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女性の一人旅はこのように楽しむのだ! 『ガンジス河でバタフライ』ほか

  • 文・重野 功
  • 2017年8月7日

撮影/猪俣博史

  • 『ガンジス河でバタフライ』たかのてるこ著 幻冬舎文庫

  • 『サハラ砂漠の王子さま』たかのてるこ著 幻冬舎文庫

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 旅行業界と接客商売なら共通点があると信じ書店に勤めて3年目、店頭に立っていると出版関係の方がよく来られて情報交換の機会が結構あります。 

 数カ月前のこと、女性の方に「本を書いているたかのと申します。棚を拝見して良いですか?」と声をかけられ、ご本人の名前、本の題名を聞いてもピンとこず、「旅行本ですか、お探しします」と一緒に本を探しているうちに「え! ひょっとしてあの旅行作家のたかのてるこさん」と気づいたところで冷や汗がどっとでてくるしまつ。

 棚に在庫がなく、ご本人を前にして言い訳しているうちにまたも冷や汗が体を伝い、後は何をお話ししたのか覚えていない初対面でした。 

 本の中と同じ神出鬼没の行動力に驚き、描かれているままのたかのさんの爽やかな応対に感化され、たかのさんの著書を読み直した今、「たかのワールド」にドップリつかっています。

知らない国の知らない人との出会いを楽しんで

 『ガンジス河でバタフライ』『サハラ砂漠の王子さま』『モンキームーンの輝く夜に』『ダライ・ラマに恋して』『モロッコで断食(ラマダーン)』『ジプシーにようこそ!』、いずれもここまで書いてしまうのかというノリの良さ、小心者といいながらなんでも試してしまう行動力、語学は自信ないとつぶやきながらボディーランゲージと片言の語学(英語、現地語、日本語……) でコミュニケーションをとり誰でも友達にしてしまうあかるさ、行く先々の人物描写では出会いの大好きなたかのさんらしく、読んでいるだけで想像できる怪しくも優しい人たち。

 このシリーズを読んでいると、女性の一人旅はこのように楽しむのだ!と宣言されているようで「旅に出ないと落ち着かなくなる」同好の士(失礼、同好のファン)としては心掻き立てられるのです。

 自身が見聞してきた現地事情や人情の裏表、気ままな海外での旅歩きと勝手知ったるアジアの国々での経験に照らしても到底体験し得ない「たかのワールド」に、ここまでやるかと心配したり、行動はとてもマネできないけど、なるほどこんなこともあるよな~!と読みながら同意したり、結構無鉄砲と言われた私から見ても行動力の速さと展開に追いつけず、羨望(せんぼう)の思いでページをめくる繰り返し。

 でも本来の旅とは行き先定めず、臨機応変な対応で切り抜ける直感力と行動力、済んだことを後悔しないで旅を楽しむ前向きさが必要なのです。

 「一人旅なんぞとても、とても」といわれる皆様、この本を読んでちょっとした冒険、知らない国の知らない人との出会いを楽しんで下さい。読書後は爽やかで明るい気分になれます。

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PROFILE

重野 功(しげの・いさお)

写真

2014年12月オープン時より、湘南蔦屋書店に旅行コンシェルジュとしてに勤務。旅の企画・販売、海外駐在、添乗員、海外ホテルの窓口、在日政府観光局、JICAシニアボランティアなど観光を支える「作る側」を経ると共に、アジア・南太平洋を中心に40カ国以上「旅する側」を実践する旅大好き人間。

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