クリトモのさかな道

花咲ガニ、なかなかやるじゃないか!

  • 文・写真 栗原友
  • 2018年4月10日

冷蔵庫でかなり場所取る

 夫が北海道出張に行っていました。今回は北海道縦断の旅だったそうで、8日間の間に何回か海産物のお土産が宅急便で届きました。「カニはいらないよ」「カニは興味ないからね」と何度か伝えたつもりだったのですが、カニが届きました。花咲ガニです。

 カニなら毛ガニが食べたかった。よりによって、なんで興味のない花咲ガニなの? 正直全然好きじゃない。いったいこの3杯ものカニ、誰が食べるのよ。イラつく。と、しぶしぶ冷蔵庫の中にスペースを作り、生の花咲ガニを保管しました。

中の身はスカスカだったので本当にだし専用

 帰ってきた日に合わせて友人を呼びました。夫は鍋をしたいとのこと。でも、誰が作るの? 花咲ガニって鉄砲汁とかで食べるんでしょ? 切るのも面倒臭い。夫が東京に戻って「鍋って何入れるの? 全くアイデアが浮かばないんだけど」と言ったら、家についてすぐ自転車に乗って買い出しに行ってくれました。買ってきたのは「ザ・鍋の具材」と、ちょっと面白いもの。鳥の皮とはまぐりと生のホタルイカ。「この花咲ガニは身がないからだし専門ね」と夫。なるほど、カニだしの鍋ね。なんとなく見えてきた。

エシレバターって偉大ね!

 鍋にカニとハマグリを入れて煮立たせたら鍋から取り出し、食べられる限りほじってカニの身を食べる。味噌ベースの鍋の中には「ザ・鍋の具材」と鳥の皮をパリパリに焼いて細切りにしたもの、そしてエシレの発酵バターをたっぷり! これが効いた! なんて素晴らしいスープなんだ! 花咲ガニ、なかなかやるじゃないか! うまいよ! 友人たちも、夢中になって食べ続けている。

ホタルイカと味噌も相性がいい

ごった煮ですが、最強のスープ

 「花咲ガニのこと、見直したでしょ?」と言われて「ああ、まあね」と流してる風に答えたけど、心の中では結構興奮してたかもしれない。だって、あんなに入れていた具材が瞬殺したんだもの。

卵の半熟加減とかもはや職人技(嘘)

 最後の締めは冷蔵庫に入っていた赤飯を使って雑炊に。これがまたよく合う! もち米がトロトロになって甘くて最高の雑炊。花咲ガニよ、これからは雑に扱うのをやめるよ。ポテンシャル高かったんだな。次回は身も楽しんでみるよ。

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PROFILE

栗原友(くりはら・とも)料理家

写真

東京都出身。趣味の旅行や留学中に出会った外国の味を、日本でも簡単にアレンジできるレシピを紹介すると共に、旅と食の楽しさを様々なターゲットに向けて提案している。2012年から4年間、築地の斉藤水産で修行。現在は料理教室を中心に活動する傍ら、魚料理の啓蒙や魚を用いた食育に力を入れている。近著に『クリトモの大人もおいしい離乳食』(扶桑社)、『クリトモのさかな道 築地が教えてくれた魚の楽しみ方』(朝日新聞出版)。http://kuritomo.co.jp/

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