猫と暮らすニューヨーク

野性ネコがルーツのベンガル兄妹、シティライフを謳歌中

  • 文・仁平綾、写真・山田真実
  • 2017年9月11日

とにかく走る、追いかける、登る、ジャンプする。8歳と6歳という年齢にもかかわらず、身体能力の高さをうかがわせる二匹。

[猫&飼い主のプロフィール]
猫・Alfie(アルフィー)オス 8歳 ベンガル猫、Lola(ローラ)メス 6歳 ベンガル猫
飼い主・Mischelle Arcus(ミシェル・アーカス)さん(インテリアショップオーナー)。マンハッタンのトライベッカ在住。2001年より、同じくトライベッカにてインテリアショップ『Stella』を経営。

    ◇

 ヒョウと見まがうまだら模様の、野性的なルックス。それもそのはず、ベンガル猫は、野生のヤマネコを祖先にもつ猫種。

 「以前シャム猫を飼っていたのだけれど、とてもおとなしい猫だったの。もっと活発で、よく遊び、コミュニケーションもとれる、そんな猫がいいと思って、ベンガルを飼うことにしたの」。そう話すのは、2匹のベンガル猫と暮らす、ミシェルさん。

 子猫のときにブリーダーから手に入れた、オスのアルフィーは、ブラウンの体毛に、黒のヒョウ柄がくっきり。太いラインで縁取られた瞳も印象的だ。

 「息子が大学に通うようになって、私も日中は仕事で家にいないし、アルフィーが1匹でかわいそうだと思って」とミシェルさん、2年後にもう1匹、ベンガル猫を手に入れた。

 アルフィーの母猫違いの妹で、名前はローラ。アルフィーとは対照的な薄いベージュ色のヒョウ柄。同じくアイラインが際立つ、美しいメス猫だ。

 部屋中を駆け回り、ヴィンテージのハシゴに飛び乗り遊ぶ、6歳と8歳には見えない快活ぶりの2匹。

 ミシェルさんいわく「ベンガル猫だけあって、野性の面を持っているわ。何か動く物があると、追いかけずにはいられないの。私がシャワーを浴びていると、カーテンの向こう側から、私の影を必死に追うのよ。好奇心も強くて、家具を動かそうとすればその上に乗り、バスタブを掃除すれば、縁に立ってその様子をじっと見ているといった具合ね」。

 ワイルドな面をのぞかせる一方で、「知性も兼ね備えている」とミシェルさん。

 「月曜から土曜は、私が仕事だってわかっているから、毎朝私が目を覚ますまで、2匹ともベッドの上で私をつついて起こそうとするの。でも日曜日は、私が寝ている限り、起こさず一緒に寝ているわ。日曜日がちゃんと休みだってことをわかっているのね!」

 そんな2匹だけれど、特にオスのアルフィーには手を焼いたという。一般的にベンガル猫のオスは、メスよりも飼いづらいと言われているそうで、ミシェルさんも苦労したらしい。

 「アルフィーは、甘えん坊なところがあって、家族以外の人が家に来たり、私がスーツケースを持って出かけようとしたりすると、ベッドや、いろんな場所でおしっこをしてしまうの」(ミシェルさん)。

 それは困った。ミシェルさん、まずはスーツケースを見えないところへ隠し、ブリーダーに助言を求めた。安心感を十分に与えつつ、トイレ訓練を再徹底するため、トイレ・水・エサを完備した自宅の一室に、アルフィーと2週間閉じこもり暮らしたという。

 ところで、飼い主のミシェルさんは、ニュージーランド出身。20代のとき、旅行でNYを訪れたことをきっかけに移住。結婚、出産、離婚を経験し、子育ての傍らショップオーナーとしても奔走。

 息子さんが独立し、ベンガル猫たちと一人暮らしを謳歌(おうか)していたところ、今度はアパートメントの上階が火事になるという災難に見舞われた。

 家の約半分の壁や床、家具が台無しになり、「約2カ月間、猫たちとホテル住まいを余儀なくされたの」とミシェルさん。取材時も、いまだバスルームや寝室は復旧工事中。いやはや、人生、山あり谷あり。

 「でもね。たとえ何があっても、猫たちは無条件に私を愛してくれる。猫がそばにいるだけで、家のなかが居心地よく、そして温かに感じられるわ」。

 朗らかにそう話すミシェルさんは、今日も猫たちとともに、明るく笑って暮らしている。

>>つづきはこちら

    ◇

連載「猫と暮らすニューヨーク」では、ニューヨークで猫と生活するさまざまな人を訪ね、その暮らしぶりから、ユニークなエピソード、インテリアや飼い方のアイデアまでを紹介します。

    ◇

ミシェルさんのショップ『Stella』のウェブサイト
http://www.stellastore.com/

ミシェルさんのインスタグラム
https://www.instagram.com/stella_tribeca/

[PR]

この記事を気に入ったら
「いいね!」しよう

PROFILE

仁平綾(にへい・あや)編集者・ライター

仁平綾

ニューヨーク・ブルックリン在住。食べることと、猫をもふもふすることが趣味。愛猫は、タキシードキャットのミチコ。雑誌等への執筆のほか、著書にブルックリンの私的ガイド本『BEST OF BROOKLYN』、『ニューヨークの看板ネコ』『紙もの図鑑AtoZ』(いずれもエクスナレッジ)、共著に『テリーヌブック』(パイインターナショナル)、『ニューヨークレシピブック』(誠文堂新光社)がある。
http://www.ayanihei.com
http://www.bestofbrooklynbook.com
photo by Naoko Maeda

山田真実(やまだ・まみ)写真家

山田真実

鳥取市生まれ、大阪芸術大学写真学科卒業、現在はアメリカ在住のフォトグラファー。渡米前は10年以上に渡り、株式会社文藝春秋の写真部にて、女性誌の撮影から、アーティストのポートレート、スポーツ取材まで幅広く担当。ドキュメンタリーな視点を大切にしながら、現在も雑誌、書籍、Webなどで活躍中。
http://www.mamiyamada.jp/

今、あなたにオススメ(PR)

Pickup!

Columns