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アニエスべー、そのままを見て

  • 2017年1月20日

写真:「スティリスト」の表紙 「スティリスト」の表紙

写真:「スティリスト」掲載のカーディガンの水彩画 (C)agnes b. 「スティリスト」掲載のカーディガンの水彩画 (C)agnes b.

写真:アニエスベー=飯塚悟撮影 アニエスベー=飯塚悟撮影

写真:「スティリスト」掲載の写真。1976年、店の前にそろったアニエスベー(左から2人目)とその家族や友人ら (C)Brigitte Lacombe 「スティリスト」掲載の写真。1976年、店の前にそろったアニエスベー(左から2人目)とその家族や友人ら (C)Brigitte Lacombe

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 フランスのデザイナー、アニエスベー(75)は、どんな人生を送ってきたのか。自身が撮りためた写真などにメモを書き加え、振り返った本「スティリスト」(青幻舎)が刊行された。「agnes b.」と自然に手書きしたサインをブランドのロゴにしているように、素のままにこだわるスタイルを後進に伝えたいという。

美意識・生い立ち振り返り、本に

 取材が始まると、アニエスベーは本を開き、1976年の写真を慈しむように眺めた。パリに設けた自身初のブティックの前で撮られた1枚だ。

 「これが息子、これはパートナー、それに友達がいっぱい。ここから始まった私の大きな物語を語りたかった。何が好きで、どんな話があったのか。全部見せたかった」

 スティリストはフランス語で、服の素材からデザインの選択まで総合的に関わる人を指す。美意識の原点は故郷ベルサイユ。宮殿の塀を隔ててすぐの場所で育った。本には、庭園の彫刻が幾つも載っている。

 「小さい頃から宮殿で遊んでいました。ぜいたくで、バロック様式の重いといえるぐらい豊かな表現が身近にありました」

 母の影響も大きかった。母はお針子さんと、よく服を作っていた。「傲慢(ごうまん)な、見せつけるようなものは品が良くないと学びました」

 豪華さとシンプルさ。二つの共存が、アニエスベーのこだわりになっていく。それは、「アニエスベー」が130以上の店舗を展開するこの日本にもあった。

 本では、日本を旅した時に出合った竹垣などの風景も紹介している。「シンプルで、洗練された簡素さがある」。同時に、対極的に華やかな都市の風景が日本には併存する。「両方があるのが大切だと思う」

 掲載したアニエスベーの服も、モノトーンがあると思えば、手の込んだプリント柄もある。「私のデザインが、もともと日本人が持っている嗜好(しこう)と合っていたのだと思います」

 自宅の庭、友人のデビッド・ボウイやジム・ジャームッシュ――。好きな写真にメモを書き添える。それは見慣れたブランドのロゴと同じ筆跡だ。「これは私の、12歳の頃から変わらない字だし、素のままです」

 ただ、載せるのは美しいものだけではない。空爆に傷ついた96年のサラエボの写真もある。「ファッションの『外側』にも目を向けてほしい。例えば、服が劣悪な環境下で作られていないか。そこに関心を持つことも美意識です」

 懐かしいアルバムのような本をめくりながら、アニエスベーは言った。

 「若い人が迷った時、この本をみて『自分らしいスタイルを貫けばいいんだ』と感じてくれたらいい」(高津祐典)

シャネルやグッチでも関連本

 ブランドのイメージや物語を伝える書籍は、しばしば編まれてきた。

 最近でも、シャネルは創始者ココ・シャネルの生涯をたどった「素顔のココ・シャネル」(河出書房新社)=写真左=を刊行。フランスの作家、イザベル・フィメイエが、未発表の資料や写真も交えながらシャネルの栄光と苦闘を紹介している。

 グッチは英国人の写真家、ニック・ワプリントンが昨年6月にロンドンで催されたコレクションを撮影した限定版写真集「ブラインド・フォー・ラブ」=同右=を刊行した。世界を席巻したグッチの世界観と、そのショーの舞台裏をとらえている。国内販売は未定。

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