猫と暮らすインテリア

<14>猫への愛情があふれる、鎌倉の古い一軒家 ~ウーロン

  • 写真 井上佐由紀 文 大橋史子
  • 2017年6月5日

[CHAJIN邸]
ウーロン 雄 14歳/雑種
CHAJINさん(フラワーアーティスト)
神奈川県鎌倉市/一軒家 2LDK

    ◇

 鎌倉駅からほど近い平屋の一軒家に、CHAJINさん、奥様の宜子さん、猫のウーロンが暮らしています。CHAJINさんは、フラワーアーティストとして、雑誌や広告、店舗や展示会で花を生けたり、教室を開いたりしています。お邪魔したのは、もともとは祖父母が住んでいた家。仕事場は別にアトリエを構えているので、ここはプライベートな空間です。「築60年以上の古い日本家屋なので、使い勝手が悪いところもあります。窓からすきま風が入ってくるので、冬は寒いです。家の中で防寒のために、ダウンジャケットを着ていることもあるくらい」と笑うCHAJINさん。でも、そんな不便なところも含めて、祖父母の思い出とともに、この家には愛着を持っているそうです。家具は、もともとあった祖父のものや知人から譲り受けた古いものがメイン。空間と家具が調和した、モダンな和のインテリアです。

 そんなお宅にいるウーロンは14歳。「子猫のときに、仕事場のアトリエに迷い込んできたんです。飼い猫かなと思って、少し様子を見ていました。でも、出て行く気配もなく、また、周囲から『猫を探している』という話も聞かなかったので、自然にうちの猫に。それから14年、ずっといっしょです。いつの間にか年齢を追い越され、人間でいうと70歳くらい。もう、おじいちゃん猫だと思いますが、童顔だからかずっとかわいいままです」。

 CHAJINさんのウーロンへのあふれる愛情は、14年たっても全く変わらないようで、花の仕事を中心に投稿しているインスタグラムでもウーロンがときどき登場。2015年に出版された著書「きょうの花活け 花あしらい101の見本帖。花と鎌倉とウーロンと。」(誠文堂新光社)の中にも登場し、本を盛り上げています。

「仕事のある日は、ウーロンは家でお留守番。帰宅してから、ご飯なのですが、食べる前に抱っこをねだるんです。心が落ち着くのか、その後は安心してご飯を食べます。いつまでたっても甘え猫ですね。抱っこしたときに僕の左肩に前脚がのって、その部分だけ洋服が傷んじゃうんですよ」。そんなエピソードも、困っている様子はなく、楽しそうに話すCHAJINさんです。

 さらに、ウーロンに対しての愛情を発見。ウーロンがお気に入りの場所に、暖かそうな布が敷かれていました。それは、着古してクタクタにやわらかくなった洋服。「寒い季節は、キッチンの日当たりがいい窓辺に古着を置いたり、ウーロン用のカゴの中にも入れておきます。できるだけ心地よくしてあげたいと考えた、小さなアイデア。汚れたらすぐ洗濯できるのもいいですね」。

 そしてこんな工夫も……。キッチンに、カゴと花台を組み合わせたウーロン用のスペースを作りました。お二人がテーブルにいるときも、同じ目線になるように、高さをそろえたのです。ウーロンも気に入り、よくいっしょにくつろいでいるそうです。

 ただ、悩みの種もありました。それは、リビングにある障子をウーロンが爪をといで破いてしまうこと。そこで、障子に花を包むときに使うセロハンを貼ってカバー。リーズナブルで手軽に貼れるし、お客さまが来るなど不要なときは取り外しも簡単です。ウーロンが爪をとぐことは少なくなったそうです。

「トイレの掃除に使うスコップもガーデニング用だったり、仕事柄、花や植物に関するグッズを、(ウーロンのお世話に)使うことが多いですね。他にも、爪とぎをガーデニング用のテラコッタの容器に入れていますが、安定するので爪がとぎやすそうです。猫専用にこだわらずによく使っているものを活用すると、使い勝手が良いことも。インテリアになじみやすいのも、利点です」。

 ウーロンがやってくる前は犬のほうが好きだった、とCHAJINさん。今では、プロフィールに愛猫家と書くほどになりました。「縁あって猫と暮らし始めて、ウーロンからはコミュニケーションのとり方を学びました。自分の中の『優しさの引き出し』が開いたかなと、思います。そして、猫のことで、いろいろな人と話がはずむので、人間関係を円滑にしてくれる存在でもあります。これからも仲良く暮らしていきたいですね」。

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CHAJINさんのワークショップ開催!
プリザーブドフラワーのあじさいでネコ顔型のスワッグをつくります(ウーロンの缶バッジ付き)。
◯7/2(日)moln(鎌倉)
◯7/15(土)トラノコルームsea(鎌倉)
詳細は近日中にCHAJINさんのインスタグラムにて。

猫と暮らすインテリアの写真はこちら

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◆本連載が大幅に加筆されてまとまった『猫と暮らすインテリア』が、朝日新聞出版から発売されました。猫と心地よく暮らすためのQ&Aほか、登場した猫たちのしおりつき。詳しくはこちらから

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PROFILE

井上佐由紀(いのうえ・さゆき)写真家

写真

1974年福岡県柳川市出身。東京都在住。写真家。九州産業大学芸術学部卒業。写真スタジオ、アシスタントを経て独立。現在はライフワークとして生まれたばかりの赤子の目を撮影しています。うどんとコーヒーがすき。
コレクション:フランス国立図書館、サンフランシスコ現代美術館
http://donko.inouesayuki.com/
http://inouesayuki.com/

大橋史子(ペンギン企画室)(おおはし・ふみこ)編集者・ライター

家事、料理、収納、インテリアなど暮らし周りを中心に、雑誌、本、webなどで活動中。人の人生や物語を聞くのが好き。
ペンギン企画室「40’s style」http://40s-style-magazine.com

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