ほんやのほん

どんな望みでもかなうとしたら? 『三つのお願い』ほか

  • 文・小川 舞
  • 2018年1月8日

撮影/馬場磨貴

  • 『三つのお願い いちばん大切なもの』ルシール・クリフトン 作、金原瑞人 訳、はたこうしろう 絵 あかね書房 1296円

  • 『夜廻り猫 3』深谷かおる 著 講談社 1080円

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 「ねぇ、どんなのぞみでもかなえてあげるっていわれたら、なにをお願いする?」

 1月1日に自分が生まれた年にできた1セント玉をひろうと、三つのお願いがかなうという。運よく同い年の1セント玉を拾ったゼノビアは、寒さを何とかしてほしいな、とつぶやいたらどんぴしゃり。ひょっこりお日様が顔をだした!

いつも心にリストアップ
『三つのお願い いちばん大切なもの』

 すごいぞ! とワクワクしている親友のビクターをよそに、願いがかなうことを信じきれずにいるゼノビアは、ひどいことを言ってビクターとケンカしてしまう。
 ここにいてほしくない、帰ってよ! と叫んだらまたどんぴしゃり。
 ビクターは飛び出して行ってしまった。

 本当に願いがかなってしまうんだ……。ゼノビアはお母さんに聞いてみた。
 「お母さんは、どんなのぞみでもかなえてあげるっていわれたら、何をお願いする?」
そのときお母さんが出した答えにゼノビアは驚き、自分の心にゆっくりと問いかけてみた。

 そして、三つ目の願い事を唱えたとき、またまたどんぴしゃり。
 いちばん大切な願いがかなったのだ。

 「三つの願いをかなえてあげる」というのはとても魅力的な言葉で、アラジンに登場するランプの精ジーニーを思い浮かべる方も多いでしょう。
 わたしも、魔法のランプを手にしてジーニーにあったらかなえてほしい三つのお願いはいつも心にリストアップしている。でも、実際にジーニーに出会う確率より、元旦に自分と同い年の1セント玉に出会う方が少しは高いと思うので、もしかしたら自分にも起こるかもしれない、という希望が、この物語にはあるのだ。

 自分だったら何を願うだろうと思い巡らせながら本の世界に入ると、ゼノビアの願いごとはもったいないように思う。
 でも、友達とけんかして仲直りする、という実は魔法でも何でもない願いごとは、自分の心と向き合うことで本当に大切なものに気づかせてくれる、とびっきりの魔法だったのかもしれない。

心の安定剤みたいな1冊 『夜廻り猫 3』

 さて、こちらは毎回触れている夜廻り猫の3巻。
 生きるのがつらいとき、そっと寄り添ってくれる物語。今回は読者から募った実話もあり、より心に刺さります。
 そんな中にちゃっかり猫のワカルが登場すると空気が一変、なんだか憎めないし、彼の頑張りにも励まされたりします。
 単行本が家にあると、遠藤と重郎、ニィや宙さんたちが家にいてくれるみたいな気持ちになります。
 そんな心の安定剤みたいな1冊。

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PROFILE

小川 舞(おがわ・まい)

写真

二子玉川 蔦屋家電、あそび・ペットのコンシェルジュ。
千葉のテーマパークに8年間従事。
2009年よりTSUTAYA TOKYO ROPPONGIに勤務。二子玉川 蔦屋家電の立ち上げに伴い異動。
フリーランスでカメラマンとして活動中。本のコンシェルジュとどちらも本気でやっている。
黒猫と暮らしていて、ねこが好きすぎる。
>>二子玉川蔦屋家電 ホームページはこちら

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