花のない花屋

動物園の飼育員の夢を叶えるため……、学区を変えて中学校へ行くことを決めた息子へ

  • 花 東信、写真 椎木俊介
  • 2018年5月17日

  

  •   

  •   

  •   

  •   

  •   

〈依頼人プロフィール〉
谷内優里さん(仮名) 49歳 女性
北海道在住
無職

    ◇

 長男は小さい頃から感受性がとても強く、人より傷つきやすい分、人と接することに大きな不安を抱いていました。

 そして小学校に入ってからはいろいろなことに苦しみました。特に小学校3年生のとき、担任の先生とそりが合わなくなり、みんなの前で言い合いになってからは学校へ行くことが怖くなってしまったようです。その後、友達ともトラブルになり、その子の母親から強い言葉を言われてからは外にも出られなくなりました。子どもたちの声が聞こえると、足がすくんで動けなくなってしまうのです。

 そこから少しずつ外に出る練習から始め、フリースクールを見つけて通い出し、週1回だけ放課後に登校するように……。たくさんの方に支えられて卒業までの日々をがんばりました。

 中学校への進学は1年かけて迷いましたが、結局最後は自分自身で学区を変え、普通の中学校へ進むことに決めました。

 小学校の卒業式には、まだ学校が怖くて出られませんでしたが、後から校長先生のところへ卒業証書を受け取りにいきました。

 これから思春期に入り、大きな不安やイライラと戦いながら、息子は新しい学校で新しい生活を始めます。自分で選んだ道を歩み始めた息子へ、エールとともに花束をあげたいです。

 つらい経験をしたからこそ、人の痛みをわかる大きな人になれますように……。そして、自分らしく笑顔で人生を歩んでいけますように。母からの願いを込めて。

 彼は動物が大好きで、将来は動物園の飼育員を目指しています。だからこそ、「フリースクールでは夢を叶えられない」と、普通の中学校へ行くことを自分で決めました。そんな夢への一歩を後押しするような、明るいお花をお願いできないでしょうか。とにかく元気とパワーをもらえるようなお花を作ってもらえるとうれしいです。

花のない花屋

[PR]

この記事を気に入ったら
「いいね!」しよう

PROFILE

東信(あずま・まこと)フラワーアーティスト

写真

1976年生まれ。
2002年より花屋を営み続け、現在は東京・南青山にてオートクチュールの花屋「JARDINS des FLEURS」を構える。2005年よりフラワーアーティストとして、ニューヨーク、パリ、ドイツ、ブラジル等、国内外で精力的な活動を展開。独自の視点から花や植物の美を表現し続けている。
作品集に「ピエール・エルメ サティーヌ」「ENCYCLOPEDIA OF FLOWERSII 植物図鑑」(ともに青幻舎)など。http://azumamakoto.com

今、あなたにオススメ

Pickup!

Columns