朝日新聞ファッションニュース

探そう、わたしを解き放つ色 50代の2人が提案

  • 2017年5月15日

 美容家の君島十和子さん(50)とシンガーの野宮真貴さん(57)。50代の2人が装いや美しさの秘訣(ひけつ)を書いた本をそれぞれ出し、人気を呼んでいる。ともに「年を重ねるほど華やかな色が似合うようになってくる」と話す。

なじまない女性こそきれい 君島十和子さん

 ワンピースにハイヒール、つややかな巻き髪でコンサバティブな装いの女性の手本となってきた君島さん。「昔はベージュと紺にグレー、白が定番でした。色を着るのはなんだか気恥ずかしくて」

 いつものスタイルに「あら?」と感じたのは40代のある日。「ベージュのワンピースがなんだか肌着みたいに見えて装った感じがしないんです。あ、これはと思いました」

 試行錯誤を重ねた50歳の今は「赤、青、緑」が装いのテーマカラー。若いころは好きではなかったピンク色も着るようになった。「自分の心が明るくなる、わくわくする色を選んでみようと思えてきたんです」。なじまない、溶け込まない、色を放つ女性こそがきれいと説いた著書『十和子道(どう)』(集英社)の発行部数は4万4千部に達した。

君島十和子さん=家老芳美撮影

 美人の定義も40代を境に変わってくると感じている。見目形ではなく、生き生きとした空気をまとっている人。「よく言うキラキラの正体は華、内側からの魅力なんです。化粧や着ているものではなく、その人そのものが美しいというのが望むべきことですよね」

君島十和子さんの著書「十和子道」

 表紙で着たチェック柄のシャツは娘のお下がり。台所で使う白いふきんを毎日せっけんで手洗いし、夜寝る前には必ず本を読むという一面も紹介した。編集者の片桐由子さん(48)は「毎日鏡ばっかり見てエステざんまいの生活をしているわけではなく、普通のお母さんの部分もある。それが見た目の幸福感につながっていると思います」と話す。

 君島さんは「恥ずかしいなんて思わずに、胸を張ってきれいになっていいんですよ。自分の身、肌や髪を大切にしてほしいですね」。

足し算のおしゃれ楽しんで 野宮真貴さん

野宮真貴さん=家老芳美撮影

 2001年に解散した人気バンド、ピチカート・ファイヴのボーカリストだった野宮さん。「50代になると若いころトゥーマッチだったアイテムがしっくりくるようになるんです。きれいな色とか大ぶりなアクセサリーとか、もっと楽しんだほうがいいと思いますね」

野宮真貴さんの著書「赤い口紅があればいい」

 5刷を重ねた著書『赤い口紅があればいい いつでもいちばん美人に見えるテクニック』(幻冬舎)では、「これからは足し算のおしゃれを楽しむ時」と書いた。編集者の竹村優子さん(42)は「野宮さんを知らない60~70代の女性から『私もおしゃれし続けます』というような感想が届きました」と話す。

 40歳を過ぎてピンクの口紅が似合わなくなり赤い口紅を塗るようになったという。「赤と一口に言っても透明感のある赤、マットな赤などいろいろあるでしょう。そういうことを研究して似合う色を探すことが、おしゃれをするということなんです」

 著書では、部屋着はやめて、家で過ごすなんでもない一日のためにすてきなコーディネートを考えてみてはと提案した。「何事も練習なしで本番は迎えられない。これとあの服が合うっていう発見もあって楽しいですよ」

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 服や化粧の前に気をつかうべきは姿勢と表情、清潔感。はやり言葉は使わない、落ち着いた声でゆっくり話すことなど「言葉のおしゃれ」も、美しい雰囲気づくりに欠かせないという。「服装で男性受けを考えたりすることから解放されて、自由に楽しめるいい年代ですよね。今の自分を最大限に生かすおしゃれをしてほしいなと思います」

(長谷川陽子)

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