おとな女子の一人旅

海外ひとり旅、現地で言葉の壁を越えるには?

  • ちょっぴり上級編 ひとり旅テク(5)
  • 2018年4月12日

キルギスの街角で“遠くまで来たな”と思うものの、地名が読めないのでどこから何キロ地点なのかいまひとつ分からない

  • キルギスの街角で“遠くまで来たな”と思うものの、地名が読めないのでどこから何キロ地点なのかいまひとつ分からない

  • バスターミナル。方角別に乗り場は分かれ、バスにも大きく表示があるが、それが読めない

  • バス移動の途中のドライブイン。トイレやお祈りする場など、絵があると分かる

  • 市場にて。用途別に米が分かれているのは写真でなんとなく分かる

  • ついでに映画の看板も読めない。何の映画か、分かりますか?

  • ウズベキスタンはアルファベット(ラテン文字)表記に切り替えつつある

  • 文字が読めないといえばミャンマーも苦労した。バス乗り場なのか店なのかも区別できなかったが、現地の人たちの親切にどこでも助けられた

 海外ひとり旅について、筆者の中央アジアの旅を例にしてお話ししている。旅の組み立て方のヒントにしていただければ。

最終的な旅のルート

アルマトイ(カザフスタン)から入国→キルギス→タシケント(ウズベキスタン)から出国。
全17日間

【ここまでに決まったこと】

・大まかなルート
・ビザ
・国境越えを含んだ大まかな日程
・ホテル選びの方向性

言葉の壁をどう越える

「英語が全然できないんですが大丈夫でしょうか」
「どうやったら言葉が通じますか」

 不安はよく分かる。筆者の場合、仕事柄少しの英語と中国語は話すが、今回のような中央アジアの旅だと、待っているのはロシアを中心に使われているキリル文字とロシア語、そして各国の現地語だ。

 でも大丈夫。一度でも海外ひとり旅に出た人なら分かると思うが、「なんとかなる」のだ。ただし旅で意思を通じさせるためのコツは三つある。

壁を越える三つのコツ

1. 大事な単語は大きめにはっきり言う
2. 余計なことは言わず、極力短文にする

 原則はこの2点。たとえば次の街の「ビシュケク」までバスで行きたいとき。バスターミナルの場所はガイドブックとグーグルマップで確認し、さらにホテルの人にも確認(行き先によりバスターミナルがガイドブックや地図と異なることはよくある)。

 到着すると、バスやミニバス、乗り合いタクシーがぎっしりで、みな前方に行き先らしき表示を出しているが、どれが「ビシュケク」なのか読めない。声をかけてくる運転手も、なにを言っているのか分からない。

 こういうときには、慌てず騒がず適当なところに立ち、「ビシュケク!」と行き先だけを大きめの声で言う。

 中央アジアの人の親切さもあるが、たいがい地名を聞いた誰かがその行き先のバスを教えてくれる(ぼーっと立っている異邦人が邪魔、というのもあるが……)。バスの場所まで行ったら、ドライバーにもう一度「ビシュケク?」と確認し、電卓アプリに料金を入力してもらう。下調べしておいた価格とそれほど差がなければ(ちょこちょことした値上がりはどこの国でもある)、「OK」と乗る意思表示をする。これで大丈夫だ。

 衆人環視の前でこれをやるのは、安全のためでもある。駅やバス停で親切そうな顔をして近づいてくる、英語や日本語が妙に堪能な人は、詐欺師の可能性もあるので少し警戒が必要だ。多くの人が見ている前での上記のような確認方法だと、その場の全員がグルでない限り、だまされる確率は低くなる。

 外国語会話集には、こんな場合の会話として、「○○までのバスはどこから出発しますか?」ときちんとした文で紹介されることが多い。それが言えたら何よりだが、実際のところ、話したこともない言葉を文にして人に伝えるのは難しい。

 バス停で大荷物を持っている人は、どこかに行きたい人、チケット売り場でお財布を出している人は、切符を買いたい人、レストランに入ってきた人は、何かを食べたい人だ(きっと)。周りの人もそこまでは分かる。あとは、自分の目的をはっきり言えばいい。

「ビシュケク!」
「トゥ タシケント! ネクスト トレイン!」
「テーブル フォー ワン!」

 これで大丈夫。特に英語は、文法などがある程度分かっているだけに、ちゃんと伝えようとすると時制や単数・複数形などが気になってしまい、慣れないと頭の中で作文するのに時間がかかる。

 “えーと、えーと……”と考えているうちに相手は聞く気をなくしてどこかに行ってしまうこともある。その前に、「ビシュケク! ワン! イエス ミー!」などと明確に伝えて、早く座席を確保することに専念したほうがいい。相手も忙しいのである。恥ずかしいとか言っている場合ではない。ひとり旅で大事なのは、安全に、確実に、目的を達成することだ。

そして最後のもうひとつのコツ。

3. 笑顔でしっかりお礼を言う。できれば現地語で。

 これがとても大事。バスまで連れてきてくれた人、切符の買い方を教えてくれた人、注文を辛抱強く聞いてくれた人。どれも旅の恩人だ。日本人はこういう感情表現がちょっと苦手なのだけれども、自分史上最高の笑顔で、「ありがとう」「サンキュー」を必ず伝えること。現地語、この場合は「ラフマット!」が言えたら満点だ。最高の笑顔が返ってくるはず。

 こんなときのために、「こんにちは」「ありがとう」だけは現地語で言えるようにしておくと旅がスムーズだ。

 言葉ができなくても、こんな気持ちのやりとりが毎日生まれる。それは、ひとり旅のだいご味のひとつだ。

テクノロジーに頼る

 ホテルなど、Wi-Fiがつながる場所だと話はぐっと簡単になる。出発前に、必ず翻訳アプリを入れておこう。

 たとえばGoogle翻訳の出番だ。世界ほとんどの言語に対応し、音声からの翻訳も可能だし、最近では画像からの翻訳もしてくれる。

 もちろんこういったアプリに100%は頼れない。会話の流れに沿った翻訳や、話し言葉の微妙なニュアンスは訳してくれないし、言葉の意味を取り違えての誤訳もある。ここでもコツは、「短い文にすること」だ。

 ホテルのフロントスタッフに、こう言いたいとする。「私は明日の朝10時に飛行機に乗りますから、空港に行くのにタクシーを8時に呼んでください。早いですけど朝食時間は間に合いますか?」

 これは文章が長すぎる。

「タクシーを8時に呼んでください」これで一つ。
「明日朝、10時の飛行機に乗ります」これが二つめ。
「朝食は、間に合いますか?」これが三つめ。

 用件を一つひとつ切り分けて、最も大事なことを最初に伝えるのがコツだ。翻訳アプリも、これなら誤訳の可能性が減る。

 とにもかくにも、スマートさより確実性。使えるものはなんでも使う。ひとり旅の言葉の壁は、こうして乗り越えよう。

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PROFILE

山田静(やまだ・しずか)編集者・ライター

女子旅を元気にしたいと1999年に結成した「ひとり旅活性化委員会」主宰。旅の編集者・ライターとして、『旅の賢人たちがつくったヨーロッパ旅行最強ナビ』(辰巳出版)、『決定版女ひとり旅読本』『女子バンコク』(双葉社)など企画編集多数。2016年6月中旬、京都に開業した小さな旅館「京町家 楽遊 」の運営も担当。

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