キレイのヒミツ

<4>オイルで全身のめぐりをよく 小林ひろ美さん

  • 2016年8月25日

イラスト/大橋美由紀

写真:小林ひろ美さん 小林ひろ美さん

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 いま、真夏の暑さがピークを越えた頃。過酷な環境をくぐりぬけてきた肌は、どんな状態? どんなケアをするべき? 今回は、透明感のあるもちもちな美肌が印象的な、美容家の小林ひろ美さんにお話をうかがいました。

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肌は絶対にこすってはいけない

――まだまだ暑い日が続きますが、肌には夏の疲れが溜まってくる頃です。

 そうですね。紫外線による光老化や、汗をかいて水分が奪われ、室内に入ればエアコンで乾燥した空気。夏は、肌へのダメージ要因があふれる過酷な季節。加齢が気になる女性にとっては、「魔夏」と呼びたいくらいです。

 しかも、肌表面は汗や湿気で湿っているので、乾いていることに気づきにくいという落とし穴もあります。実際には、肌は深部から消耗していて、ダメージは蓄積する一方。その結果が秋になる頃、季節の変わり目の肌に現れます。過酷な夏をどう過ごしたか、通信簿が顔に出るんです。

――ということは、集中ケアなどのスペシャルなアイテムを追加投入したほうがいいですか。

 そう考える方は多いですよね。でもその前に、スキンケアの基本の部分を見直してみてほしいんです。スキンケアに関して私がお伝えしているのは、「こすらない」「乾燥させない」「滞らせない」の3つです。

 まず「こすらない」というのは、なぜか? 夏の終わりの肌は乾燥してpHバランスも乱れているので、保護しようと角質が厚くなり、硬くロックされています。そこをゴシゴシこすってしまうと、うるおいを保つ層が傷ついて水分はますます失われ、炎症状態への防御反応としてメラニンまで出されることに。

 肌はこすると表面が摩耗して、キメが失われてしまいます。すると本来はふっくらと碁盤の目のように並んでいるはずのキメの間の溝(皮溝)もなくなるので、そこから浸透するべきうるおいが入っていけません。

 また、摩擦で表皮が削られた肌は、内部が露出した状態。ビニールコーティングしたように不自然にツルツルした肌になってしまい、ファンデーションも乗らなくなります。

 こするお手入れは、すればするほど、裏目に出てしまうんですね。実際、高価なアイテムを使っているのに結果が出ない、悩みが絶えないのは「コスメとの片思い」に陥ってしまっているからで、そういう人は、肌をこすっていることが多いです。

こするのではなく、「スタンプづけ」を

――「何を使うか」とアイテムに頼る前に、「どう使うか」が大切なんですね。

 はい。少量のコスメをケチケチ使って無理にのばしたり、顔に直接つけたものを指でグルグルのばしてつけるのはNGですよ。そうした自分の“手グセ”を見直して、これからは、こするのではなく「スタンプづけ」をしてください。

 手のひらにコスメをとったら、両手でよくなじませて、そのまま両手の手のひら全体を使って軽く圧をかけて押すように、顔の中心→外側と2拍子でスタンプを押していく感じです。まず1)額から目の辺り(中心)→2)こめかみ(外側)、1)まぶたから頬、あご(中心)→2)こめかみ(外側)、そして1)小鼻と口のまわり(中心)→2)耳の下(外側)というふうに。このとき、あごを上げて上を向いて行うと、手に力が入りすぎずちょうどいい圧のかけ具合になります。

目のまわりがひんやりすればOK

 そしてスキンケアの2つ目のポイント、「乾燥させない」というのは、水分を満タンに満たすということ。うるおいで満たされると、肌は少しひんやり冷たい触感になります。そこで、スタンプづけで顔全体にローションをつけたら、目尻の下の肌を、指の背側で軽く触ってみてください。目のまわりは皮膚の組織がほかと比べて3分の1の厚さしかないため、保水力が弱く渇きやすい場所。そのエリアまでひんやり冷たくなっていれば、顔全体も十分うるおったということです。ローションがついている指の腹側ではなく、背の側で触れるのが、客観的に正しくチェックできるポイントです。

 そうしてたっぷりのうるおいを与えたら、クリームや美容液などでしっかりフタをしてください。それが「保湿」、うるおいを「保つ」ということです。与えるだけでフタをしないと、水分は気化してみるみる失われてしまいます。このフタをする作業を怠ることも、「しっかり与えているはずなのに渇く……」といったコスメとの片思い美容になるもとなんですね。

体の下のほうからリンパの滞りを改善する

――スキンケアのポイントの3つ目、「滞らせない」ためにはどうすればいいですか。

 それにはオイルがおすすめです。化粧水の前に使う、先行型のものを使ってください。というのも、オイルは水より比重が重いので、縦方向にすーっと落ちるように肌の深部まで入り、細胞間脂質を伝って隅々まで行きわたります。次に入ってくるローションのうるおいを待ち構えて、しっかりつかまえてくれるので、水分・油分ともに角質層全体に満たしてくれるんです。

 そして、デトックス作用のある精油などの配合成分の働きで、肌の奥からめぐりをよくして、老廃物の排出を促してくれるわけです。

 私自身がオイルの実力を知ったのは、32歳のときでした。10代の頃の日焼けがたたって、しみ、シワ、たるみなど一気に噴出したトラブルを解決できたのが、オイルのおかげだったんです。当時、仕事で行き来していた北欧で、女性たちは皆オイルを使っていて、しかも「頬のシミをとりたければ、足首にオイルを塗らなきゃ」などと言うんですよ。どういうことかいうと、肌というのは全身つながった一枚皮なのだから、顔だけ見ていてもダメで、足首の裏やひざ裏など、体の下のほうからリンパの滞りを改善して、全身のめぐりをよくしてこそ、ということなんです。

 それ以来、私のオイル美容歴は約20年。北欧の女性たちが皆、自分に合った調合の「マイオイル」を持っているのを見て、私もオリジナルのオイルを商品化しました。全身を滞らせないために、ボディにも顔にも使えるもので、お風呂上がりの濡れた肌に使うのがおすすめです。脚、お腹まわり、鎖骨周辺、と3プッシュ使って、最後に1~2滴を、顔にスタンプづけします。

 実は、先ほど紹介した「スタンプづけ」は、「滞らせない」お手入れの仕方でもあるんです。中心→外側とスタンプを押すとき、外側にあるこめかみや耳の下(耳下腺)は老廃物を排出するリンパ節のある場所、いわば顔の「ゴミポケット」です。オイル、ローション、クリームとすべてのプロセスをスタンプづけにすることで、うるおいを与えるときも、しっかり閉じ込めるときも、同時に余分な体液やタンパク質をゴミポケットへ流すこともできている、というわけです。

――「与えながら流す」「顔だけでなく全身で考える」など、これまで見落としていたことのような気がします。

 そう、少し意識を変えてみてほしいんですね。こすらずにスタンプづけをする際も、外側のこめかみを押しているときは「ゴミポケットに流しているんだ」と意識を向けられるはずだし、目の下に触れる一手間も、「十分うるおったかな?」と、お手入れの善し悪しを意識できますよね。それでしっとりうるおった効果を実感できれば、うれしいし、お手入れするのが楽しくなる。ただの習慣として漫然とするのではなく、意識を入れることが大事なんです。間違った手グセを直して「こすらない」ことや、「乾燥させない」「滞らせない」ケアのひとつひとつを、意識しながら行うこと。そうすれば、必要うるおいや栄養はしっかり届きます。アイテムに頼らなくても肌は応えてくれるんです。「両思いのスキンケア」ができるようになりますよ。

(文・野田まゆ)

>>小林ひろ美さん愛用のオイルなど美容アイテムはこちら

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小林ひろ美(こばやし・ひろみ)

美容家、「美・ファイン研究所」主宰。日本大学芸術学部映画学科卒業。米国留学の後、輸入業、翻訳や企業の通訳などの仕事を経て、美容家である母・照子と「美・ファイン研究所」を設立。98年、リバイタライズサロン「クリーム」をオープン。トータルな視点から心地よいライフスタイルを提案。簡単で効果的な美容法が多くの女性の支持を集めている。

美・ファイン研究所:http://www.be-fine.co.jp/

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