旅空子の日本列島「味」な旅

宿場町&城下町としての面影残す群馬・安中

  • 文・写真 中尾隆之
  • 2018年2月6日

2月下旬から咲き始める梅の名所の秋間梅林

  • 往時をしのばせる茅葺で復元の旧安中藩武家屋敷

  • 安中宿の面影を伝えるメイン通りの旧中山道

  • 天然醸造の製法にこだわる醤油の老舗の有田屋

  • 店内では醤油製品や醤油スイーツを販売

  • 風味が評判の醤油スイーツ”峠の贈り物”セット

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 毎年2月下旬になると、群馬県安中市街の北西、北陸新幹線安中榛名駅にほど近い秋間川上流の秋間梅林には、ふくいく(良い匂いのする様)たる香りを放つ3万5000本を超える紅白梅が咲き始め、西上州にいち早く春の訪れを告げる。

 ここ「安中」は、江戸と京を結ぶ大動脈、中山道の宿場町。かつて高崎を出て板鼻、安中、原市、松井田、五料、横川、坂本の7宿を経て碓氷峠(うすいとおげ)を越えた。皇女和宮(江戸幕府第14代将軍・徳川家茂の正室)は、この街道を京から江戸に向かう道すがら、泊まったのは板鼻宿(旧中山道最大の宿場町のひとつ)だが、安中宿は城下町でもあったので、復元の長屋門と曲がり家づくりの旧安中藩郡奉行役宅や旧安中藩武家屋敷が残っている。

 近くには安中藩士の長男として江戸屋敷で生まれた教育者・思想家、同志社英学校(後の同志社大学)の創立者・新島襄が両親のもとで布教のために安中で過ごした旧宅もある。

 この時、新島の思想に共鳴した地元のみそ・しょうゆ醸造・有田屋の湯浅治郎は、自ら建てた民間初の無料閲覧できる図書館・便覧舎で、旧藩士とその家族30名とともに新島襄から洗礼を受けた。その信者らが建てた安中教会が今も残る。

 湯浅家は地元教育や同志社大学、義弟・徳富蘇峰らを支援した素封家(そほうか)で、天保3年(1832)の創業以来、天然醸造製法にこだわる老舗。7代目の現在でも通常より1.5倍の原料と時間をかけた再仕込みしょうゆを醸造。卵専用しょうゆやバターめししょうゆなどいろいろなしょうゆやしょうゆスイーツを販売している。

 この有田屋の再仕込みしょうゆを使って、市内の菓子店ではそれぞれお菓子の家 あんの和洋まんじゅう「あん中さま」や扇堂のチーズクリームあんのふわふわのブッフェ「あんなかぽふぽふ」、鉱泉入りの磯部せんべいでしょうゆ風味のクリームをサンドした菓舗たむらの「しょうゆ薫るクリーム磯部煎餅」など7菓入りの”峠の贈り物“のセットも販売していて、甘しょっぱさが人気を呼んでいる。

交通
・JR信越線安中駅下車、または北陸新幹線安中榛名駅下車

問合せ
・安中市観光課 027-382-1111
・安中市観光機構 027-385-6555
・有田屋 027-382-2121

※都道府県アンテナショップサイト「風土47」より転載。

※文中の施設名のリンク先は楽天トラベルの情報ページです。

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PROFILE

中尾隆之(なかお・たかゆき)ライター

nakao takayuki

高校教師、出版社を経てフリーの紀行文筆業。町並み、鉄道、温泉、味のコラム、エッセイ、ガイド文を新聞、雑誌等に執筆。著作は「町並み細見」「全国和菓子風土記」「日本の旅情60選」など多数。07年に全国銘菓「通」選手権・初代TVチャンピオン(テレビ東京系)。日本旅のペンクラブ代表・理事、北海道生まれ、早大卒。「風土47」でコラムを連載中。

風土47

fudo47

都道府県のアンテナショップの情報を集めたポータルサイト。全国的には知られていないけれど味も生産者の思いも一級品、そんな隠れた名品を紹介する「日本全国・逸品探訪」など様々な記事が掲載されている。

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