リノベーション・スタイル

<145>築45年のマンション1階、大きな庭へと続く広いリビング

  • 石井健
  • 2017年3月8日

 [S邸]
 Sさん一家(夫30代・妻30代)
 神奈川県横浜市 築45年/61.41m²/総工費 870万円(税込み)

    ◇

 Sさんご夫婦はお二人とも横浜市出身。それまで住んでいたご実家近くで、1階か、2階以上ならエレベーター付きのマンションを探していました。

 そんなときに見つけたのが横浜の郊外にあるこの築45年のマンションです。一度もリフォームされていない部屋だったのでかなり傷んでいましたが、なんといっても大きな庭があります。マンションの1階はいやがる人もいますが、庭があると一軒家のような暮らしができます。お二人は庭を一目で気に入り、物件購入に踏み切りました。

 リノベーションに際しての要望は、ワークスペース、和室、夫婦の寝室とゲスト用の寝室があることでした。とはいえ、限られたスペースにすべてを詰め込むのは無理があります。そこで、和室がゲスト用の寝室を兼ねることにしました。将来的には子ども部屋にすることもできます。

 全体の構成で大事にしたのは、庭と室内の関係です。ゆるやかに外と内がつながるよう、インナーテラスを作る提案をしました。さらに窓側に置いた和室は小上がりにし、縁側のように使えるよう設計しています。畳は、LDのフローリングの色に合わせて栗色にしたので、コンテンポラリーな雰囲気です。リビングから一続きの空間なので、和室を含めてL字型のリビングのような感じですね。

 キッチンは玄関側です。アーチ型の入り口を付けてクローズドにしたので、多少片付けができていなくても気になりません。内側には白いタイルを貼り、玄関との壁に窓を付けました。窓の枠は黒いサッシにしたいとの要望がありましたが、予算がオーバーしてしまうので木製の枠を黒く塗っています。これで半分くらいコストダウンすることができるんです。隣にあるもう一つのアーチ型の入り口は引き戸がついたウォークインクローゼットです。

 玄関はアウトドア感のあるざっくりとした雰囲気にしたいとのことだったので、OSBという建築の下地で使われる木質ボードをそのまま使い、オープンなシューズ棚を設置。さらに、同じ空間にワークスペースを造りました。造作した机も同じOSBの板です。ちなみにワークスペースはスーツケースや自転車など、大きなものを置くスペースも兼ねています。奥の壁には有孔ボードをつけ、アウトドアグッズやバッグ、帽子も掛けられるようにしました。玄関とつながっている空間なので、ワークスペースは“離れ”といった趣です。

 玄関を抜けて目に入るのは、広いリビングと庭。奥の和室に行けば“縁側”とこたつがあり、マンションなのにどこか一軒家のよう。時々、近所に住むお父様が来て、庭造りを手伝ってくれるそうです。都心の暮らしとはまた違う、郊外のゆったりとした空気感が反映された部屋になりました。

リノベーションの写真 つづきはこちら

[PR]

この記事を気に入ったら
「いいね!」しよう

PROFILE

石井健(いしい・たけし)

写真

1969年、福岡県生まれ。「ブルースタジオ」執行役員。日本のリノベーション・シーンの創世期から600件以上を手がけてきた。「カンブリア宮殿」(テレビ東京系)でも「古い物件の家賃を倍にする不動産集団!」として紹介される。「郷さくら美術館」(東京・中目黒)で2012年度グッドデザイン賞受賞。また「賃貸アパート改修さくらアパートメント」(東京・経堂)で2014年度グッドデザイン賞受賞。 著書に『リノベーション物件に住もう』(共同編集/ブルースタジオ)、『MUJI 家について話そう』(部分監修)、『リノベーションでかなえる、自分らしい暮らしとインテリア LIFE in TOKYO』(監修)。
ブルースタジオへのリノベーションのご相談は、隔月開催のセミナーや、個別相談で承っています。

今、あなたにオススメ(PR)

Pickup!