リノベーション・スタイル

<63>フロアライトと鏡で幻想的な空間に

  • 文 石井健
  • 2014年4月23日

 [RW]
 Sさん夫妻
 東京都港区
 築37年 / 85.36m²

 ご夫妻の要望は「広い部屋に住みたい」ということでした。購入された物件は85m²なので、2人住まいには比較的ゆったりしています。ただ、水回りの空間が壁式構造だったため動かせない。その制約の中でどうスペースをとるかが課題でした。

 そこで、動かせない壁をぐるりと囲むようにキッチンとテーブルを配置し、キッチンとリビングとの一体感を出して広さを演出しました。

 隣のダイニングスペースもゆったりとっています。6~8人用のダイニングテーブルを置き、それ以外は“余白”の空間に。今はご主人がよく使うイームズのラウンジソファが置いてあります。

 LDKのパブリックスペースの奥には、広いウオークイン・クローゼットと、ガラスブロックで囲まれたベッドルームが対面するようにあります。二つの空間はつながっていながらも、カーテンで仕切られています。おふたりとも洋服がたくさんあるので、コート掛けは4段になっていて、収納量はたっぷり。ベッドの下も収納です。

 特筆すべきはこのプライベートスペースとパブリックスペースとの間の仕切り。引き戸なのですが、それを全面、鏡にしたのです。

 おふたりは、夜はキャンドルの光の中で食事をするようなスタイルだったので、ダイニングにはフロアライトをつけましょう、となりました。よくリゾートホテルのプールサイドにキャンドルが配置してあったりしますよね。それをフロアライトにした感じです。

 夜になると、この全面鏡の効果が生きてきます。フロアライトをつけると、鏡とバルコニー側のサッシがお互いに反射して、まるでどこまでも続く滑走路のように見えるのです。光が永遠と外へ続いていくようで、自分たちのいる空間も広がっていくように感じられます。

 日常の中にこんな非日常な空間があるのも素敵ですよね。

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PROFILE

石井健(いしい・たけし)

1969年、福岡県生まれ。「ブルースタジオ」執行役員。日本のリノベーション・シーンの創世期から600件以上を手がけてきた。「カンブリア宮殿」(テレビ東京系)でも「古い物件の家賃を倍にする不動産集団!」として紹介される。「郷さくら美術館」(東京・中目黒)で2012年度グッドデザイン賞受賞。また「賃貸アパート改修さくらアパートメント」(東京・経堂)で2014年度グッドデザイン賞受賞。 著書に『リノベーション物件に住もう』(共同編集/ブルースタジオ)、『MUJI 家について話そう』(部分監修)、『リノベーションでかなえる、自分らしい暮らしとインテリア LIFE in TOKYO』(監修)。
ブルースタジオへのリノベーションのご相談は、隔月開催のセミナーや、個別相談で承っています。

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