花のない花屋

言葉のかわりに花束を、多感な時期の娘を育ててくれた姉に

  • 花 東信、写真 椎木俊介
  • 2017年3月16日

  

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〈依頼人プロフィール〉

 西 聡子さん 46歳 女性
 山口県在住
 大学職員

    ◇

 私は、娘が4歳のときに離婚しました。その後一人で育ててきましたが、周りの人に助けられたおかげで、娘は健康で素直で、ひたむきな子に育ってくれました。

 とはいえ、誰にでも反抗期はあるものです。娘が中学3年生くらいのとき、彼女の交友関係を批判したことがきっかけで大げんか。そのとき、手をさしのべてくれたのが三つ上の私の姉でした。

 私が出産のときも立ち会ってくれた姉は、離婚で家庭内がもめていたときにも、娘をしばらく預かってくれていたことがあります。このときも、姉が「しばらくうちに居候したら?」と声をかけてくれ、ほんの少しのつもりが、一年半もお世話になってしまいました。その間、姉は自分の子どものように心から娘をかわいがってくれ、毎日愛情いっぱいの手作りお弁当を持たせてくれました。

 冷却期間もあってか、娘はすっかり大人になり、高校二年が終わった頃に家に戻ってきました。姉は、彼女にとって叔母さんとはいえ、母ではありません。多少遠慮もあったのか、久しぶりに戻ってきたときは気遣いのできる優しい子になっていました。しかも、パン講師の姉に伝授されてお菓子作りまで上手になっていました。

 そんな娘が3月1日、高校を卒業しました。この日を元気に迎えられたのは、第二の母である姉のおかげです。でも、毎日のように顔を合わせているので、これまで照れくさくてちゃんとお礼の言葉も言っていなかった気がします。

 娘の卒業を節目に、今までの感謝とこれからもよろしくの気持ちを込めて、姉にお花を贈りたいです。姉はフラワーアレンジメントが趣味で、家には常に生花が飾られています。50歳ですが、小柄で童顔、ファッションも若々しく、たまに私の方が姉に見られます。華やかなだけでなく、芯の強さもある姉に似合う花束をお願いします。

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PROFILE

東信(あずま・まこと)フラワーアーティスト

写真

1976年生まれ。
2002年より花屋を営み続け、現在は東京・南青山にてオートクチュールの花屋「JARDINS des FLEURS」を構える。2005年よりフラワーアーティストとして、ニューヨーク、パリ、ドイツ、ブラジル等、国内外で精力的な活動を展開。独自の視点から花や植物の美を表現し続けている。
作品集に「ピエール・エルメ サティーヌ」「ENCYCLOPEDIA OF FLOWERSII 植物図鑑」(ともに青幻舎)など。http://azumamakoto.com

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