リノベーション・スタイル

<159>家具選びと配置がポイント。物が多くてもリラックスできる空間

  • 文 石井健
  • 2017年10月4日

[F邸]
Fさん一家(夫44歳、妻40歳、長女7歳、次女3歳など)
東京都中野区 築40年/63.52m²

    ◇

 Fさん一家が購入した中野区の中古マンションは閑静な住宅街。子育ての環境や通勤、さらに資産性を考えて、最初からエリアを限定で物件を探していました。そうして見つけたのが築40年、63.52㎡のこちらのお部屋です。

 今回のリノベーションでは、家族4人が広々と使えるよう部屋は細かく仕切らず、ついたてのような壁でゾーニングをしていくことになりました。

 まず、モルタル仕上げの玄関に入ると、そのまま左手の6畳強の土間へつながっています。このスペースは部屋というより“ガレージ”といった趣で、外のものと中のものが混在しているフリースペース。ご夫婦のワークスペースも兼ねているのでデスクが置いてありますが、バギーや自転車、掃除機、お子さんの洋服やおもちゃなども置いてあります。今は3歳と7歳のお子さんたちのプレールームにもなっているよう。家族の成長に合わせて自由に用途が変えられる空間です。

 そこから廊下に出ると、向かい側がサニタリールーム、左手がウォークインクローゼットとキッチン、リビングダイニング、一番奥に寝室があります。ちなみに廊下の幅は1メートル以上あり、広めにとってあるので絵を立てかけたり、観葉植物を置いたりできます。廊下というよりちょっとした多目的スペースです。

 リビングダイニングと寝室の間は一枚の壁で隔てられています。廊下側とリビング側に引き戸がありますが、戸を開けるとぐるりと回遊できます。寝室側の壁は緑色の黒板、引き戸は黒という落ち着いたツートンです。

 キッチンはⅡ型で(シンクとコンロが別々のキッチン台に取り付けられ、キッチン台が2列平行に並んでいるタイプ)、コンパクトながら中に入ると籠(こも)り感があって落ち着く空間です。最近では少なくなっていますが、キッチン台には石タイルを使っています。大人っぽくてかっこいいですよね。キッチンカウンターにダイニングテーブルをつけ、テラス側にはソファやテレビを配置しています。

 ちなみに、リビングの壁の棚は可動式。それぞれの高さを自由に変えられるので便利です。現在のスタイリングは奥様がやっているそうですが、絵やグリーンの飾り方が上手です。

 物は多いのですが全体としてまとまりがあるので、どこかリラックスできる空間です。家具の選び方や置き方なども上手で、センスがいいですね。こちらは2010年の事例ですが、ちょうど今のリノベーションのお手本のような住まいと言えそうです。

リノベーションの写真のつづきはこちら

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PROFILE

石井健(いしい・たけし)「ブルースタジオ」執行役員

写真

1969年、福岡県生まれ。「ブルースタジオ」執行役員。日本のリノベーション・シーンの創世期から600件以上を手がけてきた。「カンブリア宮殿」(テレビ東京系)でも「古い物件の家賃を倍にする不動産集団!」として紹介される。「郷さくら美術館」(東京・中目黒)で2012年度グッドデザイン賞受賞。また「賃貸アパート改修さくらアパートメント」(東京・経堂)で2014年度グッドデザイン賞受賞。 著書に『リノベーション物件に住もう』(共同編集/ブルースタジオ)、『MUJI 家について話そう』(部分監修)、『リノベーションでかなえる、自分らしい暮らしとインテリア LIFE in TOKYO』(監修)。
ブルースタジオへのリノベーションのご相談は、隔月開催のセミナーや、個別相談で承っています。

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