クルーズへの招待状

豪華客船クイーン・エリザベスとアジアのコラボレーションで描く船旅の魅力

  • 文・上田寿美子
  • 2018年4月16日

 就航以来、豪華客船の代名詞のように活躍を続けるクイーン・エリザベス。今年も世界一周クルーズでアジアにやってきました。

クイーン・エリザベス(撮影=上田英夫)

 しかも、クイーン・エリザベスは日本との絆も深く、2018年3月には大阪発着のクルーズを組み込み、約800人の日本人客が乗船。さらに、19年には2回の横浜発着クルーズ、20年には4回の横浜発着クルーズを予定しています。憧れの女王船の船旅が日本人にもぐっと身近になりそうです。

 クイーン・エリザベスの命名式典は、10年10月11日に、英国の港サウサンプトンで行われ、私もその式典に参列しました。ゴッドマザー(名付け親)を務めたのは英国のエリザベス女王。凜(りん)とした女王の命名宣言が伝統の港に響き渡った時、“新しい海の女王”の誕生を実感したのを思い出します。

クイーン・エリザベスの命名式典(2010年、画像提供=キュナード・ライン)

 では、いったいクイーン・エリザベスはどんな船旅を行っているのでしょうか。3月26日から5泊6日で乗船した“上海~香港クルーズ”の模様をお届けしましょう。

 クイーン・エリザベスは、キュナード・ライン社の客船で総トン数9万901トン、全長294メートル。乗船すると3層吹き抜けの重厚な雰囲気のグランドロビーに到着。正面には初代客船クイーン・エリザベスの寄せ木細工があり、作者はエリザベス女王の甥(おい)リンリー子爵。ここは、音楽が演奏されフルーツカービングの実演などが開かれる多目的スペースの役目も果たしています。

グランドロビーの寄せ木細工(撮影=上田英夫)

 その隣は2階建ての図書室で蔵書数は約6000冊。日本の本のコーナーもありました。船内にはロイヤルアーケードというショッピングモールもあり、中央にはエリザベスタワー(ビッグベンの名で親しまれている)の時計を製造したデント社の時計台。ショップはロンドン最古のアーケード、バーリントンを模した歴史と品格を感じさせるデザインの商店街です。

図書室は2階建て(撮影=上田英夫)

 上海から乗船した翌日はのんびりと海を走る航海日。そこで、12階にあるスポーツコートに行ってみました。ここには、クロケット、ショートマットボール、パドルテニスなど英国で人気のスポーツができる珍しい場所。また、10階には昔から船上で人気のあったゲーム・シャッフルボードもありました。

ショートマットボール(撮影=上田英夫)

 午後からは「日本文化ワークショップ」に参加。今年のワールドクルーズのハイライトでもあった日本をより深く印象付けようと企画されたイベントです。折り紙、箸の使い方、着物の着付けなどを外国の乗客に教えながら日本人とも交流を図るという、国際色豊かな船旅になりました。

 そして、夜はフォーマルナイト。数ある客船の中でもクイーン・エリザベスのフォーマルナイトはタキシードとイブニングドレスの着用率が高いといわれ、当日も7割ぐらいの男性がタキシード、女性も6割ほどがイブニングドレスでした。

 世界一周クルーズなどでは、舞踏会に服装テーマを設けることもあります。この日は「オリエンタル舞踏会」が開催されていました。東洋の格好でという仕掛けで、和服を着た日本人女性客から、外国人客のハッピ姿、チャイナドレス、アオザイ着用の客もいて、舞踏会の夜は華やかに更けていきました。

オリエンタル舞踏会(撮影=上田英夫)

 翌日は中国の厦門(アモイ)に寄港。ここは福建省南部の都市で、5大経済特区の一つ。林立する高層ビルに成長著しいパワーが伝わってきました。船のショア・エクスカーションに参加し、南普陀寺に参拝。厦門八景勝地の一つで創建は唐王朝時代にさかのぼるそうです。五老峰のふもとにたつ寺院で、約3万平方メートルの敷地に天王殿、大雄宝殿、大悲殿などが並んでいました。鮮やかな伽藍(がらん)や黄金の仏像などが、西洋から来た乗客たちにはとても珍しい様子。最後に寺のボランティアから高僧の書いた「百福」のポスターがお土産としてプレゼントされ、皆それを持って船に戻りました。

厦門の南普陀寺(撮影=上田英夫)

 お昼はリドというビュッフェレストランの一角にあるピッツァ・コーナーで、「ペパロニとマッシュルームとチーズをたくさん」と注文。ここでは好みの具材でピッツァを焼いてもらうことができるのです。

 翌日は再び航海日。しかし、退屈することはありません。昼はプロのダンス教師によるダンス教室「クイックステップ」に参加。ロックステップやシャッセを習いました。そして夜は、ビッグバンドナイトの舞踏会。船上の二つのオーケストラが一堂に会し、一段と迫力のある音を楽しめます。ダンスタイムでは昼の教室の成果を生かすことができました。このように昼と夜の相乗効果で楽しむことも可能です。

 そしてこの旅のフィナーレは、香港カイタック客船ターミナルでの姉妹船クイーン・メリー2との待ち合わせ。クイーン・メリー2は04年、当時の世界最大客船としてデビューし(総トン数約15万1400トン)、こちらもエリザベス女王がゴッドマザーを務めました。まず、クイーン・エリザベスが1時間早く到着。待っていると、彼方(かなた)にクイーン・メリー2の姿が見えてきました。そしてクライマックスは2隻が互いに挨拶(あいさつ)するように向き合う瞬間。香港の港に堂々と並んだ2隻の女王船は、その乗客であることが誇りに思えるような華やかさでした。

香港で姉妹船クイーン・メリー2と対面(撮影=上田英夫)

 次回は、クイーン・エリザベスの最も優雅な世界が体験できるクイーンズ・グリルについてご紹介します。

    ◇

 この航海を担当したキュナード・ライン初の女性船長インガー・クレイン・トーハウガ氏に今年の大阪発着クルーズの感想と、来年、再来年と続く日本発着クルーズの抱負について語っていただきました。

インガー船長にインタビュー(撮影=上田英夫)

 「今年はクイーン・エリザベス初の大阪発着クルーズを行いましたが、日本のお客様の礼儀正しい振る舞いが素晴らしく、また、各港での趣向を凝らしたセレモニーに感激しました。今年の皆様の感想を反映し、来年はさらに日本のお客様に乗りやすいクルーズを提供できると思いますので、ぜひご乗船ください」

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このクルーズの問い合わせ先
キュナード・ライン・ジャパン・オフィス
https://www.cunard.jp/

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PROFILE

上田寿美子(うえだ・すみこ)

sumiko ueda

クルーズライター、クルーズジャーナリスト。日本旅行作家協会会員、日本外国特派員協会会員。クルーズ旅行の楽しさを伝え続けて30年。外国客船の命名式に日本を代表するジャーナリストとして招かれるなど、世界的に活動するクルーズライター。旅行会社等のクルーズ講演も行う。著書に「豪華客船はお気に召すまま」(情報センター出版局)、「世界のロマンチッククルーズ」(弘済出版社)、「ゼロからわかる豪華客船で行くクルーズの旅」(産業編集センター)、「上田寿美子のクルーズ!万才」(クルーズトラベラーカンパニー)など。2013年からクルーズ・オブ・ザ・イヤー選考委員。

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