朝日新聞ファッションニュース

日本の美を帯びて 18年秋冬 東京コレクション

  • 2018年4月6日

マメ

 2018年秋冬の新作を発表する東京コレクション(アマゾンファッションウィーク東京)が19~24日に開かれた。日本の美意識に目を向けた表現など、東京独自の創造性を発揮するブランドが目立った。

18年秋冬東京コレクション

 最も注目を集めたのは、黒河内真衣子が手がけるマメだった。昨年、デザイナーの海外進出を支援する「ファッション・プライズ・オブ・トウキョウ」を受賞し、今月パリで新作を発表したばかり。東コレのスポンサーであるアマゾン独自のプログラム「アットトウキョウ」に参加し、東京では初の本格的なショーを開いた。

身近な物・四季に注目

 手の込んだ編み地のニットに、薄く繊細な花柄のドレス。日本の民芸に美を見いだしたフランスのデザイナー、シャルロット・ペリアンの展覧会の図録にヒントを得て「身の回りにある美しいものを集めた」(黒河内)という。キーカラーの茶色は落ち葉、ミントグリーンは領収書の色から着想したといい、日本的な美しさをたたえた服だった。

(左)クオン(右)まとふ

 日本の美意識に目を向けた服づくりを続けてきたまとふは「なごり」がテーマ。秋から冬へと移ろう季節を表現した。色づいたイチョウの黄色、紅葉のオレンジ色に、ベージュやグレーを合わせる色使いの美しさが目を引いた。

 使い古した端切れ「襤褸(ぼろ)」でパッチワークのジャケットを仕立てて見せたのは、初参加のクオン。藍染めや泥染めといった伝統的な技法を使いながらも「いま着てかっこいい服にしたかった」(デザイナーの石橋真一郎)。「洗練された東京ストリート」といった感じのメンズブランドが多いなか、独特の存在感を示した。

若手も中堅も表現豊か

 若手の新進ブランドも着実に力をつけている。

(左)アキコアオキ(右)ケイスケヨシダ

 アキコアオキは、若手デザイナーの世界的な登竜門「LVMHプライズ」でセミファイナリストに選ばれ、今月パリでコレクションを披露した。今回は、モデルがラックにかかった服を目の前で着替えていく演出。メンズライクなシャツとパンツ、さらにワンピースを重ねるなど、1着の服がもつ様々な表情を引き出していた。

 ケイスケヨシダは、ヒッピーをテーマにした前シーズンからがらりと雰囲気を変え、ぐっとエレガントで「大人」の印象に仕上げた。鮮やかな色を組み合わせ、マキシスカートの裾はドラマチックに揺れる。デザイナーの吉田圭佑は「成熟と、新鮮さを混ぜあわせていけたらと思っている」。年齢を重ねる中で新たな表現をつかみ取ろうと、必死でもがいていることが伝わってきた。

 中堅デザイナーは安定した世界観を披露した。

(左)ハイク(右)ミントデザインズ

 ハイクは、ミリタリーウェアにヒントを得たコレクション。ダッフルコートやピーコートといったアイテムを再構築して見せた。ハイクらしい縦長のすっきりとした無駄のないシルエットに、メイクや髪形に至るまで細部まで神経が行き届き、完成度の高さを感じさせた。

 ミントデザインズは、光を浴びて光るラメ糸のメッシュのトップスを、首もとや袖口からのぞかせた。シャツやコートの肩にスナップボタンやファスナーを付け、外して中の服を見せるなどアレンジが利く仕掛けを施した。

(左)ファイブノット(右)ティートトウキョウ

 ほかに目を引いたのは、重ね着でボリュームを出し、表情豊かな着こなしを見せたファイブノット。じゅうたんのようなジャカード素材やペイズリー柄、光沢のあるエナメルやロゴアイテムなどを思い切り混ぜたが、バランスが取れていて今っぽい雰囲気を醸し出していた。ティートトウキョウは、オリジナルの鮮やかなツイード素材で作ったパンツスーツなどを披露した。

[PR]

 全体的に若手も中堅ものびのびと個性を表現していたのが印象的で、東京ならではの面白さを感じさせるコレクションがそろったシーズンだった。(長谷川陽子)

 <マメ、まとふ、ティートトウキョウは大原広和氏、その他は野村洋司氏撮影>

この記事を気に入ったら
「いいね!」しよう

今、あなたにオススメ

Pickup!