リノベーション・スタイル

<58>ザイルの床、羽目板の部屋、レンガの壁

  • 文 石井健
  • 2014年3月12日

  [CABIN]
 Iさん夫妻
 東京都板橋区
 築27年 / 47.25m²
 工事費700万円

 リノベーションにあたっての要望は二つありました。一つは「広いバスルームが欲しい」。もう一つは「素材感のある部屋にしたい」ということでした。

 ただ、この部屋には問題がありました。中央にパイプシャフトが二つあるのです。そこで、まずは玄関から入ったときに、パイプシャフトをよけて視線を窓の外へ誘導できるように全体を配置しました。

 窓は2方向に二つずつあるので、壁を斜めにしてパイプシャフトを避けたり、バスタブの配置を斜めにしたりして、玄関からの視線をY字になるように工夫しています。

 玄関から入って左側はバスルームや洗面所、トイレなどを集めた水回りスペースです。ちょっと変わった配置ですが、なるべくバスルームを広くするために、変形を多用しました。

 この部屋の壁だけ、「素材感」を出すために白くペイントした羽目板を使っています。どことなくボートハウスのようじゃないですか? リビング全体が海で、羽目板の部屋がボートハウスというようなイメージで造りました。

 バスルームの隣はウオークスルー・クローゼットがあり、そこを通ってベッドルームに抜けられます。ベッドルームの壁は、おふたりの希望でレンガタイルを貼りました。ベッドルームとリビングとの間にはバーチカルブラインドをつけたので、お客様がいるときは目隠しすることができます。

 ゆるやかにベッドルームとリビングがつながり、部屋全体を回遊できるようになっています。玄関脇にあるキッチンは大きく変える必要がないとのことだったので、扉を張り替えるくらいで手を打つことにしました。

 床は、すべてザイルです。ウサギを飼っていらっしゃるので、この素材を選んだのですが、裸足で歩いても気持ちいいんですよね。

 照明は、担当者がオリジナルで作りました。シンプルでかわいらしいデザインですが、素材はスチールで重みがあります。

 ザイル、羽目板、レンガタイルなど素材感を楽しみつつ、空間全体を広々と使える部屋ができたと思います。

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PROFILE

石井健(いしい・たけし)

1969年、福岡県生まれ。「ブルースタジオ」執行役員。日本のリノベーション・シーンの創世期から600件以上を手がけてきた。「カンブリア宮殿」(テレビ東京系)でも「古い物件の家賃を倍にする不動産集団!」として紹介される。「郷さくら美術館」(東京・中目黒)で2012年度グッドデザイン賞受賞。また「賃貸アパート改修さくらアパートメント」(東京・経堂)で2014年度グッドデザイン賞受賞。 著書に『リノベーション物件に住もう』(共同編集/ブルースタジオ)、『MUJI 家について話そう』(部分監修)、『リノベーションでかなえる、自分らしい暮らしとインテリア LIFE in TOKYO』(監修)。
ブルースタジオへのリノベーションのご相談は、隔月開催のセミナーや、個別相談で承っています。

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