リノベーション・スタイル

<64>脱衣所の鉄の扉と地中海風のリビング

  • 文 石井健
  • 2014年4月30日

 [S邸]
 Sさん(37歳)
 東京都目黒区
 築36年 / 43.26m²

 部屋の間取りは比較的シンプル。玄関に入って右がウオークイン・クローゼット、左がトイレやバスルーム、洗面所などの水回り。真っすぐ進むとキッチンとリビングダイニングがあり、壁を挟んでベッドルームがあります。

 そんなシンプルな部屋の中で目を引くのが、鉄の扉。「アイアンをどこかに使いたい」という要望を受け、「思い切って、門のようにしてみましょうか?」と提案しました。

 実はこれ、脱衣場の扉なんですよ。隠すというより、「ここからが脱衣場」という境界の役割を果たしています。

 外で使うモノが部屋の中にあると、部屋の中に“外”があるような、もう一つ“中”があるような不思議な空間が生まれて、なんだか楽しくなるんですよね。日当たりもいいので、どこか地中海のリゾートのような雰囲気が漂っています。

 玄関、クローゼット、洗面所やトイレはタイルに、それ以外はフローリングにしました。キッチンの壁は薄い水色のガラスタイルです。ちょっとゴツゴツとしたアンティークの風合いのあるタイルがさらなる“地中海感”を生みだし、壁の高さは、リビングダイニングから手元が見えない高さにしています。

 リビングの白い壁の向こう側はベッドルームです。バルコニー側に作った小さなインナーテラスから出入りします。ベッドが置けるだけの空間なので、圧迫感のないよう壁の上部を開けました。

 洗面所はできるだけシンプルに。造作に余計なコストをかけず、必要な収納はなるべくクローゼットに収まるようにしました。

 玄関やリビング、ベッドルームには星形やガラスなどのかわいらしいシャンデリアが使われていて、そういった小物も部屋の雰囲気を作り出しています。

 シンプルな空間でも、自分の好きな素材をところどころに置くことで、その人らしい世界ができあがるんですね。

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PROFILE

石井健(いしい・たけし)

1969年、福岡県生まれ。「ブルースタジオ」執行役員。日本のリノベーション・シーンの創世期から600件以上を手がけてきた。「カンブリア宮殿」(テレビ東京系)でも「古い物件の家賃を倍にする不動産集団!」として紹介される。「郷さくら美術館」(東京・中目黒)で2012年度グッドデザイン賞受賞。また「賃貸アパート改修さくらアパートメント」(東京・経堂)で2014年度グッドデザイン賞受賞。 著書に『リノベーション物件に住もう』(共同編集/ブルースタジオ)、『MUJI 家について話そう』(部分監修)、『リノベーションでかなえる、自分らしい暮らしとインテリア LIFE in TOKYO』(監修)。
ブルースタジオへのリノベーションのご相談は、隔月開催のセミナーや、個別相談で承っています。

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