東京ではたらく

<11>上野莉奈さん(27歳)/メーカー営業

  • 文 小林百合子 写真 野川かさね
  • 2017年9月28日

  

職業:メーカー営業
勤務地:港区の飲料メーカー
勤続:6年
勤務時間:9時~5時半(フレックス)
休日:土日
この仕事の面白いところ:飲食業界について深く知れること
この仕事の大変なところ:営業スキル以外に幅広い知識が求められること

    ◇

 サントリーという飲料メーカーで営業職を担当しています。大学卒業後、新卒採用で入社して今年で6年目。入社以来営業一筋で、現在は居酒屋など、飲食店さん向けの営業をする部署に所属しています。だいたい10企業、合わせて100店舗ほどのお店を担当しています。

 飲食店向けの営業と聞くと、いかに自社のビールやお酒をお店で扱ってもらえるか、毎晩お店に通って商談したり、接待したりするというイメージがあるかもしれませんが(実際私自身もそう思っていました)、実際の仕事は多岐にわたります。

兵庫県出身の上野さん。大阪の大学を卒業後、サントリーの京都営業所に4年半勤務し、26歳で東京へ異動。「上京して1年なので、まだまだ土地勘がないのですが(笑)。営業はとにかく毎日歩くのですが、東京の街は歩いているだけでも刺激的で楽しいです」

 でも、それと同じくらい大切なのは、現在自社の商品を扱ってくださっている店舗さんの将来に向けたご盛業をどれだけお手伝いができるかということ。

 お店の売り上げが伸びれば自社商品の売り上げも上がりますから、お店全体を盛り上げていくというのも営業の重要な仕事なのです。

 今、力を入れているのは、生ビールをよりおいしく提供していただくこと。サーバーのメンテナンスやビールグラスの洗浄方法、ときにはオーナーさんたちをビールの醸造工場にご案内して、製造工程からご説明することもあります。

 ご相談があればドリンクレシピの開発や、メニュー表の書き方などについてもお店の方と一緒に考え、どうしたらより集客できるかをご提案することも。

担当している飲食店のひとつ「魚金」に出向いて、生ビールをよりおいしい状態で提供できるサーバー管理について説明。「店舗様の要望によっては、サーバー管理の専門家を派遣したりもします。営業はすべてのご相談の総合窓口のような存在です」

 単なるセールスというより、「飲食コンサルタント」のような感じですので、お得意様からどんなご相談が来ても応えられるよう、飲食業界の動向や消費者のニーズなどについて勉強を重ねる日々です。

 営業という仕事を選んだのにはいくつか理由があるのですが、ひとつは具体的な目標があればあるほど頑張れるという自分の性格。これは子どもの頃からだそうで(笑)。でも一番大きいのは、サントリーという会社に出会ったことだと思います。

 大学ではマスコミュニケーションを専攻して、就職活動ではテレビ局や航空会社など、いわゆる“きらびやかな世界”に漠然と憧れを抱いていました。
 でもちょうど就活時期に、テレビコマーシャルを扱う授業でサントリーのCMを見せてもらったんです。

 古いウイスキーのCMだったのですが、ただの宣伝にとどまらない、なんだか時代の少し先を行ってるぞというような感じがして。おもしろい企業だなと興味を持ったのがきっかけでした。

名刺交換の所作の美しさはさすがの営業さん。爪の先まできれい!「あまり派手な色は避けているのですが、ネイルは個人的に好きなので。おしゃれには疎いほうです。でも20代の女の子らしい楽しみはしたいなと思って(笑)」

 そのとき先生が「サントリーという会社は、ただの化学成分だったアルコールに文化というものを吹き込んで“お酒”にした会社なんだ」とおっしゃっていたのですが、その言葉がすごく印象に残っていて。なんてかっこいいんだ……、これはただのメーカーじゃないぞと。

 「やってみなはれ」というのがサントリーの創業精神であり、今も社員に受け継がれているDNAのようなものなのですが、会社説明会でそれを聞いたとき、やっぱりこの会社が好きだと確信してしまって(笑)。

 就職面接のときから営業職を志望していたのですが、心底ほれて入社した会社です。入社後は「1本でも多くサントリーの商品を売りたい!」という気持ちが芽生えて、希望通り、消費者に一番近い営業として勉強することになりました。

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PROFILE

小林百合子(こばやし・ゆりこ)編集者

写真

1980年兵庫県生まれ。早稲田大学第一文学部卒業後、アラスカ大学フェアバンクス校で野生動物学を学ぶ。出版社勤務を経てフリーランスに。山岳・自然をテーマに雑誌や書籍の編集を手がける。2010年に女性向け登山雑誌『Hutte』(山と溪谷社)を立ち上げ、独自の視点で登山や自然の楽しみ方を提案した。著書に『山と山小屋』(野川かさねと共著、平凡社)、『山登りのいろはーたのしい登山のヒント集』『一生ものの、山道具』(ともにホシガラス山岳会著、パイ・インターナショナル)など。

野川かさね(のがわ・かさね) 写真家

写真

1977年生まれ。神奈川県出身。雑誌、書籍で活動するかたわら、ライフワークとして山を撮り続ける写真家。著書に『山と写真』(実業之日本社)、『山と山小屋』(小林百合子と共著、平凡社)、『山登りのいろはーたのしい登山のヒント集』『一生ものの、山道具』(ともにホシガラス山岳会著、パイ・インターナショナル)など。

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