朝日新聞ファッションニュース

#インスタに誘われて なに買おう・これ着たい、投稿見て情報収集

  • 2017年12月5日

 写真や動画を投稿するSNS「インスタグラム(インスタ)」がファッションの世界でも影響力を増している。人気の投稿者は影響力の大きさから「インフルエンサー」と呼ばれ、流行の発信源になっている。ブランド側も宣伝に活用しようと、知恵を絞る。

タダシ・ショージのショー会場でスマートフォンを手にするインフルエンサーら。左端がアレクサンドラ・ペレイラさん=9月、ニューヨーク

 今年9月に開かれたニューヨーク・コレクション。タダシ・ショージのファッションショーでは、招待されたインフルエンサーが客席の一角に並び、ランウェイを歩くモデルにiPhoneを向けて写真を撮っていた。最前列に座るスペイン人、アレクサンドラ・ペレイラさんは約152万人のフォロワー(閲覧者)を抱える。「ブログより表現しやすいし、インスタは生活の一部ね」

ショーの後、インスタには「#TadashiShojiSS18」の写真や動画の投稿があった

 2010年にサービスの提供が始まったインスタは、スマートフォンで写真を撮るだけの手軽さが受け、世界で約8億人、日本で約2千万人が使っている。ハッシュタグと呼ばれる記号「#」が付いたキーワードで検索すると、関連画像をまとめて見ることができる。

 視覚に訴え、リアルタイムの情報が得られるインスタはファッションと親和性が高い。

流行を発信 ブランド側も活用

 電通メディアイノベーションラボが昨年、15~34歳の男女1600人を対象に調べたところ、10代の女性がトレンド情報を探す場合には、インスタをはじめとするSNSがグーグルなどの検索サイトの利用を上回っていた。さらに、SNSの投稿を見て似た商品を買うなど、何らかの消費行動を起こした人が約8割にのぼった。天野彬・副主任研究員は「写真や動画は文章より情報量が多い。特に洋服はインスタの画像で検索すると、求める情報にたどり着きやすいのではないか」と話す。

ドルチェ&ガッバーナのファッションショーを撮影する人たち=10月、東京都新宿区の伊勢丹新宿本店、長島一浩撮影

 ブランド側もショーをリアルタイムで配信したり、舞台裏を見せたりと、効果的な使い方を模索している。ドルチェ&ガッバーナは10月、日本で開いたファッションショーでインフルエンサーをモデルに起用し、情報の拡散を狙った。

 インスタグラム社のファッション・パートナーシップ統括責任者、エヴァ・チェン氏は「インスタによって、業界人のものだったファッションの世界がぐっと身近になった。デザイナーも、どんなメッセージをより多くの人に届けるべきか、考えるようになったと思う」と話す。

#60代夫婦コーデ、フォロワー60万人

関さん夫妻がインスタに投稿した写真

 そろいの白髪に、夫婦でさりげなく色や柄を合わせたシンプルな服。仙台市に住む関毅さん(62)と登美さん(61)夫妻が日々の装いなどを投稿しているインスタグラムには、約60万人のフォロワーがいる。

 毅さんが広告会社を定年退職するのを前に、次女(31)に勧められて始めた。

 昨年12月、美術館に行ったときに撮った写真を初めて投稿。3カ月後、キュートな写真に注目した海外のメディアが取り上げるとフォロワーが一気に増え、日本のメディアからも取材が次々と舞い込んだ。10月には初の著書まで出し、街で声をかけられることもしばしば。登美さんは「普通の主婦なので本当にびっくりしています」。

 年金暮らしで服にお金はかけられないといい、ユニクロや無印良品の服、ネットオークションで手に入れた古着がほとんど。登美さんは髪も自分で切っている。

 企業から「商品をインスタでPRしてほしい」という依頼がよく来るが、ほとんど断っている。「楽しいからやっているだけなので、宣伝はしたくないんです」。定年後の趣味の一つとして、マイペースで続けていきたいという。(長谷川陽子)

明るく華やか クラフト感プラス

 より装飾的に、フェミニンに。来年春夏の最も注目されるトレンドアイテムは、花柄などの明るく華やかなドレスやセットアップだ。中でも、花のアップリケや刺繍(ししゅう)などでクラフト感を加えたデザイン。10月の東京コレクションでも新作が光った。

2018春夏トレンド

ユキ・トリイ・インターナショナル =大原広和氏撮影

 ユキ・トリイ・インターナショナルは、黄やピンクなど生き生きとした花の色や柄を服に満載した。花柄のシフォンを2枚重ねて微妙な透け感を出したドレスや、レースや刺繍を重層的に組み合わせたセットアップなど、複雑に手の込んだ作品が印象的だった。

タエ・アシダ=大原広和氏撮影

 タエ・アシダは、クラシックな具象絵画調の花柄に、星柄とざっくりとしたサマーツイードを組み合わせて、来春らしいラフなミックス感覚を強調。シックなニットのスカートに、シマウマの顔の柄を大胆に配するポップな試みも。動物のかわいらしい柄も今季は幾何学的なデザインで、大人っぽく上品に仕上げているものが多い。

 来春に中心となりそうな生地は、綿や麻など自然素材。ナチュラルな感覚に、透けるビニールなど未来的な要素やスポーツのテイストを組み合わせながら、全体はフェミニンにみせるのがポイントのようだ。(編集委員・高橋牧子)

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