朝日新聞ファッションニュース

ナチュラルさに重ねる多面性 ――パリ・コレにみる18年春夏トレンド

  • 2017年12月5日

 2018年春夏のトレンドは、ナチュラル感やスポーツ、未来的な要素を重層的に盛り込んだ、よりフェミニンなスタイル。混迷する時代の中では、明るく自然なデザインにほっとするというわけだろうか。10月初旬まで開催されたパリ・コレクションでもたくさんの提案があった。

フリンジ・麦わら風・ケミカル素材

 来春、最も新鮮なのは、ナチュラルな感覚があって、しかも装飾的なアイテム。なかでもフェミニンなドレスやセットアップだ。コットンや麻など自然素材で、形はゆったりめ。フリルなどで飾っていても、やや粗野な感じの生地が多い。

(左)アルチュザラ、(右)エルメス

 まず、ニューヨークから発表の場を移したアルチュザラ。洗いざらしたような自然素材のドレスやスーツに刺繍(ししゅう)やシャーリングで手仕事を加えて、ピュアで若々しい女性らしさを見せた。ウエストに巻いた革ベルトもラフな感覚を強調している。エルメスの赤いカフタンドレスには、麦わら風のテープ飾りがつき、より穏やかな印象に。

イッセイミヤケ

 イッセイミヤケの発想源は、デザイナーがアイスランドで目にした大地。手の込んだプリーツ加工などでかさついた土のような質感を出した立体的なドレスを披露した。気持ちが洗われるような淡くて澄んだ色が印象的だった。

(左)ステラ・マッカートニー、(右)ニナ・リッチ

 ほかにはステラ・マッカートニーがひもを編んだマクラメをバッグのベルトに使い、ニナ・リッチはフリンジを多用した。刺繍や羽根飾りもあって、クラフト感のあるディテールが目立った。

 一方、新味を加える素材として、PVC(ポリ塩化ビニール)やスポーツ用のシャカシャカしたナイロンなどケミカルな素材も。シャネルはパーカなどあらゆるアイテムでPVCを用い、バルマンはポップな柄を施したPVCのコートを見せた。

 スポーツの要素を優雅な街着として昇華させたスタイルも継続している。

(左)バルマン、(中)イザベル・マラン、(右)セリーヌ

 イザベル・マランはカラフルな花柄のトラックスーツ。セリーヌは袖無しジャケットから小花柄のポロシャツをのぞかせた。丈やサイズ、異なる表情の素材を重ねて新しく見せている。フードつきブルゾンなども、明るい色や柔らかいシルエットで数多く発表された。

クロエ

 来年らしいフェミニンな雰囲気を演出するディテールとしてよく目についたのが、裾のアシンメトリーなライン。前後や左右の丈を違えたり、滝のようなフリルを斜めに流したり。クロエはトップスもスカートも、裾が大胆な非対称の仕立て。スカーフを垂らしたようなスカートもあり、歩くと裾がひらひらと華麗に揺れた。(編集委員・高橋牧子)

 <写真は大原広和氏撮影>

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