リノベーション・スタイル

<69>男ひとり、大人のホームパーティ仕様に

  • 文 石井健
  • 2014年6月4日

  [Rosé]
 鮎ケ瀬さん(41歳)
 東京都目黒区
 築32年 / 71.51m²
 工事費1200万円

 鮎ケ瀬さんは交友関係が広く、もともと家に友達を呼んでホームパーティーを開くのが好きな方。ワイングラスを贈られることが多いらしく、なかには“マイグラス”を置いている友人までいるとのこと。

 家にいろいろな方が飲みに来ることを前提に、パブリックゾーンとプライベートゾーンをどう分けていくかということから考え始めました。

 鮎ケ瀬さんは「分けたいけど、そこまできっちりは分けたくない」とのことだったので、最終的に落ち着いたのは、部屋の真ん中に厚めの壁やスモークガラスを設置して、空間をゆるく分けるという方法でした。

 玄関から中に入ると、フローリングと同じウォルナットで作った厚めの壁があり、まずそこで“プライベート動線”と“パブリック動線”に分かれます。壁の玄関側にはトイレやクローゼット、寝室を、反対側にはキッチンやリビングダイニングをまとめました。

 スペースの問題で風呂はパブリック側になりましたが、キッチンと窓でつながっているので、風呂につかりながら「ビールちょうだい」なんてことができます(笑)。

 キッチン側にはワイングラスを収納するスペースを作りました。棚の仕切りはスチール。あえて重厚感をもたせ、大人っぽい雰囲気にしています。

 リビングと寝室の間に置いたのはスモークガラスです。もともとは外壁で使う素材で、若干ミラーがかかっています。どちらの空間に照明をつけるかで、反対側が見えたり見えなかったりします。

 ガラスには、視界を通しながら音だけシャットアウトするとか、見た目の硬さで感覚的に境界を作るなど、いろいろな使い方ができます。今回は「ベッドが見えるのはいいけど、生々しさは消したい」とのことだったので、透明ガラスではなく、スモークガラスを使いました。こうすることでシーンによって光の通り方が変わり、ゆるやかに空間を仕切ることができます。

 キッチンカウンターの壁はガラスタイル。部屋のさまざまな要素を決めた後で、インテリアに同調した色を選びました。ブラウン、赤、ゴールド、透明などのモザイクになっていて、“ちょいかわラグジュアリー“な感じです。男性のひとり部屋ですが、こういうカラーリングもいいですよね。

 実はインテリアって、男の人が男っぽいハードな空間を好むかというと、必ずしもそうではありません。女性も然り。ファンシーな空間が苦手な女性だっています。男女比で言うと、男っぽい空間が好きな男性とそうではない男性は半々くらいです。自由な発想で、自分らしい居住空間を作りたいものですね。

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PROFILE

石井健(いしい・たけし)

1969年、福岡県生まれ。「ブルースタジオ」執行役員。日本のリノベーション・シーンの創世期から600件以上を手がけてきた。「カンブリア宮殿」(テレビ東京系)でも「古い物件の家賃を倍にする不動産集団!」として紹介される。「郷さくら美術館」(東京・中目黒)で2012年度グッドデザイン賞受賞。また「賃貸アパート改修さくらアパートメント」(東京・経堂)で2014年度グッドデザイン賞受賞。 著書に『リノベーション物件に住もう』(共同編集/ブルースタジオ)、『MUJI 家について話そう』(部分監修)、『リノベーションでかなえる、自分らしい暮らしとインテリア LIFE in TOKYO』(監修)。
ブルースタジオへのリノベーションのご相談は、隔月開催のセミナーや、個別相談で承っています。

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