猫と暮らすニューヨーク

インスタグラムをにぎわす、ブルックリンの男子&猫コンビ

  • 文・仁平綾、写真・山田真実
  • 2017年6月19日

ごはんタイム。白いセラミックのお皿に、ウェットフードを入れてもらう。待ち切れずカウンターに飛び乗り、食いつくチート。

[猫&飼い主のプロフィール]
猫:Princess Cheeto(プリンセス・チート)
  メス 6歳 タキシードキャット(ハチワレ)
飼い主:Hugo Martinez(ヒューゴ・マルティネス)さん(フォトグラファー)
ブルックリン・Ditmas(ディットマス)にあるアパートメントに在住

    ◇

 「子どものときから、なぜか猫が好きだったんだ」。

 猫を抱え、屈託なく笑う幼少期の写真を手に話すヒューゴさんは、猫とともにアリゾナ州で育った。

 「猫を飼いたい!」そう母親にせがむと、どこからか猫がやってきた。もらってきたのもいるし、野良猫を迎え入れたパターンもあったらしい。

 そのうちに、ソファがぼろぼろになり、母親が猫に手を焼き始めると、猫はどこかにもらわれていった。「猫が飼いたい!」ヒューゴさんが、またせがむ。しばらくして猫を飼う苦労を忘れた母親が、再び猫をどこからか調達してくる……。

 そんな、いたちごっこの繰り返しで、入れ代わり立ち代わり、3~4匹の猫と暮らしたという。

 プリンセス・チート(愛称チート)と出会ったのは、5年前。

 ヒューゴさんの猫好きっぷりをよく知る友人が、保護施設からもらい受け、誕生日プレゼントにとサプライズで用意してくれた。

 白い鼻筋が通った、凛々しい顔つきのタキシードキャット。

 チートという名前は、オレンジ色をしたチーズ味のスナック菓子Cheetos(チートス)から。「オレンジ色の猫をいつか飼いたいと思っていて、猫の名前はチートと心に決めていたんだ」とヒューゴさん。

 白黒の猫だったけれど、まあいい。名前はチートにした。

 チートは、初めて会う人にも物おじしない性格で、ヒューゴさんいわく「とってもフレンドリー。でも生意気なところもあるんだよ」。

 そんな気質を表すように、時折見せる、やや上目遣いの力強いまなざしが印象的だ。

 チートは、インスタグラム界ではよく知られた存在。

 ウィッグをかぶるチート、映画『E.T.』のワンシーンさながら、自転車のかごに乗るチート、ひげをつけたチート、頭の上にコーヒーカップを乗せたチート……。

 ヒューゴさんが撮影&合成し、グリーンやピンクのポップな色合いに仕立て投稿したユーモラスな写真の数々は、時にシニカルなチートの表情が愛らしく、瞬く間に話題に。

 今ではフォロワー約10万人、企業とのコラボレーションなども行っている。

 「撮影はいつも部屋でするんだ。チートは写真に撮られるのが好きで、セットの準備をしていると、すぐに寄ってきちゃう。準備がまだできてないのに、さっさと座ってポーズを決めるんだよ」(ヒューゴさん)。

 アパートメントの部屋には、色とりどりの背景紙から、アヒルの浮輪なんかの小道具まで、撮影用のあれこれが置かれている。

 ここで真剣に撮影に取り組んでいる男子1人と猫1匹、その様子を想像すると、思わずにやけてしまう。

 ティーンの頃から、日本のポップカルチャーに憧れてきたというヒューゴさん。

 昨年夏、念願の東京観光を果たした。谷中の野良猫、招き猫像であふれる豪徳寺、日本の猫カフェ……。東京の思い出話(主に猫に関する)が止まらない。

 ふとテーブルを見ると、日本から持ち帰り、黒と白のチート風に塗り替えたという、自慢の招き猫が置かれていた。

 なんでそんなに猫が好きなの? という私の質問に、

 「なぜだかわからないんだけど、猫の匂いがたまらなく好きなんだよ。温かくて、なんて表現したらいいのかな。変だよね」と、はにかむヒューゴさん。

 大丈夫、その言葉に激しく同意してしまう猫好きは、きっと世界にごまんといる。なぜなら私も、その一人なのだから。

 >>つづきはこちら

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プリンセス・チートのインスタグラム
https://www.instagram.com/princesscheeto/

ヒューゴさんのインスタグラム
https://www.instagram.com/hugowashere/

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新連載「猫と暮らすニューヨーク」では、ニューヨークで猫と生活するさまざまな人を訪ね、その暮らしぶりから、ユニークなエピソード、インテリアや飼い方のアイデアまでを紹介します。

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PROFILE

仁平綾(にへい・あや)編集者・ライター

仁平綾

ニューヨーク・ブルックリン在住。食べることと、猫をもふもふすることが趣味。愛猫は、タキシードキャットのミチコ。雑誌等への執筆のほか、著書にブルックリンの私的ガイド本『BEST OF BROOKLYN』、『ニューヨークの看板ネコ』『紙もの図鑑AtoZ』(いずれもエクスナレッジ)、共著に『テリーヌブック』(パイインターナショナル)、『ニューヨークレシピブック』(誠文堂新光社)がある。
http://www.ayanihei.com
http://www.bestofbrooklynbook.com
photo by Naoko Maeda

山田真実(やまだ・まみ)写真家

山田真実

鳥取市生まれ、大阪芸術大学写真学科卒業、現在はアメリカ在住のフォトグラファー。渡米前は10年以上に渡り、株式会社文藝春秋の写真部にて、女性誌の撮影から、アーティストのポートレート、スポーツ取材まで幅広く担当。ドキュメンタリーな視点を大切にしながら、現在も雑誌、書籍、Webなどで活躍中。
http://www.mamiyamada.jp/

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