リノベーション・スタイル

<66>回遊性ある空間で動線もスムーズ

  • 文 石井健
  • 2014年5月14日

  [breeze]
 Yさん
 東京都港区
 築39年 / 58.18m²
 工事費850万円

 Yさんはデザイナーで、自宅で仕事もされるということなので、収納を充実させてワークスペースを作ることがテーマの一つでした。

 間取りはオーソドックスです。構造的に水回りは変更しにくかったのでほとんど変えず、和室と押し入れをワークスペースとウオークスルー・クローゼットにしました。

 一番大きなポイントは回遊性です。部屋の中心に作ったクローゼットや棚などの収納スペースには、寝室からもワークスペースからも出入りできるようにし、すべての空間をつないで回遊できるようにしています。

 また、収納棚とキッチン、寝室とクローゼットも暮らし方を考えて配置しているので、動線もスムーズ。昔、Yさんが滞在したロンドンのフラットが回遊性のある空間だったそうで、そのイメージが出発点になりました。

 さらに、素材感を大事にされていたので、床やキッチンカウンターの壁などには無垢(むく)材を使いました。キッチンカウンターの高さは、ダイニングテーブルに座ったときに流しなどが見えないよう、少し高めにしています。これくらいの高さがあると、テーブルについときに、キッチンとは別の空間のような感じがするのです。

 ワークスペースの床はモルタルにして雰囲気を変えました。ただし、椅子の音がゴロゴロ響くので、そこだけコルクタイルを敷いています。

 素材にこだわる一方、妥協できるところは妥協して、コストダウンをはかっています。水回りはほとんど変えていませんし、キッチン下の棚などはオープンにして市販の収納グッズを活用しています。カーテンは、天井につけたフックに竹竿(ざお)を横につるし、手作りのカーテンをかけています。暖簾(のれん)のような感じですね。こうすると、気分によって簡単に布を変えられるんですよ。

 インテリアのポップなセンスとナチュラルな空間がマッチして、毎日が楽しく、気持ちよく暮らせそうな部屋になっていますね。

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PROFILE

石井健(いしい・たけし)

1969年、福岡県生まれ。「ブルースタジオ」執行役員。日本のリノベーション・シーンの創世期から600件以上を手がけてきた。「カンブリア宮殿」(テレビ東京系)でも「古い物件の家賃を倍にする不動産集団!」として紹介される。「郷さくら美術館」(東京・中目黒)で2012年度グッドデザイン賞受賞。また「賃貸アパート改修さくらアパートメント」(東京・経堂)で2014年度グッドデザイン賞受賞。 著書に『リノベーション物件に住もう』(共同編集/ブルースタジオ)、『MUJI 家について話そう』(部分監修)、『リノベーションでかなえる、自分らしい暮らしとインテリア LIFE in TOKYO』(監修)。
ブルースタジオへのリノベーションのご相談は、隔月開催のセミナーや、個別相談で承っています。

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