きんゆう女子。お金の学校

<5>証券って?

  • 鈴木万梨子
  • 2017年4月20日

撮影/山田秀隆

 今回は「証券」についてお話していきます。

 みなさんも「○○証券」という会社の存在は知っていますよね?

 わたしたち、きんゆう女子がお金について学んでいる日本橋・兜町界隈(かいわい)にも、たくさんの証券会社があります。
 証券会社の「証券」とは、いったい何のことなのでしょうか。

 まずはスマホで“けんさく”してみます。

 たくさんの証券会社の宣伝が出てきます。キーワードとしては、「ネット証券」「株」「投資信託」……きんゆう女子でも何度となくテーマにしたことがある言葉が並んできます。日本証券業協会のホームページによると、証券会社は全国に262社! 北海道から沖縄まで、いろいろな名前の証券会社があるのですね。

 辞書でも調べてみました。

しょうけん【証券】

株券や債券など、財産に対しての権利や義務が書かれている文書のこと。

有価証券と証拠証券に分かれる。

……なかなかムズカシイですが、なにかを「証明する」「券」なんですね。

 株券、小切手、商品券、さらにはホテルのクロークで預かるチップやクリーニングの引換券まで、、、たしかにいずれの証券も、何かを持っていることを証明するため券だというのはよくわかりました。

 その中で、前回書いた証券取引所で取引されるのは、「株」や「債券」などです。

 株については3回目の「株式会社編」で触れました。企業のためにお金を出してくれた人に、証明書として出すものです。企業がもうかれば、配当という形で応援してくれたお礼やお返しができます。

 債券とは、簡単にいうと事業をするために借金した証しのこと。お金を貸してくれた人に、いつまでにいくらの利子をつけて返すかが記入されている誓約書です。有名なところでは、国・政府が国民から借金をするときに発行する「国債」というのがありますよね。

 現在、株券や債券はすべて電子化されています。オンラインで取引するほうが便利なのはもちろんのこと、なくしたり、盗まれたり、火事で燃えてしまったりするリスクを避けるためでもあります。
 でも実はたった8年前までは、実際の紙に書かれている株券があったのです。つまり、株を買ったら紙と引き換えになっていました。だから今でも、価値のなくなってしまった株のことを「紙切れ同然」というんですね!
 実際に、株を買ってタンスの中にしまっておいた「タンス株」なんて言葉もありました。

 以前紹介した東京証券取引所の1階の資料館では、本物の紙の株券をだれでも見ることができます。世界史の授業で聞いたことのある「南満州鉄道(満鉄)」の株券や、渋沢栄一が日本で初めて作った日本発の株式会社「第一銀行」の株券、さらにはサンリオが発行したキティちゃんのぬいぐるみ付きの株券(!)まであるそうですよ。

 そんな「証券」を扱う証券会社には、大きく3つのお仕事があります。これを知ると証券のイメージがよりつかめるかもしれません。

 早速一つずつ見ていきましょう。

 まず一つ目は、お客さんの代わりに証券を売ったり買ったりすることです。たとえば「この株が上がりそうだから、何株買ってほしい」というお客さんからの要望を聞いて、証券取引所で実際に株を買うことです。証券取引所では、会員になっている証券会社以外は取引できないので、お客さんの代わりにその業務をします。もちろん売買することで、お客さんから手数料をもらいます。
 これはわたしたちがなんとなくイメージしている証券会社の役割ですよね。

 次に二つ目。証券会社が自らのお金で証券を売買することです。高くなりそうな株を安く買って、高くなったら売る。その差額が証券会社の利益になります。大きな資産を持つ証券会社が自分たちのお金で取引することで、よりたくさんのお金が動き、取引する相手が見つかりやすくなります。これは個人の投資家にとってもいいことですよね。一方で、証券会社とお客さんで利益が対立してどちらかが損する場合もあるかもしれません。

 最後の三つ目は、あまり知られていないかもしれません。私もきんゆう女子。の活動を通じて知った証券会社さんの大事なお仕事です。

 ある企業が株や債券を発行するときに、それを買い取って自分のお客さんに売る仕事です。もちろん売れば手数料が入るのですが、売り切れなければ自分たちが引き取らなければならないこともあります。さらに一つの証券会社では受けきれないような大きな株・債券の発行では、いくつかの証券会社で一緒になって売ることもあります。

 こうして見ていくと、証券という存在を通して、お金が必要な企業や政府などとお金を出す投資家を結びつける「架け橋」の役割を証券会社や取引所がしているということに気づきます。これこそまさに「金融」ですね!

 証券会社の三つ目のお仕事もちょっと分かったところで、次回のキーワードは「上場」です。

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    ◇

 「きんゆう女子 お金の学校」は、お金のことワカラナイ女子のためのコミュニティー「きんゆう女子。」の代表・鈴木万梨子さんが、お金や経済にまつわるキーワードについて、その意味や、私たちに実際どう関係してくるのかを解説する連載です。

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PROFILE

鈴木万梨子(すずき・まりこ)TOE THE LINE Inc. 代表取締役社長

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獨協大学外国語学部フランス語学科卒。新卒でH.I.S.に入社し、法人営業として団体旅行の企画・営業・手配・添乗を担当し、海外を中心に約8千人にツアーを提供。起業を目指し2015年、金融系ベンチャーに転職。金融業界に入ったことでお金の知識のなさに衝撃を受け、「きんゆう女子。」を立ち上げる。2016年3月起業し、Webサイト立ち上げ本格的に「きんゆう女子。」をスタートさせる。旅と服をコーディネート・手配するサービス「FIT the Local」を企画準備中。https://kinyu-joshi.jp/

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