50㎡台までのコンパクト暮らし

東京タワーが見える35平米、心地よさの秘密

  • 文・大橋史子(ペンギン企画室) 写真・井上佐由紀
  • 2018年2月6日

レッスンも行うスペース。IKEAのモダンなダイニングテーブルと手仕事の温かみを感じるルーマニアの椅子を合わせます

 家は広いほうがいいと、今までは思われてきました。でも、最近は、あえてコンパクトな家を選ぶ人が増えてきました。その理由を聞いてみると、便利な都心に住みたい、住宅ローンや家賃を抑えて生活を楽しみたい、隅々まで目が行き届くところがいいなど、自分らしいライフスタイルを送っている人が多いようです。

 そこで、50㎡台までのコンパクトな都心のお宅で暮らす人たちを取材しました。スペースが狭いからこその工夫は、だれにでも役に立ちます。そして、ものとのつき合い方、優先順位のつけ方、働き方など、新しいライフスタイルは今後の参考にもなりそうです。

    ◇

[大山邸]
大山吟さん・WOONIN(スーパーフード&ライフスタイルクリエーター、ローフード教室「R.A.W.」主宰)
東京都港区/一人暮らし/1LDK 35m2

 東京タワーに歩いていける東京の真ん中でありながら、なんとなく懐かしい雰囲気の街。そんな場所に、スーパーフード&ライフスタイルクリエーターの大山吟さんの自宅兼アトリエがあります。WOONIN(ウーニン)という名前で活動し、自宅で料理教室を開いたり、企業のメニュー開発のほか、『まいにちスムージー』など、レシピ本の出版もしています。

仕事場でもある大山さんのキッチン&ダイニング。コンパクトなのに、狭さを感じさせないインテリア

 「この家は、5年前に引っ越しを決めたときに一番最初に見た物件でした。気に入ったのですが、納得してから決めようと思い、その後、20件ほど物件を見て回りました。そして、やっぱりここがいいと、戻ってきたのです。さらに、風水の先生に見てもらったら、『いい部屋ですよ』と太鼓判を押してくれ、ますます部屋が気に入りました」

 白をベースにしたモダンなインテリア。大きな窓があり、見晴らしが良かったのも決め手になりました。周りに高い建物がなく、大使館の庭園の緑が見えるので、都心に住みながら自然を感じられます。部屋は広くはないのですが、窓からの風景によって、実際のサイズ以上に開放感があるのです。

よく食べているスムージーボウル。レッスンで教えることもあります

 自宅兼料理レッスンをするアトリエとして、自分も生徒さんもリラックスできる空間作りを大切にしている大山さん。手仕事の温かい感じが好きで、できるだけインテリアにも生かしたいと考えています。旅が大好きで、旅で見つけた素朴な雑貨、器などを飾ることも多いのです。
 「コンパクトなので、ものはたくさん置けません。だから、置いてあるものはすべてお気に入り。旅で買ったものも、眺めているだけで楽しい気持ちになります」

仕事場でもあるキッチンには、好きなものを飾ります。馬の飾り物はスペインの村、カラフルな輪っかはオマーン、旅先で買ったお気に入り

 この部屋は、白をベースにしたモダンな空間なので、手仕事の素朴で、温かい雰囲気の家具や小物を合わせると、ちょうどいいバランスがとれるそう。以前、ヴィンテージのマンションに住んでいたときは、あえて都会的なシンプルモダンのテイストに。
 「インテリアはバランスが大切ですね。今の暮らしに合った、心地よさと気分の変化を楽しみながら表現したいと思います」

 例えば、レッスンでも使っている白い大きなダイニングテーブルはIKEAのもの。それに合わせているのは、ルーマニアの農村で使われている椅子。30㎝四方のコンパクトなサイズも気に入り、大好きなインテリアショップのグランピエで購入しました。モダンなものと素朴なものを、バランスよく合わせることで居心地のいい空間を作っています。

和のたんす、フランスの籐(とう)のいす、モロッコのラグと、いろいろな国のヴィンテージ家具が集まったベッドルーム

和のたんすをあけたら、中にはバッグが収納されていました。インテリア兼収納として大活躍です

 でも、こんな風に落ち着くまで、迷ったこともありました。オンとオフの切り替えが難しくなり、自宅を別の場所に構えました。ただ、離れてみたらこの家の良さを再確認し、自宅兼アトリエとして再スタートさせたそうです。
 「料理だけでなく、ライフスタイルも含めて提案することが、自分らしい仕事のやり方だと気がつきました。今は、オンとオフの両方を生徒さんに見てもらいたいです」

大山さんがくつろいでいるのはテレビ台。テレビは持っていないので、クッションを置いてベンチにしています

 スーパーフードやローフードを中心に、元気になる食べ方やメニューを紹介していますが、毎日の暮らしで実践できる手軽さを大切にしています。実際に、大山さんのライフスタイルを見ることにより、どんな風に取り入れたらいいのか、参考になります。
 「毎日、頑張っている女性たちに、少しでも元気になってもらいたい。かつて、私も忙しすぎて体調を崩したことがありました。食がメインですが、ライフスタイル全般を通して、心地よく生きていくアイデアを提案していきたいですね」

■大山吟さん(WOONIN)のホームページ

■大山吟さん(WOONIN)のインスタグラム

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PROFILE

大橋史子(ペンギン企画室)(おおはし・ふみこ)編集者・ライター

家事、料理、収納、インテリアなど暮らし周りを中心に、雑誌、本、webなどで活動中。人の人生や物語を聞くのが好き。
ペンギン企画室「40’s style」http://40s-style-magazine.com

井上佐由紀(いのうえ・さゆき)写真家

写真

1974年福岡県柳川市出身。東京都在住。写真家。九州産業大学芸術学部卒業。写真スタジオ、アシスタントを経て独立。現在はライフワークとして生まれたばかりの赤子の目を撮影しています。うどんとコーヒーがすき。
コレクション:フランス国立図書館、サンフランシスコ近代美術館
http://donko.inouesayuki.com/
http://inouesayuki.com/

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