ニッポン人名鑑

<18>TOKYOスタイルの案内人 シトウレイ

  • 2015年8月3日

  

シトウレイ
フォトグラファー、ブロガー

    ◇

 毎日のように原宿や渋谷を歩き、スナップを撮りつづけて5年。東京のストリートファッションから世界各地のファッションウィークの様子まで、自身のブログ「STYLE from TOKYO」から発信している。2010年にはNYの著名なファッションサイトで「世界で最も影響力のあるストリートスナップブロガー」に日本人で唯一選出された。

「スナップって自分と向き合う作業なんです。街を歩くおしゃれな人に声をかけて撮らせてもらうたび、『私がこの人を素敵だと感じるのはなぜだろう?』と自問自答する。価値観を試されているようなものですね。奥深いです」

 早稲田大学在学中にスカウトされ、モデルデビュー。卒業後はモデル業と並行し、ストリート誌のフォトグラファーに。あるとき編集長から「街で面白いと感じた人を撮ってきて」と依頼されたのを機にストリートスナップにハマり、独立してブログを始めた。

「撮った写真を生のまますぐに載せられる、世界中から即座にレスポンスが集まるといったブログの持つスピード感は、雑誌にはないもの。しかも東京は人の流れもトレンドの移り変わりも速いから、親和性があるかなと」

 写真と日本語&英語の短いコメントからは、被写体の人間的魅力までもが浮かび上がってくる。偶然なのか狙ったのか、ときには被写体と街の背景が絶妙にリンクしたカットも。

「偶然なんですよ。構図もさほど考えずに撮ったのに、あとで見たら服と背後の看板がシンクロしていたり。写真の神様に愛されているんだと思います(笑)」

 今後は海外のスナップを増やしたい、展覧会を開きたいなどの目標はあるが、基本的に未来像をあまり想像したことはないという。

「学生時代に進路を問われたときも、やりたいことを10代のうちに決めるなんてナンセンスだと思ってました。考え方なんてどうせ変わるのに、今この段階で将来を決定していいの?って。でも、ひとつだけ続けてきたのは、目の前のものを好きになる努力。モデルもスナップもそうだったし、たぶんまったく別の仕事でもそうやって頑張れる自信はあります」

 その努力あってこそ、写真の神様、そしてチャンスの神様が舞い降りるのだろう。

(文・志村香織、撮影・松岡一哲)

「AERA」2014年3月3日号より

     ◇    

今のニッポン、これからのニッポンを支えるキーパーソンを紹介する『21世紀をつくるニッポン人名鑑』から転載します。

(次回は8月10日に配信予定です)

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