都の街のあちこちで木々が色づきはじめると、いよいよ本格的な紅葉のシーズンの到来です。数えきれないほどの紅葉スポットがある京都ですが、古都ならではの文化に触れつつ、フォトジェニックな世界に浸ることができるのが名庭の紅葉。すみずみまで美意識の行き届いた構成と自然美の織りなす色彩に、息をのんで見とれてしまうはずです。

もみじのトンネルを抜けて、錦の庭園美へ。宝厳院「獅子吼の庭」

紅葉のグラデーションの中に堂々とたたずむ、宝厳院「獅子吼の庭」の巨石・獅子岩(画像提供:宝厳院)

 名勝・嵐山の借景とともに、ゆっくりと庭園を散策しながら燃えるような紅葉を楽しめるのが、「宝厳院(ほうごんいん)」の「獅子吼(ししく)の庭」。獅子吼とは仏の説法を意味し、鳥のさえずりや風の音、遠くに広がる山の色などに五感を研ぎ澄ませながら庭を巡るうち、真理や正道に導かれることを意図した構成です。庭園のシンボルでもある「獅子岩」と「碧岩」という二つの巨石のダイナミックなたたずまいに、しっとりとしたコケの深緑、鮮やかな紅葉が重なり、自然の中を歩いているようでいながら美しい調和も同時に感じられるはず。

宝厳院は、参道ももみじのトンネルも撮影必須の紅葉スポット(画像提供:宝厳院)

散策の途中、茶席・無畏庵(むいあん)でひと休みすることもできる。抹茶・お菓子付き(500円・税込み)(画像提供:宝厳院)

 宝厳院を拝観できるのは春と秋の特別拝観期間のみ。参道の見事な紅葉のトンネルや、抹茶と和菓子がいただける茶席からの眺めもぜひ堪能して。

【宝厳院】
075-861-0091
京都市右京区嵯峨天龍寺芒ノ馬場町36
2017年秋の特別拝観:10月7日〜12月10日/夜間特別拝観:11月10日〜12月3日
9:00〜17:00(16:45受付終了)/夜間特別拝観17:30〜20:30(20:15受付終了)
拝観料:500円(夜間は600円)
嵐電嵐山駅から徒歩3分
http://www.hogonin.jp/

モダン×紅葉。南禅寺 天授庵の二つの名庭

ひし形の石畳がモダンな印象の「南禅寺 天授庵」の「方丈東庭」。じっくりと向き合って眺めたい

 白砂とコケの緑、橙(だいだい)から赤へとグラデーションを描く紅葉のコントラストを、モダンな構図で見せてくれるのが「南禅寺 天授庵(てんじゅあん)」の「方丈東庭(ほうじょうひがしてい)」。コケに縁取られたひし形の石畳が、白砂の静けさにリズムをもたらす枯山水庭園です。モダンアートのような景色に、真っ赤に色づいたもみじの枝葉の鮮やかなこと。白砂に落ちた散りもみじの風情もまた格別です。

対して「書院南庭」は、風景の中に入り込んで散策できるのが醍醐味

 対照的に、「書院南庭」は二つの池を中心に散策する池泉(ちせん)回遊式庭園。黄・橙・赤とさまざまな色彩をにじませる木々の間を歩きながら、風景の中に入り込むような感動を味わうことができます。

夜にはライトアップも行われ、光と紅葉が幻想的な美を描き出す

【南禅寺 天授庵】
075-771-0744
京都市左京区南禅寺福地町86-8
9:00〜17:00(冬期は〜16:30)/夜間特別拝観(11月15日〜30日)17:30〜20:45
拝観料:500円(高校生400円、小・中学生300円)※夜間はそれぞれ+100円
無休(11月11日の午後〜12日の午前中は拝観不可)
地下鉄東西線蹴上駅から徒歩7分

まるで絵画が並ぶよう! 泉涌寺 別院 雲龍院の「蓮華の間」

泉涌寺 雲龍院「蓮華の間」の障子窓が切り取る、庭の4つのモチーフ。左から椿・灯籠・楓・松

 窓にフレーミングされた庭園美は京都に数多くありますが、中でも一風変わった景色を見せてくれるのが「泉涌寺 別院 雲龍院(せんにゅうじ・べついん・うんりゅういん)」の「蓮華(れんげ)の間」。書院から眺める庭の風景は、障子を閉めると一変。小さな窓に切り取られた四つのモチーフが浮かび上がります。それぞれの窓に映るのは、椿・灯籠(とうろう)・楓(かえで)・松。特に秋は、赤く色づいた楓がひときわ映え、四つの窓一つひとつが絵画のように並びます。

写真右の「悟りの窓」のほか四角形の「迷いの窓」も。それぞれ禅の思想に基づいた意匠

 禅における悟りの境地を象徴する正円の窓「悟りの窓」、人生の生老病死四苦八苦を表す四角形の「迷いの窓」からの景色もあわせて鑑賞してみてください。

【泉涌寺 別院 雲龍院】
075-541-3916
京都市東山区泉涌寺山内町36
9:00〜17:00(16:30受付終了)
拝観料:400円
※拝観休止日はHPの拝観カレンダーを要確認
JR東福寺駅・京阪東福寺駅から徒歩20分
http://www.unryuin.jp

 今年は10月下旬の気温の低下の影響か、例年より少し早めに見頃を迎えるもよう。色づきはじめからピーク、散り際の落ち葉のじゅうたんまで、秋の深まりとともに変化する古都の景色から、今年も目が離せません。(文/大橋知沙)

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