猫と暮らすニューヨーク

クイーンズの一軒家、猫・犬・人、ひとつ屋根の下。

  • 文・仁平綾、写真・山田真実
  • 2017年7月18日

マッサージ中のグレイブスカルの、なんともいえない真剣な顔つき。そして耳は一体どこへいってしまったの?

[猫&飼い主のプロフィール]
猫・Graveskull(グレイブスカル) メス 4歳 ペルシャ猫
飼い主・Karin Ahlin(カリン・アーリン)さん(ヨガインストラクター/ダンサー)
クイーンズにあるタウンハウス(一軒家)で、夫と、ボストンテリアのSenor Tacos(セニョール・タコス)、最近保護した雑種の猫Kit Kat(キットカット・メス・2歳)と暮らす。

    ◇

 自宅でヨガを練習しているカリンさんの背中に、軽やかに飛び乗る白いペルシャ猫。ポーズに合わせるように、巧みなバランス感覚で背中や胸に乗り続け、まるで一緒にヨガをしているよう。

 そんな“ヨガ猫”の写真や動画が、たちまち話題を呼び、今や世界中にファンを有する猫界のアイドルとなったのが、グレイブスカルだ。

 飼い主のカリンさんは、スウェーデン生まれ。ダンスの勉強のため訪れたNYで、夫と出会い、遠距離恋愛を続けるなかでボストンテリア犬のセニョール・タコスを、結婚してNYで暮らし始めてからは、ペルシャ猫のグレイブスカルを飼い始めた。

 猫を飼った理由は、「子どもの頃から猫と一緒だったから。子猫のうちから飼えば、きっと犬にも慣れると思ったの」とカリンさん。

 ピンと立ちあがった耳がチャームポイントの好奇心旺盛な兄、セニョール・タコスと、愛らしくも憎らしい、ぺっちゃんこ顔の妹、グレイブスカル。カリンさんの思惑どおり、2匹は仲の良い兄妹になった。

 ある日のこと。

 カリンさんが自宅でブルーベリーマフィンを焼き、タッパーに入れ、キッチンカウンターの上に置いて外出したところ、一体全体どうしたものか、グレイブスカルがタッパーを開け、カリンさんの留守中になんと1個をペロリ完食。

 高いところに登れない、かわいそうなセニョール・タコスのために、1個は床に落としてあった(!)という。

「私が帰宅したときは、まさにタコスがその1個にかぶりついていたところだったの(笑)」(カリンさん)

 ちなみに、残りのマフィンにはすべて、グレイブスカルの歯形がくっきり残っていたという…。

 仲睦まじく暮らす犬と猫。そんな2匹の姿を、カリンさんは何気なく写真におさめ、インスタグラムに毎日投稿した。

 すると、グレイブスカルがみるみるうちにファンを獲得。カリンさんとヨガをする写真や動画が、その人気にさらに拍車をかけた、というわけだ。

 ちなみに、最近のグレイブスカルは、「ヨガだけじゃなくて、マッサージもするの」とカリンさん。ベッドに横たわる飼い主の背中に、グレイブスカルが喜び勇んでジャンプ。カリンさんの二の腕から肩、背中までをふみふみ、もみもみ、一心不乱に揉みほぐす。このときのグレイブスカルの、真剣な表情といったら!

 そんなグレイブスカルのもとには、ファンが描いてくれたという肖像画から、おもちゃにおやつ、タージマハルの形をした段ボールの猫屋敷まで、世界のファンや企業からどしどし貢物が届く。

 それらの前でポーズをとり、おやつを試食し、おもちゃで遊んでやったりするのが、最近のグレイブスカルの日課だ。その様子をおさめた写真が、今日もまたインスタグラムでファンを沸かせる。ああ、アイドルって、忙しい。

 カリンさん夫婦は、昨年の冬から自宅のパティオに遊びに来るようになった猫を保護し、室内で飼い始めた(名前はキットカット。シャイな性格で、人が家に来ると隠れてしまうため、残念ながら今回は撮影が叶わず)。

「毎朝目覚めたときに、犬や猫のかわいい顔がそこにある。私は決して一人じゃない。そう思えるところが、動物と暮らす素晴らしいところ」と話すカリンさん。

 キットカットという新しい家族が加わり、朝起きたときの楽しみが、またひとつ増えた。

 動物と暮らすこと。それは、そんな小さな、でもかけがえのない幸せを、日々味わうことなのだ。

 >>つづきはこちら

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 連載「猫と暮らすニューヨーク」では、ニューヨークで猫と生活するさまざまな人を訪ね、その暮らしぶりから、ユニークなエピソード、インテリアや飼い方のアイデアまでを紹介します。

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カリンさんのウェブサイト
http://www.karinahlin.com/

グレイブスカルのインスタグラム
https://www.instagram.com/graveskullthepersian/

セニョール・タコスのインスタグラム
https://www.instagram.com/senor_tacos/

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PROFILE

仁平綾(にへい・あや)編集者・ライター

仁平綾

ニューヨーク・ブルックリン在住。食べることと、猫をもふもふすることが趣味。愛猫は、タキシードキャットのミチコ。雑誌等への執筆のほか、著書にブルックリンの私的ガイド本『BEST OF BROOKLYN』、『ニューヨークの看板ネコ』『紙もの図鑑AtoZ』(いずれもエクスナレッジ)、共著に『テリーヌブック』(パイインターナショナル)、『ニューヨークレシピブック』(誠文堂新光社)がある。
http://www.ayanihei.com
http://www.bestofbrooklynbook.com
photo by Naoko Maeda

山田真実(やまだ・まみ)写真家

山田真実

鳥取市生まれ、大阪芸術大学写真学科卒業、現在はアメリカ在住のフォトグラファー。渡米前は10年以上に渡り、株式会社文藝春秋の写真部にて、女性誌の撮影から、アーティストのポートレート、スポーツ取材まで幅広く担当。ドキュメンタリーな視点を大切にしながら、現在も雑誌、書籍、Webなどで活躍中。
http://www.mamiyamada.jp/

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