猫と暮らすニューヨーク

ブルックリンの共働き夫婦、相棒はふわふわの美猫ラグドール

  • 文・仁平綾、写真・山田真実
  • 2017年9月25日

「洗面所の蛇口からしか水を飲まないの。甘やかされてるのよ」とセリンさん。だから、おでこの毛がちょっぴり濡れていたのだな。

[猫&飼い主のプロフィール]
猫・Lexie(レキシ―)メス 8歳 ラグドール
飼い主・Selin Dearborn(セリン・ディアボーン)さんと、Sam Dearborn(サム・ディアボーン)さん夫婦。ブルックリン・ウィリアムズバーグの自宅兼オフィスにて暮らす。共に職業は不動産エージェント。

    ◇

 「もしかして、猫飼ってます?」

 セリンさん&サムさん夫婦の飼い猫を取材することになったのは、そんな私の質問がきっかけだった。

 今春、我が家の引っ越しため、不動産エージェントの二人とブルックリンでアパートメント巡りをしていたときのこと。ふとサムさんの携帯電話を覗くと、待ち受け画面に猫の写真。マチガイナク、ネコヲカッテイル! そんな確信をもって質問を投げかけた私に、「ああ、レキシーっていう名前なんだ。ラグドール(長毛の猫種)だよ」と、ビンゴな答え。

 ならばぜひ、と二人のアパートメントを訪ねることに。

 セリンさん、サムさんが暮らすのは、ブルックリンで、ここ最近次々建てられているコンドミニアムと呼ばれる、新築のアパートメント。

 2フロアでベランダ付きという、ラグジュアリーな部屋で共に生活するのは、豪華な毛並みのメス猫、レキシ―。ラグドールならではの、碧く美しい目と、ふわっふわのロングヘア。「とにかく美しい猫なの」(セリンさん)と、飼い主自ら絶賛したくなるのも当然、という容姿端麗猫。

 「まだ3カ月の子猫のときに、我が家にきたの。ネットで見つけたわ。アップステート(NYシティの郊外)のブリーダーさんから届けてもらったの」とセリンさん。

 レキシ―という名前は、「何かの本かテレビで、猫は“e″で終わる音が好きで、呼びかけによく反応するとあったから」とセリンさんが名付けたもの。

 その甲斐あってか、レキシ―がソファをがりがり引っ掻いたとき、「レキシ―やめて、と言ったら、素直にやめてくれたわ」(セリンさん)。「レキシ―は、僕たちの言うことをちゃんと聞くんだよ」とサムさんも誇らしげ。

 穏やかな性格で、噛んだり引っ掻いたりはゼロ。二人が歩けば後をついて歩き、座れば横に寄り沿って、ゴロゴロとのどを鳴らす。

 好きな場所は、パソコンの前。「私がノートパソコンを立ち上げると、すぐに寄って来て、パソコンの前に座るの」とセリンさん。

 セリンさんがちょっと席をはずした隙に、キーボードの上にどっかり居座り、まるでメールをしている風情でセリンさんを笑わせたことも。

 かくして猫という生き物は、なぜにパソコンを好むのか…。永遠の謎である。

 ところで、セリンさんとサムさんは共に、犬も猫も、どちらも好き派。「いつの日か、犬も飼えたら」というのが、本音だという。

 「でも犬を飼えば、散歩が必要になるし、仕事が増えるでしょう。彼(サムさん)がそれは嫌だからって、今のところは猫だけなの。猫は飼いやすいから…」(セリンさん)。

 実はこのセリフ、NYの猫取材で何度も耳にしたもの。

 「仕事で留守にすることが多いから、犬はかわいそう」という人もいれば、「庭付きの家に住んでいたなら犬を飼うのだけれど…」「NYの狭いアパートメントで飼うなら断然、猫」という住宅事情を鑑みての人も少なからずいた。

 建物も人もひしめくニューヨークという大都会。

 日々仕事に忙殺され暮らす市井のニューヨーカーにとって、猫は良き相棒たり得る存在なのだろう。昨今のNYにおける猫人気・猫ブームの所以も、そんなところにあるのかもしれない。

 >>つづきはこちら

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連載「猫と暮らすニューヨーク」では、ニューヨークで猫と生活するさまざまな人を訪ね、その暮らしぶりから、ユニークなエピソード、インテリアや飼い方のアイデアまでを紹介します。

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PROFILE

仁平綾(にへい・あや)編集者・ライター

仁平綾

ニューヨーク・ブルックリン在住。食べることと、猫をもふもふすることが趣味。愛猫は、タキシードキャットのミチコ。雑誌等への執筆のほか、著書にブルックリンの私的ガイド本『BEST OF BROOKLYN』、『ニューヨークの看板ネコ』『紙もの図鑑AtoZ』(いずれもエクスナレッジ)、共著に『テリーヌブック』(パイインターナショナル)、『ニューヨークレシピブック』(誠文堂新光社)がある。
http://www.ayanihei.com
http://www.bestofbrooklynbook.com
photo by Naoko Maeda

山田真実(やまだ・まみ)写真家

山田真実

鳥取市生まれ、大阪芸術大学写真学科卒業、現在はアメリカ在住のフォトグラファー。渡米前は10年以上に渡り、株式会社文藝春秋の写真部にて、女性誌の撮影から、アーティストのポートレート、スポーツ取材まで幅広く担当。ドキュメンタリーな視点を大切にしながら、現在も雑誌、書籍、Webなどで活躍中。
http://www.mamiyamada.jp/

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