割らない、塗らない、削らない 貝殻でつくる動物園

  • 2015年8月20日

写真:ワークショップ会場の書店に展示された貝の動物たち ワークショップ会場の書店に展示された貝の動物たち

写真:ワークショップで動物の作り方を指導する「かいのどうぶつえん」園長の角田元さん(右)=神奈川県藤沢市の有隣堂 トレアージュ白旗店 ワークショップで動物の作り方を指導する「かいのどうぶつえん」園長の角田元さん(右)=神奈川県藤沢市の有隣堂 トレアージュ白旗店

写真:つまようじで接着剤を塗って貝を組み立てる。積み木は接着剤を乾かす間の支えに。特別な道具は必要ない つまようじで接着剤を塗って貝を組み立てる。積み木は接着剤を乾かす間の支えに。特別な道具は必要ない

写真:小学1年生の湧くんは1時間足らずでカエルを完成。「名前はケロだよ」 小学1年生の湧くんは1時間足らずでカエルを完成。「名前はケロだよ」

写真:きれいに分類された材料の貝。「貝の色や形から『あの動物を作ろう』とひらめくこともよくあります」と角田さん きれいに分類された材料の貝。「貝の色や形から『あの動物を作ろう』とひらめくこともよくあります」と角田さん

写真:作品を手にする角田さん夫妻。後ろの棚に並ぶのはごく一部=神奈川県葉山町 作品を手にする角田さん夫妻。後ろの棚に並ぶのはごく一部=神奈川県葉山町

写真:「身近な材料で作れるものを」と考案したアサリのカバ。みそ汁やボンゴレを食べた後にいかが? 「身近な材料で作れるものを」と考案したアサリのカバ。みそ汁やボンゴレを食べた後にいかが?

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 湘南の浜辺でひろった貝殻で、自宅に動物園を作った人がいる。神奈川県葉山町の角田元さん(68)。「割らない、塗らない、削らない」をモットーに、貝本来の色や形を生かしてさまざまな動物を作ってきた。家族や近所の人たちに作品を披露するうちに評判が広まり、展示や作り方教室の依頼が舞い込むように。「楽しさをもっと広く伝えたい」と、製作のノウハウをたっぷり盛り込んだ作品集を出版した。

フォトギャラリー「かいのどうぶつえん」

 角田さんは葉山育ち。現役時代は会社に泊まり込むこともある多忙な広告マン、休日は大好きな舟釣りですごし、モノ作りとは無縁だった。妻の憩(いこい)さん(66)と近所の海岸を散歩しながら集めた貝殻で、何の気なしに犬や猫を作ってみたのが15年ほど前のこと。思うような形にならず、あれこれ工夫するうちに、動物作りの面白さにのめりこんだ。

 「家族の感想も刺激になった。『全然似てない』と言われて改良を重ね、『よくできてる』とほめられて新しい動物に挑戦する。子供や孫と作った動物を見せ合うのも楽しくてね」と角田さん。

 2003年に「かいのどうぶつえん」を旗揚げし、たまった作品を私家版のアルバムにした。7年ほど前からは自宅の門口にショーケースを作り、通りかかった人に作品を見てもらえるようにした。「目標がないとサボってしまう」と毎週欠かさず新作を展示。先週末の「オオサンショウウオ」で489回目になった。

 当初から、貝を加工せずに使うことを心がけてきた。キリンの模様も、もふもふのヒツジも、表情豊かなサルたちもすべて自然の貝の柄や形を生かしたもの。「同じ動物を作っても、ひとつひとつ個性が違う。そこがいいなと思うんです」

 作りたい動物にぴったりの材料を探すため、貝の種類や保存法も勉強した。湘南の海で拾える貝だけでは種類が足りず、知り合いに送ってもらったり、専門店や100円ショップで調達したり。食卓に上った貝ももちろん活用。「魚屋さんでむき身の貝を買うことはなくなった。アサリは値段より柄で選びます」と副園長として運営を助ける憩さんは笑う。

 特別な道具も使わない。瞬間接着剤や木工ボンドをつまようじで塗り、貝と貝とをくっつける。小さな子どもでも楽しめるように、簡単な手順でカエルやウサギを作れるキットも考案した。先月出版した初の著書「かいのどうぶつえん」(グラフィック社)では、貝の集め方から各作品の作り方まで、具体的なプロセスを写真と文章で詳しく解説している。

 「貝の動物のいいところは、誰でもどこでも気軽にできるところ。この楽しみを独り占めするのはもったいない」と角田さん。「ものを作る喜びは子供も大人も変わらない。動物作りを楽しみながら、自然に親しみを感じてもらえたらうれしいですね」

フォトギャラリー「かいのどうぶつえん」

■「かいのどうぶつえん」作品展
 葉山町立図書館(神奈川県三浦郡葉山町堀内1874)で8月30日まで開催中。「鳥獣戯画」や「一休さん」「ぶんぶく茶釜」などの物語シリーズを展示している。月曜休み。

■ワークショップ
 角田さんの指導で、「ウサギ」「カエル」「コアラ」「ゾウ」のうち1種類を選んで作る。相模原市のACADEMIAくまざわ書店橋本店(JR横浜線・相模線・京王相模原線 橋本駅)で、8月23日午前11時~12時半、午後2時~3時半の2回開催。小学校3年生以下の子どもは保護者の同伴が必要。材料費756円。予約不要。
 ワークショップや展示会の情報は、「かいのどうぶつえん」の公式サイトに随時掲載している。

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