楽園ビーチ探訪

ベストシーズン突入、タイの美しき秘島クラダン島

  • タイ・クラダン島
  • 2017年11月30日

リーフの内側は喫水の浅いロングテールボートでないと航行が難しそう

  • スーツケースはボートからスタッフが担いで上陸

  • 美しい浅瀬が広がる東海岸。開放的な眺めが広がります

  • リーフの境目で海の色の濃淡がパキッと分かれます

  • 西海岸は熱帯の樹木に囲まれた、小さな入り江が点在。隠れ家感が漂っています

  • リゾートも2~3軒あります。こちらはセブンシーズ・リゾート

  • 石灰岩の島々が浮かぶトラン沖

  • ぐるりと断崖に囲まれたモラコット洞窟。思わず、見上げてしまいます

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 約120キロも続く長い海岸線やアンダマン海に浮かぶ大小の島々に、手つかずの自然がたっぷりと残るタイのトラン。県の3分の2が国立公園に指定され、美しいビーチに抜群の嗅覚(きゅうかく)を発揮する欧米のバックパッカーたちが近年、“次なる旅先”と目しているようです。

 そんなトラン沖の島々の中でも“ナンバー1に美しい”と呼び声が高いのが、クラダン島。本土のパクメン橋からボートで約30分、島に近づくにつれ、その海の色にまず驚くことでしょう。リーフの境目で、海の色が深く濃い藍色と、光り輝くアイスブルーにはっきりと分かれています。浅瀬はまるでモルディブのハウスリーフのような透明感。平らなモルディブと異なるのは、周囲に山を抱く島々が点在しているところ。その風景がアクセントになっています。

 クラダン島の東側は広範囲にわたってごく浅い海が広がり、喫水の浅いロングテールボートでも船底が砂を擦る音が時折聞こえるほど。そして上陸時は桟橋がないので、裸足になってポチャンと海へ入らなくてはなりません。スーツケースはスタッフが担いで船から下ろし、あとはリヤカーで運んでくれます。なんとも野性味のある上陸スタイルです。

 クラダン島は南北約2キロ、東西はわずか600メートルと細長く、中央に小高い山が五つ、龍の背のように盛り上がっています。上陸する東海岸にバンガローやリゾートがあるロングビーチがのび、ジャングルを横切った西海岸にはアダンやモクマオウなどに覆われた小さな入り江がいくつか点在しています。熱帯の木々に隠され、どこかヒミツな感じ。開放的な東海岸と好対照です。

 クラダン島には舗装道路がありません。なので、バイクも車も走っていません(だからスーツケースを運ぶのにリヤカーが活躍するのです)。コンビニもファストフードも、銀行もショッピングセンターもありません。数軒のバンガローと小さなリゾートがある以外は、チャオマイ国立公園クラダン第3支部があるくらい。この立派な名前の、いかにも島らしい掘っ立て小屋にいた、レンジャーらしき人々に声をかけてみました。

 どうやら、この海域にはジュゴンが生息しているそう。

 「何頭くらい、いるのですか?」

 「24頭かな」

 「140頭はいる!」

 数字はともかく、野生のジュゴンがこの海域のあちこちで目撃されているそうです。そして水中ウェディングができることでも知られているとのこと。

 クラダン島の東正面には、トラン沖で3番目に大きなムック島が浮かんでいます。この島には冒険心に火をつける体験が待っています。その“モラコット洞窟”へは、海側に開いた小さな入り口から進入し、暗がりに続く幅10メートルほどの水路を80メートルも泳いで抜けなくてはなりません。心臓をバクバクさせて水路を出た先には、見上げるほどの断崖に360度囲まれた小さな入り江が。その翡翠(ひすい)色の海の美しさといったら! 

 モラコット洞窟は最初、ツバメの巣を目当てに地元の人が訪れ、のちに海賊が財宝を隠す場所として使っていたとか。今は海賊の財宝なんてないけれど、この島々こそが宝だと思えます。

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PROFILE

古関千恵子(こせき・ちえこ)ビーチライター

リゾートやカルチャー、エコなどを切り口に、国内外の海にフォーカスした読み物や情報を発信する自称「ビーチライター」。ダイビング雑誌の編集者を経てフリーとなり、“仕事でビーチへ、締め切り明けもビーチへ”を繰りかえすこと四半世紀以上。『世界のビーチ BEST100』(ダイヤモンド・ビッグ社)の企画・執筆、『奇跡のリゾート 星のや 竹富島』(河出書房新社)の共著のほか、ファッション誌(『Safari』『ELLE Japon』など)やウェブサイトに寄稿。http://www.world-beach-guide.com/では、日々ニュースを発信中。

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