リノベーション・スタイル

<67>リフォーム済み物件をさらに改造

  • 文 石井健
  • 2014年5月21日

  [KNIT]
 Iさん夫婦(夫31歳、妻31歳)
 東京都渋谷区
 築26年 / 60.13m²
 工事費420万円

 「300万円くらいじゃ、リノベできないですよね?」

 個別相談会で、I夫妻からそう相談を受けました。よくよく聞いてみれば、おふたりが買ったのはリフォーム済みの都内のマンション。いまあるものを生かせばやりようがあるので、プランをいろいろと出していきました。すると、「リビングだけで」という話が最終的には、水回り以外をリノベーションすることになりました。

 とはいえ、解体はほとんどしていません。大きく変えたのは、2Lだった部屋を壊して寝室とワークスペースにし、その二つをウオークスルークローゼットでつなげたことです。

 「当面、2部屋はいらない」ということだったので、思い切って1部屋にしました。こうすることによって、空間を広く使えるようになりました。ウオークスルークローゼットには、無印良品のコート掛けとIKEAの収納家具を使えるように設計しています。

 寝室には外とつながる窓がなかったので、リビング側の壁にインナーサッシをつけ、明かりを採り入れました。ガラスは琥珀(こはく)系のアンバーな色で、やわらかい雰囲気を作り出しています。

 プランを進めていくうちに、奥様から「キッチンも変えたい」という要望が出てきたので、最終的には少し予算を増やし、キッチンも広くしました。L字型をII型にして、総面積を増やしています。

 キッチンだけ床の解体をして配管工事をしましたが、それ以外は手をつけてません。寝室は既存のフローリングの上にカーペットを貼っていますし、リビングも既存の床の上にフローリングを増し貼りしています。天井も壁も既存のままです。

 こうすることによって、フルリノベだったら1千万円はかかるところを、半分以下の予算で望みの空間を造ることができました。部分リノベとは思えないほど、見た目は変わっています。

 リフォーム済みの物件を購入された場合は、このようにうまくプランをたてれば低予算でリノベーションできます。とはいえ、一口にリフォームといっても質のいいものから悪いものまでいろいろあるのが現実です。配管は古いままのこともるし、突貫工事で手抜きだったりすると、そこに合わせてリノベーション工事をするのが逆に大変だったりします。リフォーム済みの中古物件の場合は、その点だけ注意してくださいね。

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PROFILE

石井健(いしい・たけし)

1969年、福岡県生まれ。「ブルースタジオ」執行役員。日本のリノベーション・シーンの創世期から600件以上を手がけてきた。「カンブリア宮殿」(テレビ東京系)でも「古い物件の家賃を倍にする不動産集団!」として紹介される。「郷さくら美術館」(東京・中目黒)で2012年度グッドデザイン賞受賞。また「賃貸アパート改修さくらアパートメント」(東京・経堂)で2014年度グッドデザイン賞受賞。 著書に『リノベーション物件に住もう』(共同編集/ブルースタジオ)、『MUJI 家について話そう』(部分監修)、『リノベーションでかなえる、自分らしい暮らしとインテリア LIFE in TOKYO』(監修)。
ブルースタジオへのリノベーションのご相談は、隔月開催のセミナーや、個別相談で承っています。

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