猫と暮らすインテリア

<12>白黒の猫も心地よい、ヴィンテージ家具のインテリア~ウズラ

  • 写真 井上佐由紀 文 大橋史子
  • 2017年5月8日

[桜井邸]
ウズラ 雄 8歳/雑種
桜井彩子さん(人形作家)
東京都渋谷区/マンション 1LDK 80m²

    ◇

 ヴィンテージの家具がバランスよく並ぶ、広々したリビング・ダイニングに白と黒の猫・ウズラが元気よく走り回っています。

 「ウズラという名前は、卵の殻をイメージしてつけました。初めて保護団体に見に行ったとき、ウズラのおなかの白と黒の模様が芸術的に見えて、『この子だ』と思いました。それと、施設の中ではずっと寝ていておとなしかったので、初めての猫だから飼いやすくていいかなと思いました。でも、あとで聞いたら、やんちゃすぎて前の飼い主さんから戻されたこともあるとか……。猫かぶっていたのかな(笑)」と、桜井彩子さん。でも、桜井家にはすぐになじんで、ずっと仲良く暮らしています。特に、ご主人と仲良しで、男同士の関係を深めているそうです。

 桜井さんのお宅は、マンションをリノベーションしました。

 「猫のためにあえてしたことはないのですが、広めのリビング・ダイニングにしたので、ウズラが自由に走り回っていますね。そして、キッチンとリビングの境目の壁は、ニオイがこもらないように上部30㎝ほど空間をあけたら、キャットウォークに。自然に、猫にとっても暮らしやすい家になっていました」。

 インテリアはテイストを決めていませんが、ご夫婦で好きな家具や雑貨を選ぶのがルール。自然にヴィンテージのものが多くなっていると言います。例えば、ダイニングコーナーの椅子は、それぞれ異なるデザインのヴィンテージのもの。古いミシンの脚を使った個性的なテーブルに、バランスよく収まっています。キリムを敷いたら、コーナーとしてまとまりました。

 リビングはソファを置かずに、一人がけの椅子とオットマンが2セット。グレーのハンス・ウェグナー、ネイビーのボーエ・モーエンセンと、あえて色もデザインも違うものをセレクトしました。統一感があるのに、違いも楽しめるコーディネートには、センスの良さを感じます。

 「この椅子は、ウズラが爪をとぎにくいように、爪がひっかからないような生地のものを選びました。ソファではほとんどとがずに、爪とぎでカリカリやっています」

 桜井さんは人形作家として、「BORON」という名前で活動しています。

 「人形を作るきっかけは『MARCOMONDE』の靴下が好きで、はけなくなったものを処分するのがもったいないなと思ったこと。傷んでない部分をいろいろ組み合わせて作るので、出来上がりはオンリーワンの人形になりました」

 「MARCOMONDE」のデザイナーの友人も気に入ってくれて、商品化。「最初は地球外生物と称して、自由に作っていました。だんだん、熊や鳥、猫なども作るようになりました。猫は実物のほうがかわいいと思って、作らなかったのですが、ウズラを参考に作ってみたら、周りの評判が良かったんです」

 そして最近、人気なのはねずみ。最初はウズラ用にと作ったら、「かわいい」という声が上がりました。特に、猫用ではありませんが、猫のおもちゃとして購入する人も多いようです。

 1人で作っているのでたくさんは作れないのですが、気に入ってくださる方もだんだん増えてきました。デザイン画は描かない、仮縫いもしない、ミシンもほとんど使わずに手縫い、という手作りの魅力がたくさん詰まった人形たち。靴下の柄を生かしているので、作り始めたときと同様に、出来上がりはオンリーワンです。「今は新しい靴下で作っていますが、同じ形でも、柄の合わせ方次第で全く違う表情を見せてくれます。私自身も楽しんで作っています」。

 そして、桜井さんとウズラの日課があります。ねずみの人形を桜井さんがなるべく遠くに投げて、ウズラが走って取りに行くこと。「まるで犬のようですが、ウズラはねずみをくわえて加えて戻って来ます。楽しいみたいで、何度もやりたがるんです」

「BORON」 http://boron3.com

猫と暮らすインテリアの写真はこちら

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◆本連載が大幅に加筆されてまとまった『猫と暮らすインテリア』が、朝日新聞出版から発売されました。猫と心地よく暮らすためのQ&Aほか、登場した猫たちのしおりつき。詳しくはこちらから

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PROFILE

井上佐由紀(いのうえ・さゆき)写真家

写真

1974年福岡県柳川市出身。東京都在住。写真家。九州産業大学芸術学部卒業。写真スタジオ、アシスタントを経て独立。現在はライフワークとして生まれたばかりの赤子の目を撮影しています。うどんとコーヒーがすき。
コレクション:フランス国立図書館、サンフランシスコ現代美術館
http://donko.inouesayuki.com/
http://inouesayuki.com/

大橋史子(ペンギン企画室)(おおはし・ふみこ)編集者・ライター

家事、料理、収納、インテリアなど暮らし周りを中心に、雑誌、本、webなどで活動中。人の人生や物語を聞くのが好き。
ペンギン企画室「40’s style」http://40s-style-magazine.com

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