東京の家族写真

今、この瞬間を、明日のために残す[PR]

  • from 東京の台所(文 大平一枝)
  • 2017年4月10日

蛯原英里さん(撮影/松嶋 愛)

  • 蛯原英里さん(撮影/松嶋 愛)

  • 「おもいでばこ」をテレビにつないで、写真や動画を見返す

  • 普段は宮崎の実家に置いてあるアルバムを、なつかしそうに眺める
    【衣装】ボトム:MHL ピアス:Hello haha ほかスタイリスト私物

  • 娘さんと

  • 母、真由美さん

  • 家族の思い出がつまったアルバム

  • 農作業が好きだった祖母

Story2

〈プロフィール〉

蛯原英里さん(37歳・日本チャイルドボディケア協会代表)

夫(41歳・自営)、長女(2歳)との3人暮らし

    ◇

 蛯原英里さんに、先日宮崎のご実家を訪ねた時、おばあさまのとても素敵なお写真を見せていただきましたよ、と言いかけたら、つぶらな瞳がみるみる涙でいっぱいになった。ほどこしたばかりのメイクが崩れてしまうかもしれないのに、止まらない。

 ああ、彼女にとって家族写真とはそういう存在なのだ、と理屈でなくわかった。

毎日、“いま”がいちばん小さい

 新生児特定集中治療室の看護師を経て結婚。ベビーマッサージの講師として活躍する傍ら、2歳女児のママとしても大忙しの英里さんは、ご主人とともに大の写真好きだと聞いた。出産を機に、スマホで我が子の写真や動画をよく撮るようになった。そこまではだれにでもありそうだが、撮影枚数が桁外れだ。  

 1カ月に夫婦でおよそ2千枚。英里さんは言う。

 「だって毎日、“今日”がいちばん小さいんですもん。毎日いろんな瞬間が大切すぎて、忘れそうになるけれど、だからこそいま、いちばん小さいこの瞬間を、記録しておきたいって思うんです」

 そう強く実感したきっかけは、産後4カ月のころのこと。

 「母乳だったのでひと晩に何度も起きて、子どもはぐずるし、12月で寒いし、眠いし。こちらは疲れてふらふらで。自分がいっぱいいっぱいだったんですね。そんなころ、寝かしつけたあとにテレビにつないだフォトアルバムで、新生児の頃の写真を眺めていたら、泣き顔のものがたくさんあって。あの頃に比べたら、4カ月のいまなんて、泣いているのにも入らないなと、思えたんです。動画も見られるのですが、こんなか細い声で泣いていたんだなあ、と。たった4カ月でもこんなに変化し、成長するのかと思ったら、泣くさえかわいく思えて、イライラもいつのまにか消えていました」

 以来、うれしいときはもちろんだが、子育ての場面で思うようにいかないようなときにも、写真や動画を見ることがふえた。

 「たとえば出産した日。私は子どものことしか見えていなかったけれど、今になって写真や動画を見返すと、両家の両親やきょうだいがみんな笑顔で、娘にたくさん声をかけているのがわかりました。そういう周囲の反応をあらためて見て、ああ、この子はこんなにみんなに喜ばれて生まれてきたんだなあと思うと、うれし涙が出ちゃうんです」

 深い感謝の気持ちに包まれ、いつしか日々の疲れや不安が吹き飛んでいた。記録という行為は、心を繕うはたらきもあるらしい。

実家で見つけた、愛情の系譜

 さて、冒頭の英里さんの涙の続きを。

 家族写真好きのルーツをたどろうと、実家を訪ねると、母親の真由美さんが「そんなたいしたアルバムはないのだけれど」と言いながら、リビングに案内してくれた。キャビネットの一番取り出しやすい段に、昔ながらの厚いアルバムが10冊ほど並んでいる。

 「おもしろいもので、英里も彼女の双子の姉も、結婚する相手を初めて連れてきたときに、このアルバムを端から全部彼に見せていました。たくさんあるからどうするのかなと思っていたら、ふたりとも長い時間かけて、全部説明していましたよ」と真由美さん。

 小さな頃から、英里さんたちはことあるごとに、アルバムをながめていたという。この定位置だと、ちょっとした折にすぐひもとける。昔から、アルバムが暮らしの身近なところにあったのだ。

 じつは取材の少し前に、2世帯同居の祖母が亡くなったとのことで、隣の間には花に囲まれた仏壇があった。遺影とは別に、窓辺には、いくつかの写真が飾られていた。そのなかでもひときわ印象的だったのは、農作業が好きだった祖母が畑で、笑っている写真だ。真由美さんは言う。

 「この写真、私も好きなんです。これがいちばん、おばあちゃんらしいなって思うので。意外と、畑で何でもないふだんの姿を撮るってこと、ありませんもんね」

 太陽の下で、日に焼けた野良着姿の女性が、顔をくしゃくしゃにして本当にうれしそうにカメラに満面の笑顔を向けている。誰がシャッターを押したか聞き忘れたが、いまこの一瞬、家族にしか撮れない、いい写真だと思った。

 我が子の誕生を心から喜ぶ周囲の人たちの笑顔に感謝する英里さんと、よそいきでなくいつもの場所で畑仕事を楽しむ祖母の、何気ない一瞬をとらえた写真を愛する真由美さんの思いが、私には重なる。大事なものは、さりげない一瞬に宿る。

 蛯原家の家族写真は、撮るほうも撮られるほうからも、こんな声が聞こえてくる気がした。

──愛してくれてありがとう。そこにいてくれてありがとう。


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家族にいちばんの写真の残し方「おもいでばこ」

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