ノーザンテリトリー特集

心が震える絶景を前に 忽那汐里さん<前編>

  • 2015年3月13日

忽那汐里さん(撮影 石野明子) 写真特集はこちら

 アートをめぐる旅で訪れたノーザンテリトリーは、シドニーで生まれ育った女優の忽那汐里さんにとっても新鮮な驚きと発見にあふれていた。全身で感じた壮大な自然の魅力を語る。(文 中津海麻子)

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――ノーザンテリトリーにはどんな印象を持っていましたか。

 私はシドニーで生まれ、14歳まで過ごしました。ノーザンテリトリーは、同じオーストラリア国内でも、都会であるシドニーとは対照的な「ありのままの大自然」というイメージを持っていました。距離があるので、残念ながらオーストラリアにいたころにゆっくり訪れる機会はなかったのですが、小学校に上がると年に数回、先住民アボリジニについて学ぶ授業があり、オーストラリアの歴史や文化を学ぶ上では「特別な場所」なんだと感じましたね。

――実際に訪れた経験は?

 ウルルには、3歳のとき家族と、2年前には仕事でと、2回行きました。大きな赤い岩しかない、でも、それだけで十分。日中は強い日差しの照り返しを受け、真っ赤でダイナミックなのですが、夜明け前に訪れると真っ暗な岩の縁に薄紫色の光が浮かび、とても神秘的で心に迫る風景でした。

 また昨年は、テレビ番組のロケで、シドニーとノーザンテリトリーのアートをたどる旅に行きました。飛行機でダーウィンに入り、そこからクルマでカカドゥ国立公園を目指しましたが、第一印象は「自然しかない!」(笑)。

 でも逆に、人工的にはけっして造ることのできないもの、たとえば、何百年、何千年にもわたって雨風によって削られ、丸い形となった岩がいくつも転がっているデビルスマーブルなどは圧巻で、自然の力に言葉を失いました。

 カカドゥ国立公園では、ボートから日の出を望むツアーに参加しました。夜明け前から出航し、だんだんと明るくなっていくさまは、心が震えるほどの絶景でした。夜が明けると、動物たちが活動を始めます。何メートルもある巨大なワニが悠然と水面を漂い、牛や馬が水を飲むために水辺にやってくる。見上げると青空で気持ちよく羽を広げる鷹が。手つかずの自然、そして、そこに生きる動物たちの野生の姿に、これまでに経験したことのない感動を覚えました。

――現地の文化で驚いたことはありますか?

 衝撃的だったのが「グリーン・アント」。文字通りお尻がきれいな緑色のアリで、その緑色の部分にスダチやライムのような酸味があるんです。やっと指先でつまめるほど小さいのですが、実際、舌の先に緑の部分を触れてみたら、ビックリするほど酸っぱい! 幼虫が吐くシルク状の糸を紡いで巣を作り、そこにびっしりと身を寄せ合っているのですが、アボリジニの人たちは巣ごと持ってきて、潰して調味料に使うんだそうです。ビタミンの供給源でもあるようで、食文化っておもしろいなぁと改めて思いました。

――普段から写真が好きで撮影されているとか。被写体としてのノーザンテリトリーはいかがでしたか?

 とにかく日差しが強いですね。するとコントラストが強くなり、写真としては硬い印象になってしまうんです。私はフィルムでの撮影にこだわっているので、調節が難しかったです。

 そもそも風景は、目で見た景色が一番で、どんなにワイドなレンズを使っても視野のすべては切り取れません。自分に見えているほどの美しさは、写真では雰囲気を伝えることぐらいしかできない。いつも物足りなさ、はがゆさを感じます。そのことをノーザンテリトリーでは、改めて突きつけられたような気がします。

 やっぱり写真よりも記憶にとどめておきたい――。ノーザンテリトリーの崇高で美しい自然の風景を前に、私はファインダーから目を外しました。

(後編はこちら


コート/HAIGHT&ASHBURY http://haightandashbury.com/
トップス、スカート/THE BRISK http://the-brisk.com/
その他スタイリスト私物

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忽那汐里(くつな・しおり)
 1992年生まれ。オーストラリア・シドニー出身。2006年、第11回全日本国民的美少女コンテストで審査員特別賞を受賞。映画『マイ・バック・ページ』(11年)、『ペタル ダンス』(13年)、『許されざる者』(13年)などに出演。第85回キネマ旬報新人女優賞、第37回日本アカデミー賞・新人俳優賞を受賞。
 今年12月公開の日本・トルコ合作映画『海難1890』ではヒロインのハル/春海役をつとめる。


>>ノーザンテリトリーの特集はこちらから


アボリジニの聖地である世界遺産「ウルル」で満天の星空のもと楽しむディナーや、壮大な自然景観と野生の動植物との遭遇体験「カカドゥ」と、そのゲートウェイで世界中の若者が集うトロピカルリゾート「ダーウィン」など――。ノーザンテリトリーには、想像もつかないほどの絶景と、大自然を肌で感じられるアトラクションがいっぱい。壮大なスケールのノーザンテリトリーを満喫できるツアーを多数ご用意いたしました。
WEBサイトをご覧ください。

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