リノベーション・スタイル

<143>立地重視&音楽重視。部屋中央に夫婦別々の「スタジオ」

  • 石井健
  • 2017年2月8日

 [anneau]
 土居さん夫婦(30代)
 港区 築46年/51.5m²/総工費 非公開

    ◇

 土居さんご夫婦は音楽が大好きで、趣味はレコーディング。結婚指輪の代わりにご主人が奥様に贈ったのが、防音室という強者ご夫婦です(笑)。ご自宅ではいつも2人で音楽を作ったり、セッションしたりしているとのことでした。

 もともとお二人は都内で暮らしていましたが、そろそろ自分たちらしい部屋が欲しいとのことで、中古物件を探してリノベーションすることに。物件はとにかく立地重視。モノを整理することを前提に、欲張らずにコンパクトな物件を探していくと、思いのほか港区に予算内の物件を発見し、築46年のレトロなマンションの1階を購入することになりました。

 リノベーションのリクエストは、とにかく防音室を置けること。しかもご主人も新しく自分専用のものを持ちたいとのことで、サイレントデザイン社の防音室を二つ設置できることが条件でした。

 そこで提案したのは、部屋の真ん中に防音室を二つ置くこと。気持ちのいい窓側をキッチン&ダイニングに、玄関側をベッドスペースにすれば、空間をうまく仕切ることができます。

 ベッドスペースはベッドがおけるスペースだけを取り、天井を少し低くして心地よいこもり感を作りました。ダイニングには、もともとお持ちだったアンティークのダイニングテーブルを置いています。ダイニングの窓の外には庭のような広いテラスがあるので、防音室が二つあってもそれほど狭く感じません。コーヒーが好きなお二人は、よくこのテラスで朝のコーヒーを飲むそうです。

 玄関から入ると、オープンの洗面台があり、廊下の両側に白いカーテンが引いてあります。片側がすべて収納で、反対側は奥様のワークスペースが隠れています。そのまままっすぐ進むと、壁付けのキッチンへ。玄関からキッチンへ続く床はタイル、防音室やベッドスペース、ダイニングがある床はフローリングにしました。

 家の中にスタジオがあるというよりは、どちらかというと都会のど真ん中にスタジオを作り、その中で寝たり食べたり、庭でリラックスできる空間がある、という感じです。音楽イベントのある六本木も徒歩圏内。余計なものをすべて捨て、コンパクトな空間に絞ったことで、利便性の高い都心で理想の暮らしを手に入れたよい事例ですね。

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PROFILE

石井健(いしい・たけし)

写真

1969年、福岡県生まれ。「ブルースタジオ」執行役員。日本のリノベーション・シーンの創世期から600件以上を手がけてきた。「カンブリア宮殿」(テレビ東京系)でも「古い物件の家賃を倍にする不動産集団!」として紹介される。「郷さくら美術館」(東京・中目黒)で2012年度グッドデザイン賞受賞。また「賃貸アパート改修さくらアパートメント」(東京・経堂)で2014年度グッドデザイン賞受賞。 著書に『リノベーション物件に住もう』(共同編集/ブルースタジオ)、『MUJI 家について話そう』(部分監修)、『リノベーションでかなえる、自分らしい暮らしとインテリア LIFE in TOKYO』(監修)。
ブルースタジオへのリノベーションのご相談は、隔月開催のセミナーや、個別相談で承っています。

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