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クリスティーヌ・ナジェル エルメスの香水クリエーション・ディレクター

  • 2016年12月21日

写真:1958年、スイス生まれ=大原広和氏撮影 1958年、スイス生まれ=大原広和氏撮影

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奔放に、触感から作りだす香り

 仏老舗ブランドの香水の調香を2014年から担う。今年から女性としては珍しく束ね役になった。化学の素養や創作への情熱的な姿勢、独創的な香り作りに評価が高い。

    ◇

 ――新作の香水「ギャロップ」のみずみずしく鮮烈な香りは、革がヒントだったとか?

 「エルメスの貴重な革の保管庫で出会った革。触ったら、柔らかくて弾力のある女性の肌みたいで、匂いも女性的でびっくりしました。華やかなバラの香りと合わせて、躍動的なダンスを踊る感じにしたかった」

 ――その前に手掛けた食用の草ルバーブの香りのコロンにも驚きました。

 「人を驚かすのが好きなんです。コロンにはたいていシトラス系を使うけれど、あの単なる酸っぱい草だって甘く優美な香りに変えられる。材料や見せ方を工夫して、今までにない香りを作りたい」

 ――このブランド独自の香りをどう作りたい?

 「エルメスにはコンサバな印象がありましたが、中に入ってみたら意外に大胆で自由な気風がその歴史に織り込まれていた。品格と共にそうした奔放さを大切にしたい」

 ――香り作りの方法は?

 「私は手で触った感覚を基に、組み立てていきます。触感と色のイメージ、量感から作るやり方は彫刻家に近いかも。その香りの自然な感じを作るには、中心の原材料をぎりぎりのバランスで多めに使います」

 ――匂いをかぎ分ける才能は生来のものですか。

 「いいえ、トレーニングのたまものです。調香師の学校に入ろうとしたら、女性はダメと言われ、しょうがなく原材料を分析する仕事についた。そこで毎日、どこの国でいつ採れたオレンジかなどと、鼻を精密機械のように利かせ続けた。それと、子育ての経験も人生を豊かにした。女性は今も色々と大変だけれど、彼女たちに勇気を与えるような香りを作りたいのです」

 (編集委員・高橋牧子)

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