朝日新聞ファッションニュース

日本発ブランド、光る独創性 18年秋冬パリ・コレクション

  • 2018年4月18日

 2018年秋冬パリ・コレクションで、参加した約100ブランドのうち、十数ブランドが日本発。肥大化した海外ブランドが雑貨中心のビジネス戦略に流れる中で、ビッグシルエットやレイヤードといったトレンドを取り入れながら、独創性が光る服をきちんと提案していた。

躍動感 重ね着の妙も

サカイ

 日本勢の中でも、阿部千登勢の個性的な作風で注目されるサカイ。半身がストライプでもう片方がチェック地のドレス、大きく波打つダウンジャケットなど、持ち前の異素材ミックスや男性服の要素を取り入れる手法を大事にしながら、ダイナミックな量感と重ね着の妙を見せた。

ジュンヤ・ワタナベ

 ジュンヤ・ワタナベは、ビッグシルエットに潔く的を絞り、ミニドレスになるほどの長く大きなジャケットに、花柄の極細パンツを合わせるなどした。コートもパーカも体が泳ぐほど大きめなのに、エレガントに見える。ショーで流れたのは、パンクミュージック。デザイナーの渡辺淳弥は「ストイックでかっこいい女性像」を表現したという。

ノワール・ケイ・ニノミヤ

 同じコムデギャルソン内のブランドで、2012年創設のノワール・ケイ・ニノミヤは初の本格的なショーを開いた。黒いチュールを幾重にも畳んでつなげたドレスなど、手技を使った迫力のある造形が新鮮だ。

 ランや多肉植物を使ったヘッドピースは、フラワー・アーティストの東信(あずままこと)によるもの。乾いた質感の服と対比させた。デザイナーの二宮啓は「相反する物が衝突した時の違和感やエネルギーにひかれる」と語った。

素材に新鮮さ、開発脈々と

 日本のブランドが得意とする素材の開発も、脈々と受け継がれている。

イッセイミヤケ

 イッセイミヤケは、十八番のプリーツ素材をポリエステルではなく、ウールで作り上げた。軽いのに温かく、手軽に洗える。太陽の光で発熱する中綿入りジャケットも登場した。会社が2年後に50周年を迎えるといい、デザイナーの宮前義之は「歴史をどう積み重ねていけるか。自分を奮い立たせていきたい」。

アンリアレイジ

 アンリアレイジはプリズムをテーマに、同じ服でも光源の位置や見る角度で青や緑、赤など色の見え方が変化する生地を作った。

 昨年から参加のビューティフルピープルや、デビューのマメも独自の世界観を見せた。セレクトショップ出身の小野瀬慶子によるシクラスは洗練されたビッグシルエットの服をそろえた。

ヨウジヤマモト

 ベテランも気合を感じさせる作品を並べた。ヨウジヤマモトは昨年急逝したアズディン・アライアへのオマージュとして、アライアを思わせる美しいボディーラインと持ち前の布さばきを融合させた。

 会期中、若手デザイナーの登竜門「LVMHプライズ」の発表イベントがあり、日本からはアキコアオキ(青木明子)とダブレット(井野将之)が選出された。その後の審査でダブレットが最終候補の9ブランドに選ばれた。

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 層の厚さと多様な創造性がパリ・コレにおける日本勢の活躍につながっている。トレンドのビッグシルエットや重ね着は、底流にある「和」とも合致。独立資本が多く、厳しい時代に、敏感に、バランスよく反応した。(編集委員・高橋牧子)

 <写真は大原広和氏撮影>

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